日本は史上最長の景気拡大に突入する

  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (199ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569816043

作品紹介・あらすじ

世界経済再生の切り札である「アベノミクス」はなぜ成功するのか? 国際情勢、世界経済を深い洞察力で読み抜いた7つのポイント。

感想・レビュー・書評

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  • 四川大地震(2008年中国)世界各国が救援隊を投入。「けが人は?薬があるよ。治療するよ」と住民に呼びかけながら、「あの工場はなあに?怪我人はいるの?あの煙突のところには?」等々。援助活動のふりをしながら核の収容施設を調査していたわけだ(米国)。救援隊や国境なき医師団はスパイの巣窟。援助という人道目的での中国入国なので、当局も活動を阻止できなかった。これに懲りて?2013年四川省で起きた大規模地震には、中国当局は海外からの救援隊を拒否したとのこと。他には世界に先駆け「昼夜二交代制」を大阪紡が導入の箇所が良。

  • タイトルにある「日本は史上最大の景気拡大に突入する」根拠がいまひとつ理解できなかった。日本の技術力の高さが成長のベースにあると言いたいのだろうが、それではなぜ過去20年間はその技術力を生かせなかったかが論点なのだろうと思う。北朝鮮、韓国、中国に関する話題は脱線も目立つが興味深く読めた。

  • 平成26年(2014)は始まったばかりですが、4月には消費税がアップされますから、年末頃の景気の動向を観れば、アベノミクスの賛否が誰の目にも明らかになることと思います。消費税がアップする前のこの3カ月間に、可能な限りアベノミクスの賛否両論を勉強して、彼等のポイントを自分なりに理解しておきたいと思います。

    この本はアベノミクス、増税が成功するとしている長谷川慶太郎氏が2013年末に出版されたものです。彼には「カラオケ、ゴルフ、マージャンおやめなさい」から「ソ連崩壊」「日本製造業の強み」の解説について今までお世話になってきたので無視するわけにはいきません。

    批判するよりも支持する方が情勢は厳しいと個人的には思っていますが、いつもながらのキレの良い言葉で解説されているこの本も楽しく読ませていただきました。

    以下は気になったポイントです。

    ・円安効果が一番大きいのは、賃金水準である。極端な円高のせいで、日本は突出して賃金水準の高い国になってしまっていた(p22)

    ・邦銀の強さは10年物国債利回り(0.6%)に表れている、アメリカ:2.6、ドイツでも3%(p25)

    ・アベノミクスの本質は、昭和初期の高橋是清路線の平成版(デフレ時の通貨供給アップ、公共事業による市場活性化)(p27)

    ・アベノミクスの圧力を跳ね返すのに必要なのは、制度改革(税制・公務員・教育改革)である(p30)

    ・イトーヨーカドーはPOSシステムを導入、ハード:200、ソフト:200の合計400億円かかったが、1年目に在庫が2000億円減少した(p32)

    ・ダイエーがPOS導入できなかったのは、支払代金の一定割合を納入業者から借り入れていた、売れ行きの悪い商品を切ろうとするとその業者は貸していた金を返せと要求することになる(p33)

    ・高額商品を購入する層は、消費税率が改定されても購買行動をほとんど変化させない、アベノミクスを支えているのは中堅クラス以上の資産家が中心なので景気の大きな落ち込みはないと考えられる(p35)

    ・賃金は、その人のもつ創造力によって決まる、つまり真の賃金上昇のためには、景気回復よりも、人材の質を高める方が必要(p41)

    ・安倍首相がポーランドで売り込んだのは「石炭ガス化複合発電」方式による火力発電システム、福島県の勿来発電所10号機、実験段階で42%の熱効率、実用化で50%(旧来は30%)となる(p58)

    ・政府は2013.4に海洋基本計画を閣議決定し、メタンハイドレードの商用化に向けて2018年度までに技術整備する方針をうちだした、予算も1兆円(p70)

    ・国の成長は、新興国かどうかでなく、生産コストの切り下げができるかどうかで決まる(p80)

    ・人民解放軍を締め付けるためにシャドーバンキングをつぶそうとすれば、それを最後の頼みの綱としている中小企業は倒産するして膨大な失業者がでる(p125)

    ・金正日は2011.12に亡くなったが、その年ですら2回ほど中国東北地方を訪れて、瀋陽軍区の人民解放軍幹部に金塊を渡していた(p135)

    ・パーツが半分になると、生産コストは2乗、メンテナンスコストは3乗で効果がある(p173)

    ・今、日本全体で鉄の在庫は、約30億トンある、20年でリサイクルすると年間1.5億トンの鉄くずが出る。これを電炉に入れれば鉄鉱石を買わなくても鋼材ができる(p193)

    ・高強度のコンクリートが開発されたので、鉄骨をいれないで鉄筋とコンクリートだけで高層ビルが建築できるようになっている、市川市の50階建てマンション、中目黒の50階建てビル等(p196)

    2014年1月13日作成

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著者プロフィール

国際エコノミスト。1927年京都生まれ。1953年大阪大学工学部卒業。新聞記者、雑誌編集者、証券アナリストを経て、1963年に独立。1983年に出版した『世界が日本を見倣う日』(東洋経済新報社)で、第3回石橋湛山賞を受賞した。

「2020年 『中国は民主化する』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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