鯖猫(さばねこ)長屋ふしぎ草紙

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  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569812489

作品紹介・あらすじ

なぜか鯖縞模様の猫が一番いばっている「鯖猫長屋」には、なにやら“わけあり”な住人たちが……。謎解きと人情が楽しめる時代小説。

感想・レビュー・書評

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  • 久しぶりの再読。
    雄の三毛猫サバが親分ばりに活躍。ふてぶてしさと頭の良さと俊敏さと、正に長屋の主という貫禄。実際に動くのは子分の絵師・拾楽だけど。
    怪しげな儲け話に飛び付く店子、サバを大金で買い取ろうとする男、幽霊騒ぎにフラりと現れた犬の敵討ち…様々な事件の裏で少しずつ拾楽や新入り店子の秘密が明らかになっていく。

    途中に挟まる『問わずがたり』で大体のことは分かるものの、最後はバタバタしたような感じ。
    もう少し早い段階から明らかにしていっても良かったような。

    拾楽の過去ともケリがついて、新しい一歩を踏み出すというところか。
    続編もあるので読んでみたい。

  • 三毛猫が活躍するなんて赤川さんの『三毛猫ホームズ』みたいで嬉しいなぁ。
     この三毛猫さんは雄で、長屋の皆に“サバの大将”と呼ばれ一目置かれています。見目も麗しいようでハンサムです。その相棒が絵描きの拾楽で“猫先生”と呼ばれています。ただ何やら“理由あり”のようで、どんな事件に巻き込まれていくのやら…。
     『アジの人探し』に心がじんわりとしました。サバのいい相棒(いや弟子かな?)になるかなぁと思ったのに、アジがいなくなり残念!
     拾楽の過去も最後うまくまとまって良かったです。続編欲しいなぁ♪

  • 短編の冒頭にある「問わず語り」が、物語の裏で進行していることを暗示しています。主人公の絵師の正体。長屋に鯖猫がいる理由。次々と空き部屋にやってくる住人。そして犬。
    物語は表裏一体で語られていきます。
    さいごは飄々と終わってしまいますが、長屋は平和そのもの。裏側の話が解き明かされます。
    田牧さんはどんどん文章が冴えてきて、つねに最新作が傑作、になってほしい。今後に期待がもてました。

  • ところは江戸の根津宮永町。鯖縞もようの猫が一番いばっている長屋があった。人呼んで「鯖猫長屋」。猫の名はサバで、飼い主は、三十半ばの売れない画描き拾楽。なぜサバが一番えらいかって?それはサバが永代橋が落ちることを予見し、長屋の面々を救ったから―。そんな猫様が仕切る長屋で次次と起こるふしぎな事件。謎を解くのは、画描きの拾楽?それとも…。突然越してきた美女、大道芸が得意な浪人者…。「わけあり」な人々と猫が織り成す大江戸謎解き人情ばなし。
    *************
    初読み作家さん。
    猫が活躍?しそうなあらすじに惹かれて読んでみました。

    私が幼い頃の、隣近所同士のワイワイガチャガチャな繋がりが、この物語を読んでると懐かしく思い出されます。
    その頃はそれはそれでお節介とか、面倒とか思う時もあったけれど、今になればこういう人の繋がりって大切なのかもなぁと思いました。

    そんな長屋で起こる穏やか賑やかな、そして不思議な日常のお話。
    長屋なので、登場人物は結構多いです。
    名前とどういう人かが一致するまで結構大変でしたが、それが分かるようになると話の流れに集中出来ようになって、ぐいぐいと物語に入っていけるようになりました。

    読むのにお目当てだった猫「サバ」も、期待通り、いや期待以上に良い感じの存在感です。
    サバと拾楽(主人公)とのやりとりが楽しい。
    そして羨ましい!

    章の合間、合間に綴らる別面の出来事が不穏で、話が進むにつれ、その不穏がじわりじわりと話に中心に近づいてくる感じが不気味です。
    後半、それがこれまでの話、そして謎の部分が一本の線に繋がり、大きな事件になります。

    最後まで謎の男・・・犯人は誰か、・・・いや、どっちか。
    分からなかったなぁ。

    一件落着も最後まで「鯖猫長屋」で締めくくられてるのも良かった。
    今の時代だからこそ、こういう人情ものって心に染みる。。。

    ひとまず「謎」は明らかになったけれど、この先も「鯖猫長屋」のワイワイガチャガチャぶりが続いてそうなので(シリーズもの)、続きも読んでみたいと思います。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    ところは江戸の根津宮永町。鯖縞もようの猫が一番いばっている長屋があった。人呼んで「鯖猫長屋」。猫の名はサバで、飼い主は、三十半ばの売れない画描き拾楽。なぜサバが一番えらいかって?それはサバが永代橋が落ちることを予見し、長屋の面々を救ったから―。そんな猫様が仕切る長屋で次次と起こるふしぎな事件。謎を解くのは、画描きの拾楽?それとも…。突然越してきた美女、大道芸が得意な浪人者…。「わけあり」な人々と猫が織り成す大江戸謎解き人情ばなし。

    令和5年4月9日~11日

  • 時代物だからという以上に読みにくく、序盤は面倒くささが勝る。しかし読み進めると話がおもしろくなり、最後まで読めた。
    猫が見守る長屋の、日常の中で起こる小さな事件を通して、主人公が長屋に住むきっかけとなった大きな事件が解決されていくという大道展開。
    猫が神がかりすぎるところもあるが、時代物はファンタジー感が加味されると思うと違和感もない。
    文章の面倒くささが、続編を買ってまで読みたいと思わせない。内容的にも重くないので、文もサクッと読める程度のリズムのよさが欲しかった

  • 連作短編であとへあとへとひっぱられるところは楽しめたが、ときどき文章がわからなくなったり、会話の話者がつかめなくなったりするところがあり残念だった。続編をどうしても読みたいかと聞かれれば、あれば読む、程度かな。

  • 「善人長屋」(西條奈加)のような、後ろ暗いところがあったりもするけれど、仲良くやっている長屋のお話。鯖柄の三毛猫、サバがぶいぶいいわせているのがポイントですが、しゃべりだしたりするわけではなく。面白かったです。コージーもの好きな人とかは楽しめるのではないかと思います。続編が出るといいなあ。

  •  榛色の眼、青味がかった鯖縞模様の三毛の雄猫「サバ」。サバの飼い主の売れない絵師、拾楽。
     おもしろかった。続きを読みたい!はしばみ色ってどんな色だったっけ!?

  • 初めて田牧さんの作品を読みました。
    時間がかかった。

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著者プロフィール

作家

「2022年 『鯖猫長屋ふしぎ草紙(十) 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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