ウェブとはすなわち現実世界の未来図である (PHP新書)

著者 :
  • PHP研究所
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レビュー : 35
  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569816715

作品紹介・あらすじ

なぜ「社会はウェブをコピーする」のか。「フリー」「シェア」そして「オープン」……インターネットの潮流を知れば未来が読み解ける。

感想・レビュー・書評

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  • ちょっと物足りなかった。インターネットの潮流をあまり知らない人向け。

    はじめに
    第1章 ウェブ2.0以降の世界はこう変わった
    第2章 「シェア」が生み出す新しい資本主義
    第3章 なぜ日本企業は「オープン」に対応できないのか
    第4章 「ウェブをコピーした社会」が向かう未来
    第5章 常識の通じない時代を生き抜く「7つの視座」
    おわりに

    2014.12.31 金内さんのベスト10冊より
    2015.01.18 借りる
    2015.01.25 読了

  • ウェブの世界で起こっている事象が、どんなものかを冷静に見つめてみて、現実の世界との融合、接点を模索してみたくなった。

  • 現実世界のほうがウェブに培われた思考様式、心理状態をコピーしていく。
    うまいこと言い過ぎて詭弁のような気がしたりもするが、
    それでもやっぱり、「オープン」で出来ているウェブの進化は、
    リアルとバーチャルを接合する全体意識みたいな引率役であって、
    未来図を描いてもらっているのだと思い、納得する。
    これもある種のインテリジェント・デザインといえるのだろうか

    インターネットにOSがあるとしたら、それは「オープン」という思想。
    すでにリアルとバーチャルは接続されているが、それらを接合するのが「オープン」であり、ビットイン・アトムアウト(バーチャルからリアルへ)、アトムイン・ビットアウト(リアルからバーチャルへ)を、その境目が見えないようになる。

    ユーザー体験をデザインできない企業は、ビジネスで成功したいという気持ち以上にユーザー側のリアリティをもって「どうしてこんなものを使わされていたのか」という発想で攻めてくる新規参入者に負けていくだろう。人間集中心主義の時代ではテクノロジーだけではなく、インターフェイスや体験のデザインという「人間の理解、それを軸に据えた発想の活用を急務とする。
    [more]


    【目次】
    はじめに
     インターネット黎明期に創刊した『ワイアード』日本版
     人間はウェブの力を使いこなせるのか
    1.ウェブ2.0以降の世界はこう変わった
     人間中心主義への向かうインターネット
     ウェブ1.0のパワーとは「中抜き力」
     ウェブ2.0の象徴としてのグーグル
     情報の影響力は「露出量」から「強弱」へ
     「そのニュースが重要なら、ニュースが私を見つける」
     東日本大震災時に起こったハイテクと人間力の融合
     検索エンジンはこれからどこへ向かうのか
     「あまちゃん」「半沢直樹」ブームとバイラルの力
     文脈を紡ぐキュレーターの役割が重要に
     人間力をプログラムで拾い上げる「インタレストグラフ」
    2.「シェア」が生み出す新しい資本主義
     グーグルが無料で利便性を提供する理由
     「スマイル0円」というマニュアル化の極致
     人間中心主義時代に販売すべきは“体験”である
     シェアリング・エコノミーが生み出す新たなる富
     「エアビーアンドビー」はライフスタイルのシェア
     共感者がパトロンになるクラウドファンディング
     所有ではなくモノの「価値」にアクセスする時代
     参加者が「何者か」が問われる世界
     3・11がもたらした大きなシェアのうねり
     会社という形態は「20世紀の遺物」なのか
     行政にも広がる「ユーザー関与型」のサービス
     「くまモン」に活かされるオープンソースの思考
     インターネットのOSとは「オープン」だ
     IT企業に求められる「ノブリス・オブリージュ」
    3.なぜ日本企業は「オープン」に対応できないのか
     カーナビメーカーを苦しめるグーグル
     次の勝者は「多くをつなげてしまった人」になる
     日本企業にはびこる「上司説得型マーケティング」
     「決断」しないトップが会社をつぶす
     起業が「メディア化」するのは当然の流れ
     コアコンピタンスを見据えて事業の再定義を
     「ユーザー体験」の設計を得意にするアップル
     イノベーションとは枯れたアイデアの組み合わせだ
     サイエンティストとロマンティストでタッグを組もう
     共創のデザインとしての「おむすび選手権」
     社内のオープン化をどう促進するのか
     「ヒューマンハブ」を孤立させてはならない
    4.「ウェブをコピーした社会」が向かう未来
     SFの世界を想起させるグーグルグラス
     現実と仮想を重ね合わせるミクスト・リアリティ
     3Dプリンタを活用するアメリカ、立ち遅れる日本
     アマチュアたちに与えられた大チャンス
     なぜ第一次産業が高いポテンシャルをもつのか
     「ムーク」が問う新たな教育の在り方とは
     グーグルを語ることは未来を語ること
     グーグルの善は私たちの悪か?
     引き算としての「スローウェブ運動」
    5.常識の通じない時代を生き抜く「7つの視座」
     リアル社会にこそ「ウェブ的思考」を持ち込もう
     1.失敗をしよう。失敗を許そう
     2.新しい「希少」を探せ
     3.違うもの同士をくっつけろ
     4.検索できないものをみつけよう
     5.素敵に周りの人の力を借りよう
     6.アイデアはバージョンアップさせよう
     7.ウェブのリアリティを獲得しよう

  •  4年前に『Twitterの衝撃』という本を読んだとき、寄稿していた10人のうちで最も強い印象を受けたのが、この小林弘人によるメディア論であった。

     本書は、ウェブに精通した小林が、ウェブと私たちの未来を展望した概説書。帯の推薦の辞で大前研一も言うように、梅田望夫の『ウェブ進化論』(2006)の進化形ともいうべき内容だ。

     ただ、『ウェブ進化論』よりもビジネス書としての側面が強い。
     ウェブの未来図を描く本であると同時に、今後ウェブをビジネスにどう活かしていくべきか、またウェブの急激な変化にビジネスの場でどう対応していくべきが、かなりの紙数を割いて語られているのだ。

     たとえば、企業経営の世界ではよく「五ヵ年計画」を(銀行などから)求められるものだが、ドッグイヤーのウェブの世界からすれば、五ヵ年計画など「ほぼ夢想にしかならない」と著者は言う。

    《私たちのビジネスモデルは「ピボット」することも起こりうる。ピボットとは「方向転換する」という意味だが、事業を行っているときに突然テクノロジーが陳腐化したり、全体のトレンドが変わってきたときは、急いでそのピボットを行わなくてはならない。ピボットすると、「コバヤシくん、最初の事業計画とまったく違うじゃないか」と問われることもあるが、移り変わりの速い世界では、これが当たり前なのだ。周囲を見渡しても、ピボットできずに最初の計画にしがみついて沈んでしまった例はいくらもある。(中略)AコースからBコースにルートを変えるとき、稟議を通して重役の決済を待っていたら、そのあいだに会社がつぶれてしまう。》

     書名は、“従来はウェブが社会を模倣していたが、これからの世界は逆に社会のほうがウェブを模倣して変わっていく”というほどの意味。
     梅田望夫の『ウェブ進化論』にはややナイーブな理想論という印象もあったが、著者が描く未来図はもっと現実的である。

  • ウェブの潮流について記述した一冊。

    ウェブとそれを取り巻く現実世界の今後について知りたい人は読んで損がないかと。

  • 自分発の情報の強弱
    自分にとってのゴール=ヒューマンファースト
    キュレーションの本質を考える

  • 読み物としては大変面白かったです。
    映画のマトリクスの世界は近いかも。

  • 激変していくウェブ世界のこれまでと今を深く見つめてのその現状の紹介と、現実的に分析している論考とが本書全5章のうちの4章まで繰り広げられています。最後の章では、それではどうしていけばいいのか、という著者なりのあまり細かくないハウツー的な、スタンスの取り方の説明があります。そして、ビジネスについてページ数を多く割いている、ビジネス本の種類のものです。
    また、クリアには書かれていませんでしたが、ストーリーマーケティング的なやりかた、モースの『贈与論』のアニミズム的な感覚というものが、これからのビジネスに生きてくる可能性があることも示されていました。合理性や効率ではない、その反対のもののもつ物語や体験が「笑ゥせぇるすまん」じゃないけれど、こころの隙間を埋めるんじゃないかって思いましたよ。ここで重要なのは、ただ一面的に、ビジネスが生まれるだけじゃなしに、人と人との連帯感みたいなものが出来あがってくるし、働き手は自分がアウトプットしているものに見合うかそれ以上のリターンを感じることにもなるだろうし、社会的包摂にもどうやら役立ちそうだということが見えてくる点にあります。

  • あまり響く内容はなかった。

    インターネットはどう変化したか、今何が起きているか、これからどうなるか、という巨視的な視点を得るという意味ではすごくわかりやすい本だと感じた。

  • 非常になるほど、と思わせられることが多かったし、
    最近のインターンで感じたこととかともマッチしていた。
    もう一回くらいさらっと読み直してもいいかも。

    以下、付箋ぺたって貼った箇所。
    >"if the news is that important, it will find me."
    ニュースをチェックする時代から、自分にとって大切なニュースなら、ニュースの方から飛んできてくれる時代に。
    グノシーとかFacebookとか
    >次の勝者は「多くをつなげてしまった人」になる。
    >もっとも使われているサービスがもっとも大きな市場になるのだ。プラットフォームを握るものが勝者となる。
    日本はテレビとかの性能高めるけど、もう一つ上段階のそれを売る経路とかはアマゾンに取られてるよねっていうお話。SNSもFacebookに取られてる。
    スマホもGoogleかAppleだし。
    >「六次産業化」さらには6X
    第一次産業者が、二次三次までやってしまおうという行い。ここにウェブを加える事で6Xになる(らしい)。
    >サイエンティスト(=理系)とロマンティスト(=文系)はますますタッグを組まなくてはいけない。
    >オープン化の進むウェブ社会では、周囲の人の力を"素敵に借りる"ことがポイントなのだ。
    これはまさにインターンで実感したこと。
    サイエンティストとロマンティストって分け方は僕は初めてだけど、発想はやっぱり文系の人のがいいもの持ってる気がするし、いいものを実現できるように理系は頑張らなくちゃいけない。一人がどっちも兼ねれたら最強だけど(文中では不可能と書かれてる)。
    力を貸してもいいよってなるくらいには自分に価値を持たせないと。
    >ネットをハックするのではなく、リアルをハックし、その不完全さを埋めることが次代のチャンスとなる
    >リアル社会の課題を解決するために、テクノロジーとネットワークを駆使するべきだ
    課題解決ですね。今はまさにこれだと思う。

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著者プロフィール

1965年長野県生まれ。株式会社インフォバーン代表取締役Co-CEO。株式会社デジモ代表取締役CEO。ビジネス・ブレークスルー大学教授。「ワイアード」「ギズモード・ジャパン」など、紙とウェブの両分野で多くの媒体を立ち上げる。日本初のブログ出版、オーディオブック、3Dプリント可能なコンテンツなど、つねに新たなメディアのかたちを追求。1998年、株式会社インフォバーンを設立し、国内外企業のデジタルマーケティング全般からウェブメディアの立ち上げ・運用などを支援。2012年、株式会社デジモを設立し、3Dスキャナーを用いた身体3D化サービスを行う。主な著書に『新世紀メディア論』『メディア化する企業はなぜ強いのか?』『ウェブとはすなわち現実世界の未来図である』。主な監修・解説書に『フリー』『シェア』『パブリック』『MAKERS』ほか多数。雑誌『WIRED.jp』エディトリアル・アドバイザー。「共創」をテーマにしたメディア『cotas(コタス)』の監修を務める。

「2015年 『インターネットが普及したら、ぼくたちが原始人に戻っちゃったわけ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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