IGPI流 ビジネスプランニングのリアル・ノウハウ (PHPビジネス新書)

  • PHP研究所
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本棚登録 : 139
レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (295ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569815213

作品紹介・あらすじ

もしもあなたが事業計画を作成することになったら……。ビジネスプランの意義、目的、作成手法、そして事業戦略までがわかる一冊。

感想・レビュー・書評

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  • IGPIの本2冊目。

    感想。
    IGPIも財務三表や簿記の考えを大事にしていることが分かったのは励みになった。飲食店や製造業のケースは特にリアルノウハウと思いました。

    備忘録
    ・事業計画の大前提は、数字を根拠に作られ、数字をもって説明されるものであること。ビジョンや想い、戦略は大事だが、数字にしないと。

    ・簿記を知らないと事業計画は作れない。簿記の発想、仕訳を頭の中で想像できるか。簿記が分かれば絶対事業計画を作れるわけではないが、分かっているに越したことはない。

    ・実績も将来予測も、四則演算の積み重ね。人件費=人数×給与単価の様に、適切な方針でブレイクダウン。

    ・ブレイクダウンさえしておけば良いというものでもない。売上=購入人数×単価にした上で、購入人数の設定は市場規模やターゲット層からして適切か、単価は例えば新興市場を狙った場合に現実的か、とか。

    ・そういったものは情報収集により精緻化。何を情報収集するかが肝。計画策定納期を決め、その範囲内で集める情報の優先順位を決める。

    ・整理すると、①今の事業内容・財務内容を理解、②将来業績にインパクトを与える変数を特定、③外部環境の把握。

    ・若手中心のプロジェクトチームに抜本的・革新的な事業計画を作らせようにも、大抵は上手く行かない。経営陣への最終提言は当たり障りないものになりがち(勇気をもって言える人は少ない)。やはり、しかるべき立場の人がしっかり作るのが良い。

    ・飲食店と製造業の事業計画策定ケースはとても分かりやすい。飲食店は、セントラルキッチンがなければ規模の経済が働きにくい、赤字店舗の切り離し、FLコストが肝、Food部分は安易な仕入価格引下げてなく客寄せ商品は品質を下げずもうけを下げて他で儲ける、同業他社や自社内店舗との比較が有効。製造業は構造改革費用と純資産の確保。

    ・エンドゲームという考え方。今の事業環境が続いた場合に、5年後10年後どうなるか、勝ち組負け組はどう決まるか。

  • 事業計画とはお金の計画を練ること。計画ゆえに時間軸があり、単年収支のみならず、減価償却やストックを含む。財務諸表で語れ。何か施作を行なった結果は財務諸表に表れる。本書の主張は明快であり、すべては財務諸表で語れということだ。
    差別化の本質的な意味。
    1.顧客視点で購入のトリガーとなること、
    2.競争視点では他社が容易に追随できないこと。
    この2つでもって「差別化」となる。顧客が製品から感じ取る「違い」を差別化と見る人が多い。差別化でもって、他社とのコスト競争を回避できる。

    ー以下、メモー
    本書を読んで思ったのは、ビジネスっぽいなということ。技術をやっていると、バリュー以上に技術のことに意識が向いてしまう。
    現代のIT業界の競争では財務諸表に表れない財産もある。データである。これをどう読むのだろうか。

  • 201607/

    (事業計画とは)事業という無形物をリアリティのある「物語」として有形化する手段である/

    戦うための計画書である以上、冷静な頭で客観的に状況を分析し、論理的に考え、組み立てる必要がある。しかし、最後の最後、計画策定に関わる人々が、それぞれの人生に関わる切実さ、真摯さ、そして熱さを共有できるか否かが、ビジネスの世界におけるリアルな戦争計画の質を大きく規定する。魂の入っていない事業計画には、現実の成功はついてこないからだ。/

    事業計画作成は、大きく以下の流れで完成までのステップを踏むことになる。
    a目的(何のために・誰のために)を明確にする
    b①作成すべき資料を明確にする
    b②納期(作業可能期間)を明確にする
    c収集すべき情報(何を前提条件とするか)を検討し、入手する
    d入手した情報に基づいて、前提条件の将来数値を考え、エクセルモデルを作成する
    e出来上がったエクセルモデルの違和感を検証し、必要なシミュレーションを行う
    fエクセルモデルを完成させる(暫定版)
    gプロジェクトオーナー(社長・部門長・部長など)に報告する
    h見直し指示があった場合、cまたはdまで戻ってモデルを見直し、再度報告する
    iエクセルモデルを最終化する
    j実績に基づいて、エクセルモデルをアップデートさせる/

    目的は、事業計画策定に関わるすべてのメンバーが、同じ内容として認識していることが重要である。/

    成熟した企業に対しては、少なくとも短期的ではなく、中長期の目標の先にあるべきなのは、「売上そのものの拡大」ではなく、「利益を伴った売上の拡大、または維持」、すなわちボラティリティ(価格変動の度合い)の高いリスクをとった方向性への舵取りではなく、資本の有効活用ということがより求められるのではないだろうか。/

    1.当該インダストリーにおける「エンドゲーム(最終戦争)の姿」や「勝ち組の姿」を洞察すること
    2.そしてそこに行き着くための「勝ちパターン」(ゲームのルール、1つあるいは複数の成功のセオリー)を見極めること
    3.それを鏡にして、自社の競争力の源泉(コアコンピタンス)や経営モデルを照らし合わせてみること
    4.自社にとって固有の勝ち抜きシナリオ(自社の事業戦略)を導き出すこと

    ある業種や業態において「5年後、10年後に、勝ち組と負け組がクリアになったとき、それはどんな構図になっているか」をじっくりと考えたことはあるだろうか。その業界において、競争がとことんまで繰り広げられ、最終的にどうなっていくのか。競争が徐々になくなっていき、業界の構造が安定してきた姿と言ってもよい。/

    横軸に「エコノミクスのローカル性(事業の商圏単位の広がり)」、横軸に「技能集約・知識集約」「資本集約・設備集約」をとった表で考える/

    競争優位と持続性という観点で、本質的に、差別化されていると言えるのは、2つの要素が満たされる場合である
    ①潜在顧客(需要側)からの視点では、重量の差が購買の意思決定の重要な要素にであり、その差異ゆえに他の製品よりも高い満足度を見出し、高い経済負担も覚悟すること
    ②供給側(競争)の視点では、その差別化された要素について、他者が容易に追随できず、その格差が比較的長期に維持される仕組みを供給側が組織内に内在化していること
    この2つを満たす仕組みが供給側に形成していると、本質的な意味で差別化できていると言える/

    付加価値の中身にちゃくもくする。7000円分のコストを規定する要因(コストドライバー)を分解していみよう。高炉メーカーのコストドライバーはシンプルな構成なのに対して、外食の場合のコストドライバーは、とても多く、細かい。このようにコストドライバーが多様な事業は、いろいろな工夫の余地がある。そのため、競争要因が多くなり、様々な形態での戦い方が生まれる可能性が高い(勝ちパターンが数多く並存する)ことを示唆している。外食と言っても、店のサイズや立地、店内の装飾、メニューなど、業態としては数え切れないほどある。外食だけでなく、卸売業も、比較的コストドライバーは多様なインダストリーである。/

  • 冨山氏率いる経営共創基盤によるビジネスプランニング策定の指南書。精緻で実践的。

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著者プロフィール

冨山 和彦(トヤマ カズヒコ)
株式会社経営共創基盤 代表取締役CEO
1960年東京都生まれ。東京大学法学部卒業、スタンフォード大学経営学修士(MBA)、司法試験合格。ボストン コンサルティング グループ、コーポレイト ディレクション代表取締役を経て、2003年に産業再生機構設立時に参画し、COOに就任。2007 年の解散後、IGPIを設立。パナソニック社外取締役、東京電力ホールディングス社外取締役、経済同友会副代表幹事。財務省財政制度等審議会委員、内閣府税制調査会特別委員、内閣官房まち・ひと・しごと創生会議有識者、内閣府総合科学技術・イノベーション会議基本計画専門調査会委員、金融庁スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議委員、経済産業省産業構造審議会新産業構造部会委員などを務める。主な著書に『会社は頭から腐る』(ダイヤモンド社)、『AI経営で会社は甦る』(文藝春秋)、『なぜローカル経済から日本は甦るのか』(PHP新書)などがある。


「2019年 『両利きの経営』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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