アジアを救った近代日本史講義 戦前のグローバリズムと拓殖大学 (PHP新書)
- PHP研究所 (2013年12月13日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (309ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569817033
作品紹介・あらすじ
後藤新平や新渡戸稲造のめざした「戦前のグローバリズム」を拓大を補助線にして読み解き、「暗黒の戦前期」なるイメージを払拭する大著。
感想・レビュー・書評
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拓殖大学総長が書けば当然こうなるという本。
私には違和感なくすーっと入ってきた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
文字通り、戦前に日本がいわゆる植民地支配をしていた台湾や韓国、満州などについて語った一冊。
ところどころ拓殖大学について出てくるのが学長という感じだが、内容としては時代の中で日本がこれらの地を支配する必要に迫られ、かつ実際に支配したかということがよくわかった。 -
以前から、渡辺氏はバランス感覚のある思想家だと思ひ、いくつかの著作を読んできた。
今回の新書は、拓殖大学の総長として、拓殖大学の歴史を織り交ぜながら、日本の明治以降の近代史を書き上げた本である。
故人となつて仕舞つたが星野君の母校でもあり、近代史を通観する為にも良いテキストだと思つて選んだ次第である。星野君はどんな感想を表明するか楽しみにしてゐたのだが、残念である。
先づ書き出しの垂直的人間関係と水平的人間関係と言つた概念は新鮮で説得力ある表現だと感じる。
私事であるが、母方の曽祖父は日露戦争の日本海海戦で戦つた帝国海軍軍人であつたし、祖父は大東亜戦争前の南京攻略戦で戦死した帝国陸軍軍人であつた。さう言ふ意味でも明治以降の我が国の歴史は独立を維持する為に悪戦苦闘した哀しい歴史と感じる。
最近富に韓中からの日本の歴史認識批判が姦しいが、それぞれの国家には其れなりの言ひ分、事の訳がある訳で、其処に唯一の共通の「正しい歴史認識」が存在する訳ではない。その弁へをかの国は理解して貰はないといけないと思ふ。
何はともあれ、市井の一国民としては、渡辺氏曰くの「肯定的自我」を持つて我が国の歴史を知つて行きたいと思ふ。再読の価値ある本だと思ふ。