黄昏(たそがれ)の旗

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  • PHP研究所
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レビュー : 36
  • Amazon.co.jp ・本 (275ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569815312

作品紹介・あらすじ

世界には、物語があふれている――心に沁みる作品から思わず笑いがこぼれるものまで、直木賞作家による短いけれどキラリと光る連作集。

感想・レビュー・書評

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  • 箱庭旅団は正直イマイチだったので、こちらはどうかなーと思いましたが、なかなか面白かったです。ただ、白馬と少年…必要ですか?(^^;;
    朱川さん作品では『かたみ歌』が秀逸だと個人的に思っていて、短編としてもしっかり読ませ(世にも奇妙な物語だは「栞の恋」、よかったですね)、ラスト大きく収束していくリンクはお見事でした。
    リンクものは最近流行りなのか、確かに読者は喜びますが、それはあくまでもサプライズであると思うのですが…。
    朱川さん作品は、短編の一つ一つがゾッとさせたりホッコリしたり、実に巧みなので、わくらばやらなごり歌、そして箱庭旅団は、逆にお話自体の印象を薄めてしまいそうに思いました。
    少々辛口ですが、朱川さんの作品はどうしても熱くなってしまいますσ(^-^;)
    【以下、覚書】
    ・再び旅立つ友へ
    イケメン優等生な友が、主人公の非行をとめてくれる。
    ・誰もゾウにはかなわない
    平和の幻覚?ホッコリするけれど、急ぐ人にとっては甚だ迷惑な話とも。善意や幸福は万人共通ではないからややこしいと、別の面からの感想も。
    ・ヴォッコ3710
    検問所のじいさんの気持ち、わかるなあ。
    ・市長選怪文書
    市長候補は人間ではないと訴える話。でも最後の最後のセリフで、怖いのは人間も同じでは…と考えさせられました。
    ・運命の女、のような。
    少しせつなく、でも清々しい。確かに頻繁に遭う人っていますね。
    ・黄昏の旗
    過去に囚われ戻って来れなくなるのは恐ろしい。でも…それって本当に不幸なことなの?
    ・人間ボート、あるいは水平移動の彼
    ビルから彼女の名前をシャウトしながら落下してくる情景が、頭から離れません(笑)。
    ・未来人のビストロ
    20世紀少年みたい。将来の目標がここまで決まっていたら、たいしたもんだ。
    ・ひとりぼっちのファニカ
    マチュピチュのような山間の村で飛脚をする少年が目にした光景の回想録。
    ・僕のおじさんはヒーロー
    これはありがちなお話だったかな。月光仮面やスパイダーマン的な。
    ・時計のまち
    母の不倫。タイトルを読了後に見ても、内容が思い出せなかった。こういうのはキライ。
    ・傷心の竜のための無伴奏バイオリンソナタ
    涙は癒しとなる…その場面にうるっときました。
    ・三十年前の夏休み
    冴えない男子高校生の海水浴に現れたお姉さん。彼女は幻影だったのか?
    ・アタシたちのステキな家
    こわくてシニカルで面白かった!予定調和なのにラスト意外な面も!
    ・カムパネルラの水筒
    うーん、白馬の少年を登場させたくて作ったお話なのかなー?

  • ★2018年12月15日読了『黄昏の旗 箱庭旅団』朱川湊人著 評価B
    朱川氏らしいちょっとノスタルジックな昭和テイストの短編小説集15篇

    再び旅立つ友へ
    誰もゾウにはかなわない
    ヴォッコ3710
    市長選怪文書
    運命の女のような
    黄昏の旗
    人間ボート、あるいは水平移動の夜
    未来人ビストロ
    ひとりぼっちのファニカ
    僕のおじさんはヒーロー
    時計のまち
    傷心の夢のための無伴奏バイオリンソナタ
    三十年前の受付?
    アタシたちのステキな象
    カムパネラの水筒

  • 小さいけれど、完成された「箱庭」の世界を
    旅するような短編集

    極上の料理をほんのヒトクチだけ食べて次!みたいな(笑)

    「箱庭旅団」よりよかったかも。

  • 国道四号を悠々と歩き続けるゾウ、夕暮れの車窓から見えるオレンジ色の旗…。心に沁みる作品から思わず笑いがこぼれるものまで、直木賞作家が贈る、ちょっと不思議で懐かしい連作短篇集。

    ノスタルジック・ホラーと言われる朱川湊人らしい短篇が続く。ホラーというよりSF・ファンタジー的な色彩が濃い作品もあった。どの話も読ませる力があるので、退屈はしない。
    (C)

  • 「見ている風景は、誰も似たようなものだわ。そこから何を見つけるかは、あなたの心しだい……」
    どんな時代にも、どんな場所でも、映画や本のような作られた世界のなかでも、自由自在に行き来できる「旅行者(トラベラー)」である少年が、白馬とともに旅する世界をそれぞれ「箱庭」に見立て、短篇の名手が物語を紡ぐ。
    国道四号を悠々と歩きつづけるゾウ(「誰もゾウにはかなわない」)、夕暮れの車窓から見えるオレンジ色の旗(「黄昏の旗」)、ジェフじいさんが壊した機械人形(「ヴォッコ3710」)、幽体離脱して好きな女性の危機を救った男(「人間ボート、あるいは水平移動の夜」)、アンデス山中で見たファニカの正体(「ひとりぼっちのファニカ」)、最果ての岬に響く哀調に満ちたバイオリンの音(「傷心の竜のためのバイオリンソナタ」)、真っ白な水着を着た僕たちの女神(「三十年前の夏休み」)などなど。

  • 異次元の空間を旅をしながら世の中をみる。
    読んでいて優しい気持ちになれる本

  • 15個の短編作品。

    話のどこかに少年と白い馬を見かけたり見かけなかったり。
    どれも少年が見てきたもの?
    短編なので読みやすく、どれも少し不思議なお話。

  • 短編は読み始めで入り込めないと渋々読んでいるような感じになってしまうが、朱川さんの短編は違う。スッと世界に入り込めて、ゾックとして終わる。現代の星新一的ストーリーテラー。

  • 図書館にて。

    「カルパネルラの水筒」という話が心に残った。

    どんな人の人生にも、その人なりの輝きがある。

    誰かが変われるものではないし、自分と人を比べて一喜一憂しながら生きる事にも意味はない。

    自分なりに人生と向き合い、頑張ったなら、それでいいし、それが一番大切な事でもある。

    見ている風景は同じでも、見ている人が違えば、思う事も感じる事も、一人一人違う。

    でも、そこから何を見つけるかは、自分の心しだい。

    どんな出来事も、自分にとって、きちんと意味のあるものにして、ただの思い出や記憶にするのではなくて、自分を成長させる糧にしながら、生きていきたいと思った小説でした。

  • 箱庭旅団の続編。
    前回はあそとここで!そことここが!とつながりに驚かされたが(しかも物語によって雰囲気がぜんぜん違う楽しさが)

    今回はそういった意味でパワーダウンな気持ちも…。
    全体的に小ぶりな感じ。私が見落としているのかしら。

    でもどうしてこんなにたくさんの種類の短編がかけるんだだろう。ってくらい作者の引き出しの多さは、すごいと思う。

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著者プロフィール

朱川湊人(しゅかわ みなと)
1963年、大阪府生まれの作家。『都市伝説セピア』が直木賞候補。05年『花まんま』で直木賞受賞。ノスタルジックホラーというジャンルを開拓した。小説業のかたわら『ウルトラマンメビウス』の脚本も手がけるなど活動は多岐にわたる。著書に『サクラ秘密基地』『月蝕楽園』『冥の水底』『キミの名前』など多数。
2018年9月、『アンドロメダの猫』を刊行。

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