知の最先端(「世界の知性」シリーズ) (PHP新書)

制作 : 大野 和基インタビュー・編 
  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (217ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569815206

感想・レビュー・書評

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  • まさに知の最先端を行く天才たちのインタビュー集。
    それぞれの専攻を軸に世界を見ている人達の言葉には感化される所が大きい。そもそも世界を見るに値する大きな軸を得ているところが知的の所以。
    日本語でインプットし、日本語でアウトプットしている私には持ち得ない高い視点を教えてくれた。
    経済のこととか私何も知らないんだなあ…

    しかし、これが新書で発行されたのは2013年。
    この中で語られた東京オリンピックは2020年に行われないし、中国共産党は2018年に国家主席の任期2期10年という制限を撤廃した。
    想像もしない変化が起こる未来を、私達は受け入れるしかないが、知性を持ってせめて恐れずにいたい。

  • カズオ・イシグロやクレイトン・クリステンセンのインタビューが入っているので買ってみたが、全体的にはイマイチ。

  • これだけの面々と対話をしながら、勿体無い、というのが印象。夫々にキャッチなテーマを確認するような中身で、正直、個々の著作を読んだ事のある人であれば、何を今更?という感が拭えない。詰まらないとは言わないが、勿体無いのだ。相手が相手だけに、知の最先端と大仰に構えても、それぞれの分野に精通していないと、その分野での最先端を掘り下げられないのだ。そして、これだけのメンバーにそういったインタビューをするのは、簡単ではない。

    イノベーションについての著作は、読んだ事が無かったので、以下、備忘録。

    クレイトン・クリステンセンの章にて。エフィシェンシー・イノベーションとは、既に製造し、販売されている製品をさらに効率のよい、手頃な価格にするためのイノベーション。

    2022年8月16日に再読。上記は言い過ぎたか、ダイジェスト版として著者を知り、本編に興味を持つには最適な構成なのだろう。しかし、今回の通読で最も興味を抱いたのはカズオ・イシグロ。他の著書は、著名ながら中国のシャドーバンキングとか東京オリンピックとか、時事的な切り口のため、多少風化した感があったが対照的。作家は肩の力が抜け、自らを語っている。それと、シーナ・アイエンガークレイトン・クリステンセンらによる日本人観について。やはり、比較的統一民族である事は多様性を失し、寛容性が低くくなる。寛容性が低い事が、同質化傾向を強め、失敗を恐れさせるムードを自ら醸成している。挑戦しなければイノベーションは起こらない。「多様化が良い」とは単純に賛同しないが「寛容性は必要」だ。

  • カズオ・イシグロとの文学談義は難あり。「最先端」と言い抜けるには、相当眠い内容だと思う。

著者プロフィール

カズオ・イシグロ
1954年11月8日、長崎県長崎市生まれ。5歳のときに父の仕事の関係で日本を離れて帰化、現在は日系イギリス人としてロンドンに住む(日本語は聴き取ることはある程度可能だが、ほとんど話すことができない)。
ケント大学卒業後、イースト・アングリア大学大学院創作学科に進学。批評家・作家のマルカム・ブラッドリの指導を受ける。
1982年のデビュー作『遠い山なみの光』で王立文学協会賞を、1986年『浮世の画家』でウィットブレッド賞、1989年『日の名残り』でブッカー賞を受賞し、これが代表作に挙げられる。映画化もされたもう一つの代表作、2005年『わたしを離さないで』は、Time誌において文学史上のオールタイムベスト100に選ばれ、日本では「キノベス!」1位を受賞。2015年発行の『忘れられた巨人』が最新作。
2017年、ノーベル文学賞を受賞。受賞理由は、「偉大な感情の力をもつ諸小説作において、世界と繋がっているわたしたちの感覚が幻想的なものでしかないという、その奥底を明らかにした」。

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