- Amazon.co.jp ・本 (261ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569804187
作品紹介・あらすじ
役者になって60年。80歳を迎える仲代達矢がこれまでの作品を振り返る。日本映画は昭和20年代から30年代は黄金時代。ちょうどその頃、仲代達矢はデビューした。俳優座養成所でのこと、小林正樹、岡本喜八、黒澤明ら名監督との出会い、高峰秀子、原節子、勝新太郎といった有名俳優との仕事などを回想する。映画会社の専属にならない、当時としては珍しいフリーの立場を貫いた。一年の半分を映画、もう半分を舞台ときっちりわけて仕事をしてきた俳優だからこそ、日本映画の盛衰を冷静に見ていた。現在の映画界についても鋭く語る。
感想・レビュー・書評
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こういう本を読むのは好きだ。その割には邦画は見ないんだけど。
150本超出演しておられるが黒沢映画と華麗なる一族、二百三高地、他数本しかみていない。
初めて仲代達也の名前を意識したのは、この本の終わり近くになってやっと出てくるNHK大河ドラマ「新平家物語」だ。
大河ドラマ史上の傑作のひとつと思うんだけど出演を決めた理由が面白い。お母さんが近所の人達に息子が落ち目だと思われるのが悔しいと泣いて電話してきたから。(昭和47年の大河ドラマだが既に世間は役者はテレビに出るものという認識があったらしい)
ここはひとつ親孝行しようか!という理由で出演を決めたとの事。
黒沢明、小林正樹、岡本喜八、五社英雄等、監督との交流も興味深い。みんな故人になってしまった。日本映画の黄金期を語れる俳優もどんどん減っていくだろう、歴史的価値のある本だと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
#877「仲代達矢が語る日本映画黄金時代」
仲代達矢さんは特別好きな役者ではないけど、凄い役者である事は事実でせう。あの狂気を帯びた眼はマネが出来ません。わたくしは心の中で、仲代達矢・三國連太郎・丹波哲郎を「五社協定時代の三大フリー俳優」と名付けてゐます。
春日太一さんは精力的に日本映画や時代劇の啓蒙に努めてゐらつしやるが、岩下志麻さんの本も良かつた。かういふ語り部が元気なうちに、もつと色々な映画人の証言を引き出して頂きたいと存じます。 -
自分に正直な人である。自ら望むところ俳優として堂々と進む。いい監督、いい本、いい俳優が揃ってこそ名作がうまれる。もう一度日本映画を見直さなくては。
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読むよりも、音声で聞きたかった。
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ふむ
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一つ一つのエピソードを読むたびに映画のシーンや公開時の世間の様子、他の文献から知っていた違う角度の話などいろんなことが頭をよぎる。知らなくても想像させてしまう仲代さんの話術と春日さんの構成。役者さんは身体と感情の仕事だと思っていたが、それ以上に技や技術を意識されていたのも目からウロコ。
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(欲しい!/新書)
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インタビューの纏め方が秀逸ですね。仲代達矢出演作を中心に、日本映画界のミクロな部分がうねりを持って見えてくるといいますか。名監督や俳優らの現場でのぶつかり合いてのはさすがのもので、今の「うちのタレント使ってあげて」なマネージメントでは考えられない。仲代も他の方に比べればおとなしいようですが言うことは言うようですね。しかし筋を通しすぎて、麻雀に負けて妻に質屋行かせるてのもすげーです。芸術作品には余剰な部分が必要なのに今は…というのもさすがの慧眼、一番に挙げているのは切腹、これホント名作ですね。