歴史問題は解決しない

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  • Amazon.co.jp ・本 (197ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569816876

作品紹介・あらすじ

日本が敗戦国から抜け出すためには何が必要なのか。新進気鋭の論者が歴史認識を根本から改める覚悟を日本国民にせまる戦慄の書。

感想・レビュー・書評

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  • 憲政史家の倉山満が、「日本が歴史問題に振り回されてるが、日本が大日本帝国のような強国になることを世界は望んでおらず、永遠に解決しない」ということを諭す一冊。

    日本が戦後になってずっとアメリカの傀儡国家であり、本当の意味で主権国家になっていないということを改めて感じた。

  • そもそも戦争とはなんぞや。

    ヨーロッパの当て所もない宗教戦争がどのように文明的な戦争となったのか。

    文明とはなんぞや。

    そうしてそもそも、日本国は文明国であって、維新後も速やかに西欧文明社会で優等生となった。

    それを根底から壊したのは米国である。

    総力戦とは、総力をぶつける戦いではなく、相手の総力を潰す戦いであって、本来これを否定して来たのに、元に戻しやがった。

    総力戦は戦闘行為が終了してからが重要であり、日本の敗戦状態、歴史上の位置づけはその結果、又は過程のことであって、であるなら、これを覆すには、新たな「戦争」を決意するしかない。

    こんなところか。

    どうすんだ。

  • ウェストファリア条約によるダブルスタンダード

  • 日本が敗戦国から抜け出すためには、
    日本国憲法と東京裁判を見直すことだとの主張らしい。

    東京裁判は、勝者による敗者の一方的断罪との理解はかなり広がっていると思うが、日本国憲法を大日本帝国憲法にまで戻すというのは、日本人の議論下手、議論しない気質から考えると殆ど不可能と思える。

    ヨーロッパの歴史を学ぶには勉強になったが、日本の現状を変える意見・ビジョンとしてはクエスチョンである。

  • 歴史問題は解決しない、日本が敗戦国でありつづける理由について、特にヨーロッパ社会が歴史的に積み上げてきた戦争処理の方法、概念を縷々説明してくれている。
    内容であるが、
    第1章 近代の前提――歴史問題を解決させたくない
     第1節 古代ヨーロッパが先進地域だとの思い込み
     第2節 七百年も恨みを抱き続ける意味
     第3節 正しい歴史を知る恐ろしさ
    第2章 ウェストファリア体制と反近代の衝動
     第1節 キリスト教の克服から近代が始まる
     第2節 絶対王権が国家主権の原点
     第3節 国際法とは「王際仁義」であり「法則」である
     第4節 戦争はなくせないとの思想が「文明」を
         もたらした
     第5節 ウェストファリア体制を認めなかった人たち
    第3章 ヨーロッパ近代の成立と身勝手な「文明」の
        押しつけ
     第1節 ヨーロッパ、東方のアジアに勝利す
     第2節 果し合い(ゲーム)を楽しむ国王たち
     第3節 国民戦争は相手を抹殺しない
     第4節 中華帝国の「文明」観
    第4章 総力戦では歴史認識こそが最大の武器
     第1節 日本――近代の模範生
     第2節 世界史に巻き込まれ、撥ね返した日本
     第3節 日露戦争とクラウゼヴィッツ
     第4節 南北戦争で生まれたアメリカ合衆国の遺伝子
    第5章 日本は敗戦国から抜け出せないのか
     第1節 聖戦論に回帰した第1次世界大戦
     第2節 怨念と抑圧の第二次世界大戦
     第3節 「戦争」が根絶された世界
     第4節 日本が敗戦国から抜け出せない理由
    終章 敗戦国から抜け出す方法
      有色人種で唯一異を唱えた日本人
      敗戦国に生きる日本人が知っておきたいこと

    日本という国は、西欧列強のプレッシャーにも負けず、西洋のスタンダードとしての文明国となった。
    日本こそ西洋発の文明国となり、実は、一番の優等生だと著者はいう。
    しかしながら、地続きで戦争処理の理屈を積み上げてきた西洋の国の狡猾さを日本も学ぶべきだと著者はいう。
    最後に、伊藤博文と大日本帝国憲法づくりの苦労話はしらなたったですが、西欧人も認めた立派な憲法であったことは、きちんと誇るべきだと思いました。

  • 日本が“敗戦国”から抜け出せない理由について

    ヨーロッパやアメリカの主に軍事的背景について

    著者の考えを鵜呑みにはできないものの、
    一意見として取り入れる必要はあると思った

    足利義教、織田信長など、
    日本の歴史も再考察すべきだろう

  • 序章を読んだ時には、投げ捨ててしまいたくなったけど、これは「ツリ」というか、煽りなのだろう。本編に入って古代から近代国家の成立までを、法制度を軸に小気味良くまとめている。筆者のいうことが正しい史観とは思えないけどね。いっくらなんでも明治維新を評価しすぎじゃないかな。

  • 世界史の中で、宗教、ヨーロッパの帝国主義的進出から
    戦争というものを整理している。
    宗教戦争の全面戦争、殲滅、から目的限定の戦争の時代、そして世界大戦の時代、そして、宣戦布告のない、微妙な戦争の時代。
    そして、
    日本の特殊性、唯一ヨーロッパに異を唱えた明治維新ごろ。
    逆に世界大戦後、日本が、敗戦国としての立場が変わらないこと、周りが望んでいない。

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著者プロフィール

憲政史家

「2023年 『これからの時代に生き残るための経済学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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