- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569809892
作品紹介・あらすじ
工場、ビルや住宅の電力、エネルギー効率を劇的に変える革命「スマートグリッド」の全貌を、企業各社、自治体への徹底取材で描ききる!
感想・レビュー・書評
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図書館で借りて飛ばし読み。家庭の電力量計に通信機能を持たせてリアルタイムで使用量/コストを見える化すれば確かに節電の意識は持つかもしれないが、それ以上に発展することもない。スマート化は単品で実施しても効果が薄く、ひとつの家庭の中でも幅広い機器が、供給側の電力会社も含めた地域全体がつながることによってシナジー的に効果が増してくるのだろう。その”効果”というものが、具体的にどんなものでどれだけのうれしさがあるかと言うのは、まだ実は明確になっていなくて、スマート化によって即時性と双方向の情報授受が実現できた時、どんなことができるかを実証試験で模索している段階のように思えた。
パッケージ型インフラ輸出については日立やJR東日本の取り組みが紹介されていて、今後の日本の経済的成長について希望を持てるような内容だった。単品販売のコストだけでは勝負できないので、運用ノウハウや保守、周辺サービスなど包含的にパッケージ化してこそメリットが出せるのだろう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
東日本の復興に合わせて、にわかに脚光を浴びるようになった「スマートシティ」に代表される、新しい都市やコミュニティづくりの現状を取材した本。2013年前半の「今」をよく知ることができる。
地域全体の電力をスマートグリッドで制御するとか、いざという時に電気自動車が家や町の電源になるとか、ベンダーサイドの企画書レベルの話が続くのかと思ったら、すでに導入している北九州市などの事例が並んでいて興味深かった。
ビジネスチャンスと見て、さまざまな業種の企業が参入しようとしているが、IBMや東芝、トヨタ、積水ハウスなどといった大企業よりも、ヤマダ電機の取り組みがいちばん地に足がついていて、真っ先に成功しそうなところが面白かった。
ただ、参入企業やインフラの話は丹念に取材されているが、実際に実証実験やスマートシティを体感している住民の生の声を、著者自身がひとつも直接取材していないのが驚きでもあり、中途半端な印象だった。