ほんとうはすごい!日本の産業力

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  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569797045

感想・レビュー・書評

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  • 全編にわたり日本が誇れる産業について書かれていると思いきやそうでもありません。著者が金融関係だからだとは思いますが。為替相場、金融政策等について、世界的な動き等について書かれています。未だに興味のわかない私ではありますが、何度も見聞きしているうちに頭に入るでしょう。印象に残ったフレーズがありました。「説明しなくても誰もが納得してくれることなどなくなった。」確かにそうですね。透明性が求められる時代、仕事でも成果をあげることも大切だが、顧客コミュニケーションを取って、顧客満足度を上げることも重視されますものね。

  • テレビでもお馴染みの経済評論家の著書。

    本書では「情報を読み取る技術」「日本の産業力」「世界経済」・・・とコラムの総集編ということで、すこしまとまりのない内容になっている。

    ◎MRJとロケット産業、再生医療など、日本では新しい産業が生まれてきている。

    観光業だけという、ギリシャと違い、
    パラダイムのシフトによって、新しい産業を生み出していく日本は、まだまだ優位なのだと励まされる一冊。

  • チェック項目3箇所。新聞紙の利点・・・携帯性、一覧性、記録性。英語は世界共通・・・日本語は1億2千万人のみの言語。日本が世界に残っていくには・・・・技術力を磨くこと。

  • 日本には素晴らしい技術がある。
    それを日本人が心から誇りに思って良いと思う。
    ただ、そんなに面白いと言う感じでは…

  • パワーとは産業力である。
    アジアだけで日本の人口の約7倍にも及ぶのだから、それらの人々の購買力は膨大だ。
    IT産業でアメリカが世界の覇者であり続けるのは、英語という世界共通言語の存在が大きいというが今後日本語の壁も乗り越えていけるようになる。

  •  著者の伊藤洋一氏はTV番組にもコメンテーターとして登場している経済評論家、本書は、その伊藤氏の最新の著作です。
     伊藤氏は、本書で、現在進行中の財政赤字拡大傾向の先に生じる日本経済の先行き不安、そして円相場の下落という悲観的状況においても、希望の光としての「日本の産業力」の底力の存在を指摘しています。が、具体的な「産業」の実態についてのレポートは極めてpoorなものでした。
     タイトルが「今後の日本と世界の金融情勢」とかであれば違和感がなかったかもしれませんが・・・。正直なところとても物足りない内容でした。

  • 伊藤 洋一 (著)
    政権の混乱、アメリカの格付け会社による国債の格下げ、円高による利益圧迫。一見して何もいいことがなさそうな日本経済である。だが、日本が他の国家破綻を懸念されているPIIGS(ポルトガル、イタリア、アイルランド、ギリシャ、スペイン)とはまったく違うことがある。それは「産業力」の有無である。日本には、爆発的な輸出が期待される国産小型ジェット旅客機やロケット打ち上げ技術、光触媒など、ニュータイプの技術の「宝」が次々と生まれている。これだけ広い産業のすそ野をもった国を、投資家がみすみす捨てるわけがないだろう。著者は金融・製造業の両方に関する洞察力をもっており、グローバルかつあくまでフェアな視点から、総合的に見て「日本の強さと弱さ」を明らかにする。また、本書はいまさら人に聞けないインターネットや新聞の活用法、情報を「読み取る技術」も満載されており、正しく経済を見る眼を養うために有効な一冊となっている。

  • 「日本の産業力はまだまだ底力がある」ということを解説した本ですが、具体的な産業の紹介だけでなく、日本とそれ以外(欧州や米国)との産業に対する考え方の相違についても触れています。

    欧米では金融関係企業での給与水準が製造業よりもかなり高いということで、この20年で多くの若者がそちらに流れてしまった結果、今の状況になっているような気がします。

    日本では二代にわたって理系出身の首相がでたものの短期間で辞めてしまいましたが、政治家はともかく、製造業の経営者には理系出身の方も頑張っていると信じています。

    将来にわたって日本が「ものづくり」も大切にしながら繁栄していくことを、この本を読んで感じることができました。

    以下は気になったポイントです。

    ・朝刊の場合、締切以降に起きたこと(例:ニューヨーク株式市場の引値等)は載らない、このために世界中で販売部数の減少や広告需要の低下の問題に直面している(p27)

    ・いまでも新聞のメリットは、1)携帯性、2)一覧性、3)記録性、にある(p27)

    ・新聞記事の文章面をそのまま読むのではなく、多くの見方の中の一つの見方を提示しているに過ぎないことを念頭におくべき(p35)

    ・アメリカにもイギリスにも、社会に階層があるので、高級紙「タイムズ」を読む人が、大衆紙「デイリー・ミラー」を読んでいることはほとんどあり得ない(p43)

    ・経済摩擦など海外諸国との軋轢が起きたときには、日本の新聞は必ず海外の圧力を実態よりも大きく伝える傾向があることを知っておくべき(p47)

    ・S&Pが日本の国債格下げに関して特に重視したのは、「財政赤字の規模」よりも、それを減らす意思や、その実行力である(p69)

    ・20年にも及ぶ日本のデフレの一つの原因は、その前の日本の物価が世界水準から見て、とても高かったこと、人口がピークを打ったという構造要因もあったが、「一貫して円が強かった」という側面もある(p72)

    ・世界でのボリュームゾーン(売れ筋商品を買う消費者層)は、可処分所得が、年:5000ドル以上、3.5万ドル以下の人を指す、日本には比較的少ない階層なので、日本メーカはあまり販売対象にしていなかった(p76)

    ・日本メーカーは、新しい顧客への挑戦を始めたばかりなので、苦しい、工場の海外移転、生産工程の簡素化、海外で使える資材、海外メーカーと競合できる価格等の多くの課題がある(p79)

    ・航空機産業も部品の数が多く、非常に裾野の広い産業であり、MRJが日本の産業界に及ぼす波及効果は大きい(p90)

    ・日本は戦後経済の発展において、航空機とロケットの分野で取り残されてきたが、最近はきちんと産業領域を広げている(p91)

    ・山中教授が見つけて成立した特許は、細胞初期化に関する4つの遺伝子のうち、特定の3つまたは2つを用いてIPS細胞を作製する技術(p93)

    ・いまでは我々先進国の人間を同じように消費を楽しみ豊かな生活を送っている人間は、中国インドでの富裕層2億人を含めて、20億人程度、そのしたのボリュームゾーンとされる中間所得層はアジアだけで9億人(p147)

    ・アメリカの感謝祭休日は、11月の第4木曜日に始まり、日本の正月で終わる、この時期には欧州の人たちは、金融取引から一時撤退する(p153)

    ・旧来のG7から、イタリアとカナダを抜いて、中国とインドを入れて、新G7を形成しようという動きが2011年4月になってでてきた(p175)

    2011年10月9日作成

  • 今の日本の市場経済・金融についてのお話でした。それを理解する上での情報というものの考え方、また裏打ちとなる日本の産業力にまで言及しています。本のタイトルからするとちょっと肩すかしでした。

  • Podcastでいつも鋭い視点からニュースを分析している伊藤洋一さんの新刊ということで購入。


    タイトルと中身に乖離があると感じた。伊藤さんのコラム「10代で学ぶ金融そもそも講座」を加筆したものであるため、基本的に書かれていることは日本の金融の背景である。


    金融の本としてみるとかなり読みやすいが、日本の新しい先端産業の紹介を期待していると少し肩透かしな感じがする。


    そちらは伊藤さんも出演している「地球☆アステク」を参考した方がいいということか。

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著者プロフィール

伊藤 洋一 (いとう・よういち) 東京大学大学院法学政治学研究科教授

「2023年 『裁判官対話:国際化する司法の協働と攻防』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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