天空の帝国インカ (PHP新書 744)

著者 :
  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569799049

作品紹介・あらすじ

アンデス高地を舞台に栄華を誇ったインカ帝国は、多くの謎とともに語られている。が、この地域は「栽培植物の宝庫」であり、ここを原産として世界に広がった作物はジャガイモやトマトやタバコや綿など、数十種にのぼる。40年余りにわたり、この地を調査してきた民族学者である著者は、インカ帝国を滅ぼしたスペイン人たちの文献と、自らの調査結果から、インカの先住民たちの精神世界に思いを馳せる。スペイン人たちが異端とみなした、「異形の神々」ワカ信仰こそが多くの謎を解く鍵であると確信し、本書を著す。

感想・レビュー・書評

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  • ここ最近、インカ帝国物をいろいろと読んでみる中、今年刊行されたものだったので、新しい見解や発見に触れることができるのでは?と思い、読み始めた1冊。
    タイトルには“その謎に挑む”とあり、勝手に“血沸き肉踊る”的な謎を知ることができるのかと期待していたが、民族学見地から長年アンデスの農業文化を研究されてきた著者だけあって、アンデス文明を支えた2大食物、ジャガイモととうもろこしに特化し、高度な農耕文化(高度な農業技術)-どうやら、これらが謎であるらしい-について、非常に丁寧に書かれている。
    なるほど!と思うことも多かったが、専門家がまじめに書かれているので、やや教科書的な印象は否めない。

    インカ帝国についてもっと知りたい!とか、ペルーに行くのでひととおりガイドブックを読んでみたけれど、もっと何か知りたい!という人には、必読の1冊。
    インカ帝国についてまだ何の知識もないけど知りたい!という超初心者には全くおすすめできない1冊。超初心者なら、NHKの「失われた文明インカ」をおすすめ。

  • 途中で挫折。
    最初にマピュピチュから始まるのですが。。。基本的に、インカ時代にこの辺りでどんな農耕がおこなわれていたか、という話。
    多くの人がインカに惹きつけられるのは、あの石壁とかの遺跡じゃないですか。しかし、作者はマピュピチュ本体よりも、マピュピチュを囲む段々畑に尋常ならざる興味があるらしく。。。
    そして、文章もくどい。。。それさっき聞いたけど。。。的な。。。
    インカ人が、酒を造るのに、ものすごい細密に段々畑を作り灌漑を行った、普段はジャガイモを食べていた、ということはよくわかりました。

  • ●マチュピチュで有名なインカ帝国とはいかなる国であったのか。独自の視点でもって、「ジャガイモ」「ワカ信仰」をキーワードに記述している。

  • (「BOOK」データベースより)amazon
    アンデス高地を舞台に栄華を誇ったインカ帝国は、多くの謎とともに語られている。が、この地域は「栽培植物の宝庫」であり、ここを原産として世界に広がった作物はジャガイモやトマトやタバコや綿など、数十種にのぼる。40年余りにわたり、この地を調査してきた民族学者である著者は、インカ帝国を滅ぼしたスペイン人たちの文献と、自らの調査結果から、インカの先住民たちの精神世界に思いを馳せる。スペイン人たちが異端とみなした、「異形の神々」ワカ信仰こそが多くの謎を解く鍵であると確信し、本書を著す。

  • 地理・農業・民族から見るインカ分析。異形信仰が多様な垂直農業と関連したのではないかという説が面白い。紀元前アンデスからインカまでのダイジェストもありがたい。

  • 現在世界中で食品素材として利用されているトマトやジャガイモ等は、
    原産地がペルー,アンデス地域(インカの地)である。どうして、この地で、
    多くの作物が栽培され世界に広がったか?それは、動植物の突然変異で
    生じた「変わりもの」を神聖なものとして大切に保存、維持してきたからに
    他ならない。これは、現在の新品種開発に通じる考え方で、衝撃を受けた。「変わりもの」だからこそ大切にすることの重要さを知らされた。

    鹿児島女子短期大学: 教員 吉元誠

  • こういう本を読んでいつも思うが、きちんとした地図を載せて欲しい。
    用語集的なインデックスも。
    読んでてわからなくなる。

  • 南米の太平洋岸に細長く繁栄したインカ帝国
    マチュピチュに代表される魅力的な文明のひとつ

    農作物に詳しい著者ならではの視点で
    トウモロコシを大量に栽培した理由と
    帝国が広範囲にわたり力を持った事実を符合させる

    強力な帝国を築きながらスペイン侵略に即座に滅亡した理由を
    インカの人たちの精神世界に求める説も興味深い

    あぁ一度、マチュピチュに行ってみたい

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著者プロフィール

1943年生まれ。京都大学大学院博士課程修了、農学博士。現在、国立民族学博物館教授、総合研究大学院大学併任教授。専門は民族学、民族植物学、山岳人類学。1968年よりアンデス、アマゾン、ヒマラヤ、チベット、アフリカ高地などで主として先住民による環境利用の調査研究に従事。1984〜87年にはペルー、リマ市に本部をもつ国際ポテトセンター社会科学部門客員研究員。主な著書に『インカの末裔たち』(日本放送出版協会、1992年)、『ジャガイモとインカ帝国』(東京大学出版会、2004年)、『ラテンアメリカ楽器紀行』(山川出版社、2005年)、『雲の上で暮らす——アンデス・ヒマラヤ高地民族の世界』(ナカニシヤ出版、2006年)、編著に『世界の食文化——中南米』(農産漁村文化協会、2007年)。アンデス・ヒマラヤにおける高地民族の山岳人類学的研究により今年(平成18年)度の秩父宮記念山岳賞などを受賞。

「2007年 『アンデス高地』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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