竜の雨降る探偵社

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  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569810126

作品紹介・あらすじ

昭和30年代の新宿、珈琲店の二階に住む美しき青年・水上櫂が開いたその探偵社は、「雨の日だけ営業する」そう噂されていた-。櫂のもとに、大家で幼馴染の和田慎吾が「最近、自分の店子の会社で、郵便物の間違いが多くて、応対する受付の女性が困っている」と訪れる。慎吾が櫂に相談した三日後、その女性は失踪して…(表題作)。友人の死を悼む女性の真意を見抜く「沈澄池のほとり」、破格の条件が用意された学生カメラマン採用試験の謎に迫る「好条件の求人」など四作品を収録した連作短篇集。

感想・レビュー・書評

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  • 「雨天のみ営業する」と、噂されている探偵社を営む、櫂。幼馴染で、大家の、慎吾の協力で、数少ない相談者の問題を、ホンワリと解決していく。が、慎吾は、櫂への後悔をずっと、抱いているが、最終章で、ようやく、「僕なら平気だ。君がいるんだからね」と、言ってもらえる。
    その後、慎吾と腹違いの兄、誠吾との確執、櫂と慎吾との関係が、明かされる。
    この辺で、少し、ウルっと来る。

  • 『竜の雨降る探偵社』
    母親や弟妹の為に頑張って働いて、騙されないように気をつけて…そんな人を狙うなんて酷い。

    『沈澄池のほとり』
    皆の同情心を利用なんて…。何より、自殺した人や遺族に対して失礼すぎる。

    『好条件の求人』
    まさかの有村礼!〈帝都探偵絵図〉と同じ世界観なのか。題名が“別れの雨”で描かれてるのが男って、高広?

    『月下の氷湖』
    何よりも誰よりも大切な弟の為に弟自身なや疑われても嘘をつき真実を抱え続けた兄、誰よりも大好きな兄を疑いながらも慕い続けた弟。〈帝都〜〉の『永遠の休暇』を思い出した。

    最後にわかる櫂の秘密も切ない。わからないままでもと思ったけど、これがわからないと初めのモノローグの意味がわからないんだよね。
    〈帝都〜〉と同じ世界観だからか雰囲気が似てる。

  • 日常系ミステリ短編4作品。
    干拓される湖の神主だった櫂が探偵事務所を東京で開く。
    短編そのものはもっと驚きが欲しい。オチにはちょっとビックリしたけど、亜愛一郎を思い出した。

  • 時代は昭和でしょうか。落ち着いたレトロな時代という印象でした。
    元神主という異色の経歴の探偵櫂と、友人の若社長慎吾の二人が、日常のちょっとした謎を解き明かしていく連作短編ミステリです。
    謎解き要素と二人の微妙な友情と距離感が静かな印象で、落ち着いた気持ちで読めました。
    ただ、これは個人の好みなのだと思いますし、感じ方にはそれぞれあると思うのですが……
    個人的に最終話(この話そもそもが、ストーリー上なくてはならないのでしょうが、最も読むのに気が重い話でした)のラストは蛇足というか、そこは謎のままか、ほのめかす程度にして欲しかったと思いました。
    この最後で折角の不可思議な読後感が壊されてしまい、一気に冷めてしまいました。

  • 探偵というのは、品のない商売だね。人が隠したがっていることをわざわざ暴き立てるんだから」
    「雨天のみ営業」――昭和30年代、新宿。珈琲店の二階で探偵業を営む美しき青年と、その幼馴染の友人。
    二人が真実に辿り着くとき、哀しき人の心に慈雨が降る。
    昭和30年代の新宿、珈琲店の二階に住むその美しき青年・水上櫂(みなかみ・かい)が開いた探偵社は、「雨の日だけ営業する」そう噂されていた――。
    櫂のもとに、大家で幼馴染の和田慎吾(わだ・しんご)が「最近、自分の店子の会社で、郵便物の間違いが多くて、応対する受付の女性が困っている」と訪れる。
    慎吾が櫂に相談した三日後、その女性は失踪して……(表題作)。
    ◎友人の死を悼む女性の真意を見抜く「沈澄池のほとり」、◎破格の条件が用意された学生カメラマン採用試験の謎に迫る「好条件の求人」など四作品を収録した連作短篇集。

  • BL風味とレトロが好きな人におすすめ。

  •  
    もと神主さんのゆるーい探偵さんが謎解きするお話が全部で四話。
    面白い謎解きも、ちょっと無理ありそうな謎解きも色々ありますが、とりあえず四話目の最後まで読んで頂きたい一冊。

    最後に優しい種明かしのある優しいファンタジーです。

  • (収録作品)竜の雨降る探偵社/沈澄池のほとり/好条件の求人/月下の氷湖

  • 昭和30年代、新宿。雨天のみ営業と噂される探偵屋とその幼なじみが、依頼人の謎を解き明かしていく話。
    と平行してこの二人の関係性の謎も最終話で解き明かされる。
    4話構成。
    すんなり読めました。この二人の関係性も良かったです。
    最初の3話の謎は、読んでいれば大体想像がつくのですが、最後の1話は解答を出されて、なるほど!と思いました。
    探偵・櫂に幼なじみの慎吾が抱く罪悪感の正体とさらにその先の真実に触れて、この二人がもっと愛しくなりました。

  • 最後で締まった感じ。切ないなー
    三木さんだな~ってお話です。

    礼がちょこっと出てきた(^_^)

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著者プロフィール

1975年生まれ。秋田県出身。2008年、第2回ミステリーズ!新人賞最終候補作となった短編を改稿、連作化した短編集『人魚は空に還る』(東京創元社)でデビュー。他の著書に『クラーク巴里探偵録』(幻冬舎)、『百年の記憶 哀しみを刻む石』(講談社)などがある。

「2019年 『赤レンガの御庭番』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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