日本企業にいま大切なこと (PHP新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569797137

感想・レビュー・書評

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  • 『失敗の本質』を記された野中郁次郎さんの名前が見えたので、購入。
    やはり読みやすく、説得力のある書だった。
    「日本企業」とあるので、ビジネス関連かと思ったけども、人の生き方や考え方という点で幅広く考えさせられる本だった。

    震災後に出された現代の書で、様々な事例や引用を用いつつ、日本ならではの強みやあるべき姿など、励ましになる書だった。
    企業がここにある提案をそのまま利用できるかはわからないけども、発想を転換させたり周りに流されずに気概を持って生きていく指南がなされている。

    『ビジョンとは「旗」を掲げることです。自社が何をめざすか、自分たちの夢は何かを打ち出し、「旗」を立てることによって、組織は奮い立ちます。「旗」の下に人々は結集し、大きな力を発揮するのです。』

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    【内容(amazonより)】
    「アメリカ型」はもはや古い! 不朽の名著『失敗の本質』で有名な世界的経営学者と、『見える化』を著したローランド・ベルガー日本法人会長が、日本逆転のシナリオを論じた往復対論。
    情緒的、非効率、ガラパゴス……「だから世界では戦えない」と指弾された日本企業は、CSRにコンプライアンスと論理的・科学的経営を妄信してきた。ところがアップルやグーグルをはじめ世界に冠たるグローバル企業は、もはや「アメリカ型」に懐疑的。むしろ「共同体の善」「現場の暗黙知」といった日本の「当たり前」が注目されているのだ。
    日本人自身が忘れた「日本の強み」を自覚せよ。「知識創造理論」を広めた世界的経営学者と「見える化」を唱えた現場主義の経営戦略家が、海外に売り込める日本の価値観を語り合う。
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    【目次】
    序章 日本の経営者は「実践知のリーダー」である――野中郁次郎
    第I部 成功している世界企業は「アメリカ型」ではない

    第1章 リーマン・ショックと大震災で何が変わったか
    ・日本企業にはコモングッドの精神がもともと宿っている――野中郁次郎
    ・いまこそ「エコノミック・アニマル」に立ち戻れ――遠藤 功
    第2章 横文字思考の“毒”
    ・コンプライアンスや数字から知恵や勇気は生まれない――野中郁次郎
    ・情緒的な国でどこが悪い――遠藤 功

    第3章 傷ついた日本の「暗黙知」と「現場力」
    ・イノベーションは平凡な日常からしか生まれない――野中郁次郎
    ・愚直なまでに「質」を追求する現場を取り戻せ――遠藤 功

    第II部 海外に売り込める日本の「強み」
    第4章 ムダが多いはずの「総合力」が生きる時代
    ・「ぶら下がり社員」を海外に送り込め――野中郁次郎
    ・「ガラパゴス」こそ日本の「際立ち」の象徴――遠藤 功

    第5章 世界に注目される共同体経営
    ・日本企業の価値観にいまになって欧米が近づいてきた――野中郁次郎
    ・モノや技術だけではなく「価値観」を売れ――遠藤 功

    第6章 優秀な個を結集する「チーム力」
    ・モノづくりに“身体性”を取り戻せ――野中郁次郎
    ・「日本的なもの」を素直に誇れる20代を活用せよ――遠藤 功

    第III部 スティーブ・ジョブズに学ぶ「日本型」リーダーシップ
    第7章 意思決定のスピードをいかに上げるか
    ・社員をその気にさせる「大ボラ」を吹け――野中郁次郎
    ・「職場」という単位に回帰せよ――遠藤 功

    第8章 優秀なミドルをどう育てるか
    ・リーダーは自分の夢や失敗談を語れ――野中郁次郎
    ・現場が元気な会社は「ノリ」がいい――遠藤 功

    第9章 賢慮型リーダーの条件
    ・「ディシジョン」ではなく「ジャッジメント」――野中郁次郎
    ・危機に直面したときの行動で企業の品格は決まる――遠藤 功

    終章 リーダーはつねに現場とともにあれ――遠藤 功

  • 野中氏の本はどれを読んでもはまる。

  • あわせて『経営は哲学なり』がおすすめ!

  • グローバル化で否定されてきた日本型の経営だが、今こそ日本型プラクティカルウィズダムに基づく経営が必要で、これこそが生き残る道なのだ。

  • 最近出たばかりの本で事例も新しい話題も多く、内容的にも大変有意義な本ではないかと感じました。
    「アメリカ型」はもはや古い、情緒的、非効率、ガラパゴスなどなど「だから世界では戦えない」と指弾された日本企業ですが、むしろ今となれば、それが強みであり、「共同体の善」「現場の暗黙知」といった日本の「当たり前」が注目されているとしています。効率化して巨大化してスケールメリットを追うだけでは世界で1~2社しか残らないのは自明です。ならば、むしろ独自性を強調するにはどういう社風にしていくのか、またそのためにはどんなリーダーなりミドル層が必要かは重要な要素でしょう。

    本文内に
    「創造とは一回性の中に普遍を見ることだ」と言う言葉があります。取るに足りない日常風景や他社とのやり取りのなかに潜んでいる小さな「コト」から、大きな変化の可能性に気づけるかどうか。イノベーションにはそれが重要であり、その気づきはふだんの連続性のなかからしか得られないのです。
    とあります。素晴らしい言葉です。全く同感であり、そのためにも社員も経営者も気づく力を強くしないといけないと思っています(もちろん持って生まれた才能もあるのだから、だれもがスティ-ブジョブスと同じになれるわけじゃないけど、同じになることが重要ではなく、同じ方向性を進めることが重要だと思う)

    個人の能力が足りないためにチームワークでカバーするという発想ではなく、個々の能力をアップさせてしかも団結力があるチーム作りが必要であり、そのためにもリーダーは夢を語る必要があるのだろう。夢がない経営者の企業はもはや生き残れない時代になりつつあるのかもしれません。しかも夢があっても語らないとといけないのでしょう。

    となかなか考えさえられる本でした。

著者プロフィール

一橋大学名誉教授
1935年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、富士電機製造勤務を経て、カリフォルニア大学経営大学院(バークレー校)にてPh.D取得。著書に『失敗の本質』『戦略の本質』(各共著)など。

「2019年 『知略の本質 戦史に学ぶ逆転と勝利』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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