サムスンの戦略的マネジメント (PHPビジネス新書 191)

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  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569800226

作品紹介・あらすじ

かつて韓国を襲ったIMF危機を、マネジメントスタイルの大転換を図ることで乗り越え、世界的企業に飛躍したサムスン。いまや日本のライバルメーカーを凌ぐ「強さ」を身につけている。また、その経営戦略は、震災で競争力を失いつつある日本企業に「危機の乗り越え方」を教えてくれる。「秘密主義」の会社として名高いサムスンの経営幹部に密着取材。知られざるマネジメントの実情を詳しく紹介。

感想・レビュー・書評

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  • サムスンの成功について整理。3冊目(最後)

    現会長の構築した戦略、マネジメントにより、成功しているが、
    市場環境は変わり続けていく。世代も交代する。環境を見据えて変化しないとならない。
    自分は、自分たちはどこを目指して変化していくか。

    ・韓国は、今後、下からは中国に追い上げられ、上からは日本の巻き返しを受けることを恐れている。
    ・日本にしろ韓国にしろ、一国では中国と戦うことはできない。
    ・顧客のニーズがテクノロジーからデザインに移っていることをいち早く感じ取り、デザインに力を入れる。
     電子機器はもはや、アパレル業界のような他品種・少量のコモディティ同様の位置づけ。アパレル同様、
     デザインやローカライズ、価格、ブランド力が最重要視される世界。アパレル業界が取る戦略を適用するのも
     1つの手かもしれない。(アセットを無視すれば)
    ・幸福な働き方を求めて
     韓国も急速に少子高齢化社会を迎える。仕事と生活のバランス。社会保障制度構築が不十分。
     若い世代の価値観、労働間が変わってきている。
    ・サムスンは今後10カ年計画として、新たな成長戦略5分野へ大規模投資。?太陽電池、
     ?電気自動車向け電池、?医療機器、?LED、?バイオ医薬品。従来のキャッチアップ型から、
     市場創造型への転換を目指す。
    ・いずれ新体制への移行(李在鎔体制)もあり、サムスンも転換期。→何事も変化する。


  • あちこちからの引用による乱文で、本書のタイトルにあるマネジメントの記載が薄い。

  • サムスンの大躍進のきっかけはIMF危機後、世界市場に目を向けたことである。積極投資をしてきた。
    ウォン安を背景に世界での存在感を急速に高めてきた。
    サムスンは地域専門家精度で現地で情報を集めて、その国にあった品質の適正化を図っている。地域専門家は現地モデルを効率的に開発し、確実に利益に結び付ける戦略的な精度。
    優秀な人材を世界中で確保している。

  • サムスンの創業から現在までの歴史をざっと解説した一冊。サムスンの内部、戦略などもっと踏み込んだ内容を期待したのだけど、その点では少し物足りず。

  • サムスンの戦略的マネジメント (PHPビジネス新書) [新書]
    片山 修 (著)

  • サムスンの3代による歴史と取材から見えるサムスンの今の姿が書かれている。マーケット•インと引き算方式の価格設定により、新興国市場でサムスンの世界戦略が成功しているので、なるほどなと思った。

  • サムスンは如何に世界的企業に上り詰めたかをコンパクトに書いた本。絶対的にサムスンのやり方が正しいとは思わないが、今の日本企業に足りない姿勢がサムスンにあるのは確か。後は国策としての産業支援をやり抜く韓国の国力に今の日本が勝てるのか

  • 韓国という国、経営者の実力がサムスンを支えていると感じた。
    戦略の部分は言及が弱い気がする。
    タイトルから期待していた内容とは少し乖離があり、物足りない。

  • 入社時のTOEIC平均点900以上点。

    サムスン躍進の秘密が知りたくてこの本を読んでみたのだが、日本の会社とのあまりの違いに驚いた。

    サムスンの英語力の凄さはよく知られているが、優れているのはそれだけではない。

    徹底した能力主義とそれに応じた成果報酬、軍隊的な企業文化。

    上司の命令は絶対服従だが、それでいて大胆な権限移譲がなされており、管理者に判断を仰がなくても現場の社員が即断即決できる。
    それが日本企業が真似できないスピード経営の秘密だ。

    デザインの力も重視しており、デザイン部門は1000人を超える。それが魅力的なデザインにつながっている。

    そして優れた人材を世界中から探し求め、特に優秀な人材の獲得にあたってはその費用が1000万を超えることもあるという。

    使用する部品は日本企業と変わりない。独自に技術開発しているわけでもない。
    しかし日本の会社が太刀打ちできない理由は、驚異的な語学力、魅力的なデザイン、大胆な権限移譲によるスピード決断、徹底した現地化。

    アジア通貨危機後、海外に目を向けなければ生き残れない危機感がサムソンを変えた。
    今、日本も同じ状況に置かれている。

    李健煕会長の「女房と子供以外はすべて変えろ」との言葉が印象的だ。

  • サムスン流の戦略の一端が読み取れる。
    日本の企業がなぜ負けたのか、勝つにはどうすればいいのか、働くなら日本企業とサムスンのどちらがいいのかなど考えさせられる。

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著者プロフィール

片山 修(カタヤマ オサム)
ジャーナリスト
愛知県名古屋市生まれ。経済、経営など幅広いテーマを手掛けるジャーナリスト。鋭い着眼点と柔軟な発想力が持ち味。経営戦略、マネジメントにも造詣が深く、長年の取材経験に裏打ちされた企業論、組織論、人事論、時代論には定評がある。2001年から2011年まで学習院女子大学客員教授を務める。
『時代は踊った――オンリー・イエスタディ‘80s』(文藝春秋)、『ソニーの法則』『トヨタの方式』(以上、小学館文庫)、『本田宗一郎と「昭和の男」たち』(文春新書)、『ふるさと革命――“消滅”に挑むリーダーたち』(潮出版社)、『社員を幸せにする会社』『技術屋の王国――ホンダの不思議力』『豊田章男』(以上、東洋経済新報社)など、著書は60冊を超える。

「2021年 『山崎正和の遺言』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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