どうせ死ぬのになぜ生きるのか (PHP新書)

著者 :
  • PHP研究所
3.36
  • (21)
  • (41)
  • (55)
  • (21)
  • (5)
本棚登録 : 670
感想 : 52
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569820934

作品紹介・あらすじ

「どうせ死ぬのに、なぜ生きるのか」――。幼少の頃よりこの問題に懊悩してきた精神科医が、ついに辿りついた答えが仏教だった。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 仏教心理学に詳しい著者が、生きていく知恵としての仏教の教えをわかりやすく解説している。
    第一章
    どうやったら悩みから自由になり明るく爽やかな心を保っておけるのか。
    第二章
    四苦:生老病死。
    行:姿勢を正す。息を「フー」と出す。
    浄土真宗の親鸞聖人の「悪人正機」:善人でも救われるのだから、悪人が救われないはずがない。
    「煩悩即菩提」:切実な悩みを抱えている人の方が深く学べる。
    「どうせ死ぬのになぜ生きるのか」の答えは、言葉を超えた「現実」の中にある。
    第三章 「最強の心理学」としての仏教
    「心が絶え間なく乱れ続けているから」落ち着かせることが必要。
    行に取り組み心を落ち着かせ、平静の心で世界を見よう。
    五蘊:すべての感覚は空。実体はなく条件によって成り立っている。
    行に取り組んで初めて、「心と自分の身体は別である」と認識できる。
    「貧(とん):欲深さ、嗔(しん):怒り、痴(ち):欲深さ」を鎮めよ。この三毒が心を乱す。
    行は毎日行うのがよい。
    第四章
    自意識が不安と後悔とを作り、一方で文明を作り上げた。
    行は「対象」と「自分」とを同調させることによって、「自分=自意識」を小さくしていく。
    「今ここ」に居続ける。
    第七章
    一世一代の気合で「心が晴れやかになる」状態を目指す。
    呼吸、姿勢など身体の状況を観察する。
    第八章
    現世で善行を積む。
    方便(他人や社会に貢献する)。
    菩提心

    最近、自我、貪欲さで悩むことが多い。
    瞑想で心を穏やかにして、自意識を小さくしていきたいと考えた。

  • 仏教心理学は、ヨガ哲学ととても似ていると感じた。
    例えば、
    ・ありのままを受け入れる
    ・心とは瞬間ごとに変化し続ける運動
    ・自分の心と自分自身は別
    などの考え方。

    ヴィパッサナー瞑想「歩く瞑想」もヨガととても似ている。
    ・「実況中継」をしながら
    ・身体の内側の感覚や足裏が地面に接している感覚を大事に
    など、ヨガで言われてることと同じ。
    (ピラティスも近い)
    動きながら自分と向き合うことが瞑想。

    お経にサンスクリット語が入ってるのも、ヨガ哲学がサンスクリット語なのと一緒。

    起源は近いのか。

    私の場合、ヨガ哲学を先に知り、そちらのほうが現時点では身体に馴染んでいるので、ヨガを続けてみようと思うが、今回、本書を読んで、ヨガ哲学との共通点など色んな発見があり、とても楽しかった。

  • 答えがあるかなー
    って思ったのに、、、

    仏教に興味が出るきっかけになった

  • 姿勢を整えて目をつぶり、十秒かけて息を吐ききる。
    毎日必ず一回、晴れやかで、明るく、穏やかに落ち着いた状態をつくること、それによって心の基準点を上げる。
    心の基準点は朝に行う。
    重要なのは一歩を踏み出す事、心の明るさは自分でつくるということを心に誓い、日々の生活の中で行に取り組む
    手入れや掃除は心の錆を取り払う行そのもの
    お寺のご本尊の前や、仏壇の前で瞑想をする。般若心経や観音経を唱えてもいい、毎日十秒、仏壇の前で手を合わせる。

  • タイトルがイイ!今まで散々考えてきた意味を仏教の視点からも考えてみようと思った。慈悲の心を持ちたい。

  • 精神科医・名越康文による、死について分析した一冊。

    若干仏教の考えに偏るところもあるものの、とても興味深かった。

  • どうせ死ぬのになぜ生きるのかの問いに対して、言葉による理屈でや論理の中では得られない。
    言葉をこえた現実の中にある。
    各々がそれを得るための方法として仏教、とくに「行」、最終的に「方便」という手段ががおすすめだよって話。

  • タイトルの問は秀逸。
    行と方便の理解も面白い。
    でも,問に端的な答えは提示されていない。
    ただ,行と瞑想と方便を実行せよというのが一応の回答か。

  • 2021.09.20(月)晴

全52件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1960年、奈良県生まれ。精神科医。相愛大学、高野山大学客員教授。専門は思春期精神医学、精神療法。近畿大学医学部卒業。大阪府立中宮病院(現:大阪府立精神医療センター)にて、精神科救急病棟の設立、責任者を経て、1999年に同病院を退職。引き続き臨床に携わる一方で、テレビ・ラジオでコメンテーター、映画評論、漫画分析など様々な分野で活躍中。主な著書に『驚く力』(夜間飛行)、『自分を支える心の技法』(医学書院)、『どうせ死ぬのになぜ生きるのか』(PHP新書)などがある。

「2015年 『日本の反知性主義』 で使われていた紹介文から引用しています。」

名越康文の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×