スーパーアース (PHPサイエンス・ワールド新書)

著者 :
  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569796932

作品紹介・あらすじ

太陽以外の別の星に木星クラスの巨大ガス惑星ホット・ジュピターやエキセントリック・ジュピターが発見されて約15年…岩石でできた地球型惑星が次々と発見された。地球質量の数倍から10倍のスーパーアースや地球質量に近いアースたち。その表面に海をもつ可能性が高く、生命が住んでいる可能性が高いものも。スーパーアース発見をめぐる熱いドラマと地球外生命の可能性に沸く天文学者たちの興奮を伝える。

感想・レビュー・書評

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  • 現在もっともホットな宇宙論・系外惑星探査に関する本。子供の頃、太陽系外に惑星は存在しないと言われていた。今考えてみると当り前の結論であるが、系外惑星がないのではなく、発見する手段がなかっただけのことである。観測技術の発達により、木星型巨大ガス惑星や、地球を何倍かに拡大したようなスーパーアースが発見されるようになった。今世紀中には地球型惑星の発見も不可能ではないと思う。さて本書、テーマは最高に面白いのであるが内容は観測方法と観測史にかなりのスペースが割かれており、気真面目と言うか、些かもどかしいと言うか。

  • 最新のスーパーアースに関する研究成果はもちろん、
    系外惑星の発見の歴史や発見の原理などの基礎情報も、
    しつこくなくさらっと、でもポイントを押さえてわかりやすく書かれています。

    井田さんの文章はわかりやすいな~、と思いますね。

    随所に一線で活躍する研究者ならではのコメントもあり、
    そういったわくわく感も読んでてありますね。

    系外惑星は天文学の中でも非常に進歩が速い分野。
    書籍も数年前のがすでに古くなってしまったりします。
    でも、新しい成果を解説した書籍は、
    それまでの歴史の部分を飛ばしてしまいがちです。
    とはいえ、そこは主題ではないのでページを割くこともできません。
    この本は、両方のバランスがうまく取れている本だなぁ、と思います。

    初版から一年が過ぎましたが、まだ古さは感じられません。
    次々と新しい発見があるこの世界、
    ぜひ早めに読むことをおススメします(笑)

  • 井田茂さんの本はいくつか読んでいるが、どれも興味深い。本書は6割方これまでの本の内容を踏襲しているが、記述がよりわかりやすく、かつ、最新の情報が盛り込まれている。特に惑星の形成過程で地球型惑星が中心星に落下してしまう謎解決への仮説は新しい(2010年の論文で発表)。

    ・徒弟制に見る日本独特の研究体制。個人主義の欧米にはない真の国際化の議論。
    ・塵が中心星に落ちてしまう問題は未解決。
    ・トランジット法観測専用の衛星望遠鏡TESS:12等級以下の明るい恒星が対象。
    ・SETI式ではなく、高度文明での電波漏れを検出するSKA電波望遠鏡
    ・ドップラー法解析ソフト
    ・強く輝くO,B,A型恒星では、ドップラー法では惑星は発見されていない。

  • 系外惑星発見の歴史に始まり、最新の観測成果から系外惑星形成理論まで詰め込んだ、盛りだくさんの惑星科学本。特にスーパーアースに注目して書かれた本は他に例がなく、天文に興味のある人には必読の一冊です。井田さんの熱い語り口も魅力的。

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著者プロフィール

東京工業大学地球生命研究所教授

「2021年 『太陽系と惑星 第2版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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