- Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569820606
作品紹介・あらすじ
「人の罪を映す」目を持つ少女と出会い、数々の事件に巻き込まれていく央介。しかし彼女の過酷な運命を知り……。感動の長編時代小説。
感想・レビュー・書評
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ある東北の村から不良息子である央介を救うために、日本橋の酒問屋に招かれた女の子イオと央介の物語。
連作短編。ひとつひとつの話も読み応えがあるし、
1冊の本としても読み応えがあり、余韻も深い。
イオの幸せを願わずにはいられない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
不思議な力を持った女の子と彼女に助けられた大店の跡取り息子が主人公の時代ファンタジー。
イオがとても可愛らしくほのぼの進んでいくかと思いきや、段々雲行きが怪しくなっていく。
後味がなんとも言えない。二度と同じことが繰り返されないよう願う。切なさと哀しみ、優しさとぬくもりが絶妙の塩梅でした。 -
江戸の大店のドラ息子、央介のもとにやってきた幼い少女イオ。
彼女の瞳は悪事を働いたものには金色に光って見え、見るものを怯えさせる。
改心した央介とイオは、1年の間に次第に仲良くなり、やがてイオの里についての謎に近づいていく。
睦月神とは・・・・女性の永遠の願い、美と若さを与えてくれる代わりに女性が差し出すものは・・・
最後に残った睦月童は、神の支配から逃れることができるのか。
ちょっと不思議で、あったかい、おもしろい作品でした。 -
不思議な力をもつ睦月童のイオと酒問屋の跡取り・央助との交流を描いた江戸時代を舞台とするファンタジー小説。
4話まではイオの力を使って人々を改心したり、事件を解決するなど畠中恵の『しゃばけ』シリーズのような日常ミステリを扱った作品のように感じるが、5話以降はイオと睦月童の謎に迫っていくことがメインになり4話までとは内容が異なってくる。そのためミステリ的内容を求めると肩透かしをくらうかもしれません(とはいってもそこまでミステリしているわけではないが)。
西條作品を薦めるなら、この作品よりも『千年鬼』の方がファンタジーとしては楽しめたのでそちらをおススメします。 -
不思議な力を持ったイオを央介が普通の子供のように扱うのがとても微笑ましかった。最後にちょっとSFチックになってしまったのが残念だったが、前半部分の時代小説はとても面白かった。イオが睦月神に関係を断って、目が覚めることを祈る。
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日本橋の下酒問屋国見屋の主人が連れ帰った不思議な少女イオ、罪を犯した人には目が金色に光って見えるらしい、と、その国見屋の道楽息子の央介を軸に進んでいくお話。最後はかぐや姫も絡んできて、よくこういうお話を思いつくなぁって感じ。これは、ライトノベルというよりもファンタジーかもね。
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人の心の闇を映し出す“目”を持つ童女・イオ。
ネタばれあります。
日本橋の酒問屋の若旦那・央介と一緒に江戸の事件を面白い角度から解決していく・・・と、なかなか期待させる導入だったのだけど、イオの村の秘密が明かされるにつれて、う~~ん、これって作り過ぎじゃない??と。
時代劇ファンタジーということで、かなり斬新な設定を苦心されたのはわかるんだよね。でも、奥深い村に伝わる奇譚、人知を超えた何モノか、というくらいで十分楽しめたのではないかと・・・。
同じ罪を犯していてもイオの瞳に動じる人、動じない人。結局、イオが映し出していたのは、罪というより良心でそれがなくなってしまっている人にはイオは何の脅威でもない、というあたりも、もうちょっと面白くなってもよさそうかな。 -
久しぶりの西條奈加さん。
苦手なファンタジー色がすこーし匂ったけど、それはそれ、根底の優しさ誠実さがやはり心地いい。
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イオも央介も愛おしくて設定もファンタジー要素があって面白い!睦月の里は残酷だけど、女性の若さを失う恐怖や儚さが詰まっていて素敵だった‥
この作者の方の作品は時代小説だけど読みやすくてとてもいい!