この世の偽善 人生の基本を忘れた日本人

  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569808895

作品紹介・あらすじ

なぜ生活保護者がこんなに多いのか? 己の不遇を社会や時代のせいにして、自身の力を磨かなくなった日本人の自己愛、怠惰を叱る。

感想・レビュー・書評

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  • 金 美齢さんと曽野綾子さんの対談本『この世の偽善』。
    いつもストレートな物言いが心地よいけども、今回は2人の相乗効果でさらに楽しめる。
    何か知識を積むための本というよりも、ふたりの考え方に触れることのできる素晴らしい書だった。

    2人の豊富な経験で、日本をある程度はなれた位置から、あるいは中から眺める視点は勉強になった。
    何よりも、読んでいると、日本に誇りを持てる。

    やはり、この2人、話に深みがあるし、キレがあるし、好きだなぁ。

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    【内容紹介(amazonより)】
    日本人は長年「もの分かりのいい人」を演じてきた。
    弱者保護や被害者救済など一見、弱い者の側に立つふりをし、政治家は票欲しさに「ばらまき」政策を行なっている。
    その結果、わが国は過去最多の214万人を超える生活保護者を擁する「よい国」になった(2012年)。
    しかし、彼らは本当に自立できない人たちなのか。いまの日本は本当に職がないのか。そう問うことは禁じられている。
    ボランティアについても、人の世は、一ついいことをしようと思うと、必ず不都合と苦悩が出てくる。人生にも「あれか、これか」という形の歯切れのいい選択はない。
    メディアは社会や国家の批判はしても、本質的につきまとう人生の不都合や不自由を見せない。
    これが「日本の偽善」である。
    「権利」という言葉は、誰かのため、何かのために自分が我慢し、犠牲になることがある、という想像力を失わせてしまう。
    一所懸命働いて税金を納める、まずそこから始めるべきではないか。
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    【目次】
    はじめに
    第一章 何もかも幼くなった
    第二章 日本は「夢のお国」
    第三章 「ごっこ」遊びの終わり
    第四章 生活保護者が多すぎる
    第五章 愛は礼を失せず
    第六章 「もの分かりのいい人」の罪悪
    第七章 人は何とか生きていける
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  • なんとなく 感じ方にずれが・・・性差のせいなのかな~  カチ ってはまらない感じ 

  • スッキリした。理解しあえない人々がいるのは事実だ。言葉が虚しくなる。

  • 2013年4月4日、初、並、帯付
    2015年10月23日伊勢BF

  • 対談集。よくここまで書いて出版できたなぁと感心するほど、ズバッと言ってる。
    言論の自由が憲法に書かれているにも関わらず、やれ人種差別だの、なんだのとやいのやいのあるこの時代にズバッと言える言葉の重み、人生の厚みを噛み締められる1冊。

  • 歴史、教育、ボランティア、仕事、社会福祉、文化、戦争、生と死、、、日本社会の様々な側面に焦点をあてた、「人生の基本」についての著者二人による対談です。

    世界とは人生とは、不条理であることが当然であり、それを与えられたものとして、自らの勇気と覚悟をたのみに生きていく。
    この当たり前のことが、今失われている、と、著者二人の経験や思想、現代社会の現実を具体的に紐解き、愛する祖国への警鐘を鳴らしています。

    人は、意識せず、偽善を行なってしまう場合がある、と私は考えます。
    しかし、著者達が本書で伝えたかったのは、「意識せず」ではないよ、根本の考え方が、甘っちょろくなってるよ、ということです。

    ここで改めて、自らの思想・行動を見つめなおす良い機会となりました。

    本書で両氏が語った言葉から、特に共感した言葉を一つずつ(いっぱいありすぎて、一つだけに絞るのは心苦しいのですが)ここにご紹介し、読後の感想を終わります。

    【本書抜粋 金美齢】
    安易に弱者の味方をし、社会や国を批判することが正義だといわんばかりの偽善が、世の中に溢れています。
    それがどれほど日本人のあいだから「自助」の精神を奪っているか。
    その一方で、どんなにセーフティネットが整えられても、その世話にはならないという気概を持って生きる人たちのことは顧みられない。
    これは、とても健全な社会のあり方とは思えません。

    【本書抜粋 曽根綾子】
    人間はつねにいささかの悪をしながら、時にはかなりの善をなすこともできる。
    この感覚が私は大事だと思っているんです。
    自分の内部におけるこの善悪の配分の時に必ず起きる、一抹の不純さの自覚が人間をつくるのだと思うんです。

  • 曽野綾子さんと金美齢さんの対談。二人とも歯に衣着せぬ感じ
    世の中には、どうでもいいことにこだわったりとか、一見正論ぽく聞こえるものがただの自己満だったり、浅い「である」ことが多すぎる。

  • 2012/04/08-04/16
    人間は地理的環境、自然環境、近隣諸国の政治的環境に左右される。盗人が少ないのは島国で国外退去ができなかったからで、何も善人だったからでも道徳性が高かったからでもない。金さんが信じる日本人は何人いるだろうか。

  • 曽野綾子さんと、金美齢さんの対談形式でかかれています。

    共感できることばかりでした!
    お二人とも言い回しや、言葉の使い方が素晴らしくて、歯に衣着せぬ物言いだと思う方もいるかもしれませんが、皆さんにお勧めしたい一冊です。

    今の日本は、偽善や綺麗事、理想論ばかりを語れば、正しいことを言っている知識人だと思われるおかしな風潮があります。

    もっと物事の裏表、本質、やらなければならないこと、できることを各人が考えていないと、安易に流されるテレビや新聞の情報を鵜呑みにするだけではダメなんです!

    そんなことを考えさせられる内容でした!

    おすすめです!

  • 日本における「ごっこ」の蔓延という概念については、これまで感覚的に頭をもたげていたものであったが、いい得手妙な表現であった。

    思想的バランスを持って本書を読むことが重要であると感じた。日本における問題を辛辣かつ適切に切り取っている対談形式の本書である。私自身は読後の立ち位置が難しく、完全な賛同や礼賛はできないと感じた。

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著者プロフィール

金 美齢(きん びれい)
1934年台北出身。59年に来日し早稲田大学第一文学部英文科入学、71年に大学院文学研究科博士課程修了。多くの大学で講師を歴任、早稲田大学では20年以上英語教育に携わる。75年ケンブリッジ大学客員研究員。88年にJET日本語学校設立。2000年には台湾総統府国策顧問に就任。2009年日本国籍取得。現在は評論家として活動を続けている。著書に『凛とした日本人』『家族という名のクスリ』(PHP研究所)、『戦後日本人の忘れもの』(WAC BUNKO)、『夫婦純愛』(小学館)他多数

「2020年 『愛国心 - 日本、台湾ー我がふたつの祖国への直言 -』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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