- Amazon.co.jp ・本 (445ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569806501
作品紹介・あらすじ
先の見えすぎた男が背負った重き十字架。信長が惚れこみ、秀吉が畏れた武将・蒲生氏郷の知られざる生涯を描く。
感想・レビュー・書評
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キリシタン大名の蒲生氏郷の小説。高山右近と並んでキリシタン大名として有名なのだとか。しかし右近が二代目クリスチャンなのに対し、氏郷は一代目。右近が洗礼名を授け、先輩として信仰の模範として描かれている。彼を見て信仰に入った氏郷も、この世の権力争いなどに翻弄され、右近と同じように信仰と現実の戦いに悩まされるという小説。作者はおそらく未信者だろうが、とても良く信仰者の葛藤が描けている。特に権謀術数にたけている伊達政宗とのやり取りはキリスト者として読んでいて氏郷の気持ちに共感できた。またその政宗と秀吉のこの世的な渡世のうまさには氏郷と共に呆れる思いがし、世のはかなさの中でエラそうに振舞ったり媚びへつらったりする事の空しさを思わされた。
星五つ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
早くから、海外の事情に精通し、信長を崇拝して、順調に出世した氏郷だが、秀吉の時代になって、秀吉のやり方に疑問をもち、キリシタンになったあたりから、悲劇の影がちらつきだした。そして、あの独眼竜の登場で彼の人生は終りを告げる。
氏郷という人はあまりにも生まれてくるのが早すぎたし、頭が切れすぎた。 -
蒲生氏郷、才能豊かであり、あの織田信長にしてその才能を認め、信長の次女の婿として、信長の身近に仕えたほどである。
豊臣秀吉についても、氏郷の妹、後の三条殿を秀吉の側室として差し出し、秀吉の側近の中でも、確固たる地位を確立した。
キリシタン大名でもあり海外との交流、また治世においてもよく統治しており、非常に魅力的な人物。 -
苦手な歴史絡みを題材にした本書、少々時間をかけて読了。
舞台は戦国時代から安土桃山時代の武将である蒲生氏郷を主人公にし展開する。織田信長に臣従し、本能寺の変後、キリシタン大名として、洗礼を受けレオンの霊名を得る。
内容としては、大名として頭角を表していく立身出世の経過を様々な男の子の心を擽るエピソードを踏まえて細部を埋めていくイメージ。
もう少しちゃんと歴史を勉強来ておけばすんなり読みやすかったかもしれない。 -
他の作家さんの作品に出てきた「蒲生氏郷」のことを知りたくなり、読んだ本。
もう少し人となりがわかる作品だと良かったな。 -
名前は聞くけどよく知らない蒲生氏郷が主人公。氏郷がいい人すぎて、癖がない分、あっさり進む。もうちょいぐおおーって爽快感がほしくなる。
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信長に気に入られて出世街道まっしぐら。信長の次女をめとるほどの戦国時代のサラブレッド。でも信長の死後、秀吉の家臣となるが遠ざけられる。あげく会津若松に転封され伊達正宗の謀略策略にはめられ、毒を盛られやられ放題。背後には秀吉の指示があったらしい。どうもキリシタン大名はそんな役回りが多いな。
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蒲生氏郷が信長と出会い、会津に配置され没するまでをキリシタン大名として描く。清廉潔白に描き過ぎているかな。イスパニアとの駆け引きの視点は新しく興味深い。毒殺説を前提に書いてあります。
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(amazonの内容紹介)
先の見えすぎた男が背負った重き十字架――
織田信長が惚れこみ、豊臣秀吉がその器量を畏れた武将・蒲生氏郷の生涯を描く長篇小説。
信長に見出されて娘婿となり、その薫陶を受けて武将として成長する蒲生氏郷。世界とわたり合える国をつくるために天下統一を急ぐ信長の志を理解し、その実現をめざして邁進していた氏郷だったが、長島一向一揆での惨劇を目にして、心が大きく揺らぎ始めていた。
信長亡き後、その遺志を受け継ぐと思われた秀吉に従い、数々の合戦で功を立てた氏郷は、会津百万石の太守になる。しかし、秀吉が私利私欲にとらわれていた事実を知り、志を遂げるために独自の道を歩むことを決断したのであった……。
茶人やキリシタン大名としても知られている蒲生氏郷には、文武に秀でた器量に危機感を覚えた秀吉が毒殺したとの説もある。その謎を解き明かすと共に、著者独自の解釈とグローバルな視点で、蒲生氏郷の人生を骨太の筆致で描いた力作。
信長関連の歴史小説ではよく必ず出てくる蒲生氏郷。しかし、今まであまり、詳しく取り上げられず、よく知らなかった武将だったので、楽しく読めた。