テレビが伝えない憲法の話 (PHP新書)

著者 :
  • PHP研究所
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レビュー : 21
  • Amazon.co.jp ・本 (239ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569816227

作品紹介・あらすじ

改正論議に「待った」! 憲法9条、96条をなぜ変えてはならないのか。憲法界の俊英が、その理由を明快に語る一冊。上っ面の議論は不要。

感想・レビュー・書評

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  • そもそも憲法とは何か。
    しっかりと答えられる人は少ないと思った。
    では憲法改正は何が論点で、何が問題なのか。
    この本を読んだことで一旦整理が出来たと思う。

    世には「解釈」という文字が良く出る。
    一点からだけ光を当てれば、影がで反対方向に出る様に、光は意図的なものであり、解釈を争点にしても意味がない。

    この本では国際法と憲法の内容の関係性を説いたことで、確からしい見解を述べ、一定の納得感を生じさせた。

    何事も本質に近づく努力が必要である。

  • 「国民主権」における国民の定義や、国際法、国連憲章を前提とした憲法理解はとても興味深い。理解しやすい良書

  • 筆者は分かりやすさの罠を本書の中で訴えていたが、この本は分かりやすかった。とても真面目そうに見えるので、内容も堅いものかとおもえばそうではなく、ユーモアに富んだ内容もあり、憲法以外の話題を上手く取り込んで読みやすくされている。押し付け憲法論に対しても、一笑に付して終わりではく、雨月物語の例を持ち出して、論者を見捨てない態度を示すあたりが好感が持てた。サンモール洋光台に行ってみたくなった。

  • 総論は同意なんだけど、ちらほら引っかかる。現状分析とその論理的帰結と学問上で多数意見のあるべき姿と自分の思うあるべき姿が意図的かは分からんが混同されているような… 読んでて議論をずらされていると思う。

  • 今までの改憲論者達に対するもやもや感が氷解した。特に9条の章は目から鱗が落ちる状態で感動した。国際法をベースに読めばなんら問題はなく「普通」な文章だということを。この条は国際社会に向けた外交声明だと認識すればいいのだ。
    「自衛権の行使」と「自衛戦争」は違う。前者は当たり前で後者は悪。
    「分かりやすいこと」素朴な議論に飛びつく危険さを知った。

  • 本書は『テレビが伝えない…』というタイトルですが,それは,「テレビなどのマスコミが隠している事実を書いてあります」という意味ではありません。
    テレビでは,視聴者に分かりやすい解説が求められます。しかも,短時間でコメントをする必要があるので,これは,この制約はある程度,仕方がありません。
    ところが,その「視聴者に分かりやすく,簡単な解説」が曲者となるのです。憲法が持っている本質を説明したり,意見の食い違っている内容の問題点を解きほぐすためには,じっくりと論理を進めなければならないのに,テレビでは,それができません。時間が限られているから…です。
    そこで,筆者は,色んな問題について,幅広く,じっくりと語ってくれます。
    たとえば「日本国憲法は押しつけ憲法だ」というのも,その一つ。これ,GHQが押しつけた憲法だ!というのですが,それって本当なんでしょうか。では,大日本帝国憲法は,押しつけ憲法じゃないのでしょうか? そもそも,押しつけって,誰が誰に対して? …などと,「押しつけ」一つにしても,考えるべきことはたくさんあるわけですが,テレビやマスコミでは,分かりやすい言葉としての「押しつけ」が先行してしまいます。
    これを説明するのに『雨月物語』「白峯」を出してきているのがおもしろいです。「押しつけ論者」をも包みこむ,この論理の展開は,必読です。
    他にも,国際法から見た憲法9条の話など,私にとっての初めての視点があって,興味深く読み進めました。

  • 国際法とも照らし合わせ、憲法をわかり易く説明している。
    法学者なので当たり前といえばそうなのだけど、感情論に流されることなく、いいか悪いかというわけでもなく、あくまで論理的整合性を追求する。
    良書だと思います。

  • 政治的で感情的になりがちな憲法論を論理的に論破。
    たしかに論理だけではテレビ受けしないであろう。
    耳に優しい意見には疑問を持つということを教えてもらった。

  • 日本国憲法とは何か。学校の授業レベルの知識しかなかったため、本書を手に取った。

    「戦争」という単語一つをとっても、分かったつもりでいたが分かっていないことだらけだった。非常に勉強になった。

    減点要因は、筆者のユーモアセンスが結構サムい点と、一部政治家をばっさり否定している点。政治家をどう判断するかは、飽くまで有権者たる読者が各々判断すべきだと思う。

  • 2014年刊。著者は首都大学東京法学系准教授。◆国際法的視座から憲9条を議論する。余り明確にしないが、条約優位説なら憲法学説としては少数派。一方、両者は整合的が望ましいレベル?なら少数派ではない。◇思うに集団的自衛権合憲論が国際法、国連憲章との一致から説明しがち。これと同じ土俵に立ちつつ批判展開する意図に出たのか。◆GHQとの政治的妥協(押し付けか否かは具体的経過から見るに実は明快ではない)、制憲議会審議の意味は、何れも自国内の憲法制定過程に関わる「国内法」の議論。これと国際法の憲法への拘束とを混同不可。
    また、混同してはならない。普通なら、あるいは憲法を学んだものならば別次元と判るはずだが、本書はやや不鮮明な主張。本書が予定する読み手に誤解を招来する危険。◆なお、軍事的背景を持つ韓国保護国化の過程を有効という立場に立ちつつ、日本国憲法への改正を押し付け無効とは言えるのかな。また、制憲議会の意味はどう見ているのかなぁ。◆ちなみに、集団的自衛権と、自国領土への急迫不正の侵害が現実になったことを条件とする個別的自衛権とは異質。領土等への具体的に現実化した暴力は、多数の国民の生命身体に直接的侵害がありうる。
    こういう現実化した暴力に対し、領土外へ押し返す対抗攻撃だけは、正当防衛として容認され、国連憲章の内容とは直接関わらない。また、これは国連非加盟国でも容認されるもの。つまり条約等の国家間合意とも、国際法の議論とも無影響・無関係で、純然たる「国内法」的に検討可能。◇憲法文言上は一見、個別的自衛権すら否定に読める中、憲法が国家の存在を否定していない結果として可能になった説明、これが個別的自衛権の現行解釈による容認論だろう。◇が、集団的自衛権は自国への急迫不正の侵害を予定しない。
    前提条件が異別の集団的自衛権は、個別的自衛権と同じ論法は使えず、その正当化の範疇を逸脱。つまり先の個別的自衛権の如き、9条の文言とは別の、当然解釈による正当化は集団的自衛権に妥当しない。結果、憲法改正ない限りは集団的自衛権を認める法律は無理ということに。◇もう少し調べる必要あることを前提にしつつ、恐らく件の法案に関し憲法学者が違憲の意見を出したのは、けだし当然で普通のことなのだ。◆本書は直接的にこういう説明を採らないが、一部そう読める部分も見受けられる。

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プロフィール

1980年神奈川県生まれ。東京大学法学部卒業、同助手を経て、現在、首都大学東京法学部教授。専攻は憲法学。著書に『キヨミズ准教授の法学入門』(星海社新書)、『憲法の創造力』(NHK出版新書)、『テレビが伝えない憲法の話』(PHP新書)、『集団的自衛権はなぜ違憲なのか』(晶文社)、『憲法という希望』(講談社現代新書)、『憲法の急所 第2版』(羽鳥書店)、『木村草太の憲法の新手』(沖縄タイムス社)など、共著に『社会をつくる「物語」の力』(光文社新書)、編著に『子どもの人権をまもるために』(晶文社)などがある。

「2018年 『自衛隊と憲法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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