預けたお金が紙くずになる (PHP新書)

著者 :
  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569812212

作品紹介・あらすじ

日銀へのインフレ圧力が強まる中、日銀や市中の銀行は果たして、時代に合った存在であるのかを「利用者」の視点から問う。

感想・レビュー・書評

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  • "これは銀行業界に勤めている人であれば読む意味もありますが、
    題名と内容が一致していないと思います。
    個人が読むべき本ではありません。"

  • 来週の日曜日(2013.7.21)は参議院の選挙で、ここで自民と公明党が過半数を維持すれば、現在進行中のアベノミクスは日本国民に信任されたことになるでしょう。

    自民党が政権をとってから、つい最近までは、円安・株高・インフレが順調に起きています。先日には、日銀総裁による「景気回復宣言」も行われて、消費税増税の準備も万端に整ったようです。

    日本人は今までに使っていた紙幣が紙屑になったのは、何回かあったと思います、江戸時代末期と太平洋戦争直後でしょうか。近い将来に今使っている紙幣が紙屑になることは無いと思いますが、インフレが進めば、現在の紙幣の価値は下がるのは当然です。

    この20年間は、私たちの持っている「1万円札」の価値はほぼ同じだったと思いますが、これから先の20年間から変わっていく(下がっていく)可能性もありますね。今までは地道に貯金をしている人が一番良かったと思いますが、今後は変わっていく可能性があると、この本を読んで思いました。

    以下は気になったポイントです。

    ・日本の企業が高額の手数料をとられてもマーチャントバンクに頼ったのには理由がある、彼等にはプロジェクト創出能力や遂行能力があった、融資や起債にとどまらずプロジェクトの調整役でもあった(p82)

    ・企業が銀行間において、将来を嘱望される幹部候補を互いに受け入れるメリットは、現在だけでなく将来の人脈が作れること(p90

    ・日本国債がリスク資産と見做されるようになりつつある現在、地銀や信金・信組も再編を覚悟するべき(p101)

    ・スペインで第三位の銀行とされるバンキアが事実上破綻(2012.5.25)して、国によって190億ユーロの支援を受けて救済された。バンキアは、2010年にスペインの地銀連合である、これは日本でも将来起こり得る現象である(p101)

    ・日本の巨大邦銀グループは、とても非効率、それは銀行グループ会社の数の多さと非効率さにある(p128)

    ・地銀は、2011年になってから急に東南アジアとの銀行の業務提携をするようになった、横並びしかないのが戦略(p136)

    ・取り付け騒ぎは、昭和初期の金融恐慌以来、日本では長く起こっていないと思われている。しかし、日本振興銀行(破綻してイオン銀行に買収)や、東日本のある銀行で起きており、今後も起こる可能性はある(p190)

    2013年7月14日作成

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著者プロフィール

企業アドバイザー。(株)フレイムワーク・マネジメント代表。1957年生まれ。島根県松江市出身。一橋大学、スタンフォード大学ビジネススクール卒。都銀、外銀で20年勤務、外資IT系VC企業の日本代表も務め、2001年に独立。経営戦略(M&Aを含む)、人財や新規事業開発、海外進出等を助言。銀行関係では『地銀・信金 ダブル消滅』『地方銀行消滅』(共に朝日新書)、『2025年の銀行員』(光文社新書)、『誰も書けなかった「銀行消滅」の地図帳』(宝島社新書)、企業買収では『M&A世界最終戦争』(幻冬舎新書)、『敵対的買収を生き抜く』(文春新書)などの著書がある。

「2020年 『銀行トリプル大崩壊』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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