新・台湾の主張 (PHP新書)

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  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (202ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569823645

作品紹介・あらすじ

日本人から「義の精神」「長期的視野」の大切さを学び、台湾の民主化を成し遂げた指導者が、自らの来歴、日台のとるべき道を語る。

感想・レビュー・書評

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  • 台湾総統であった、李登輝の自伝・主張

    日本統治時代の精神 勇気、誠実、勤勉、奉公、自己犠牲、責任感、遵法、清潔、
    台湾に影響を及ぼした日本人 後藤新平、新渡戸稲造、八田與市
    京都帝大在学時に志願兵に、敗戦後台湾帰国後の本省人と外省人との確執
    学生との対話と約束の実現、民主化への努力
    中台の確執、軍備論、日本との関係、台湾大地震、東日本大震災

  • 「マルクスによれば、革命が起こるのは高度に資本主義が発展した国である。当時の中国はそうした段階にはほど遠かった。革命の担い手となるような労働者階級も育っていない。結局、中国共産党は皇帝型の専制政治の手段として、マルクス主義を謳っているにすぎないと気がついたのである。」ここを読んで、中国の社会体制に対して疑問を持っていたことが氷解した。以前、テレビで引退した中国の政治家も、中国には皇帝のような指導者しかでてこないと言っていた。納得。

  • 台湾の李登輝元総統による著述。
    日本への感謝と期待と懸念。
    台湾への期待と自信と懸念。
    国際政治の現実。

    日本人として恥ずかしくて向き合えない。

  • 本に、○○さんへと李登輝さん直々にサインを頂いた思い出の本。

  • 先日訃報が伝えられた著者を台湾へは何度か行ったことがあらにも関わらず、恥ずかしながらよく知らず、図書館でふと見かけて手に取りました。
    当然美化されているところはあるとは思うが、台湾の国益に適うことをまっすぐに主張している印象です。現職(執筆当時)の国家元首に明確に退陣を求める元国家元首。日本じゃなかなかない光景です。

  • 先に、翌年刊行された以下を読んでしまった。ほぼ同じようなテーマだし、内容の多くが重複していたのは仕方ないかなぁー。

    『熱誠憂国 日本人に伝えたいこと』のレビュー 李登輝 (ヴァッホイさん) - ブクログ
    https://booklog.jp/users/vahhoi/archives/1/4620323691

    ひとつの事例が細かいのは本書。多少同じことを繰り返したり、講演で配るパンフレットを日本語訳したものが掲載されていたりと、やや退屈なところはあるけどとても勉強になる。李登輝氏の考えや行い、努力に感心するし、自身の意識向上の必要性を感じる。良いことばかりを著しているとしても偉大だなー。
    個人的にはやはり、台湾の地政学的重要性や、日本の憲法改正、まやかしの北京コンセンサス、「台湾は中国の一部」がいかに暴論か…などがもっと日本に浸透すればなと感じる。このままでは中国の「一つの中国」の主張が罷り通りかねない。
    以下はあわせて読むと理解が深まる。本当にお疲れさまでしたと伝えたいですね。

    超高学歴版「田中角栄」? 謀略・金権・中国とのコネ…日本人が知らない“親日家”以外の李登輝 | 文春オンライン
    https://bunshun.jp/articles/-/39690

  • http://naokis.doorblog.jp/archives/Lee_Teng-hui.html【書評】『新・台湾の主張』〜李登輝元総統の日本精神論と台湾の未来への提言


    1988年から2000年まで、台湾総統を務めた李登輝氏。1923年生まれで92歳になった。キリスト教徒でもあるご自身を形づくったのは、「生来の性質」「台湾精神」「キリスト教」そして「日本精神」と言う。

    台湾人が好んで用いる言葉に「日本精神(リップンチェンシン)」というものがある。これは日本統治時代に台湾人が学び、日本の敗戦によって大陸からきた中国人が持ち合わせていない精神として、台湾人が自らの誇りとしたものである。「勇気」「誠実」「勤勉」「奉公」「自己犠牲」「責任感」「遵法」「清潔」といった精神を表す。

    日本人に対し、日本精神の大切さを呼びかけ、また台湾の行く末をについて提言をなす。
    ひまわり学生運動を支持し、現総統・馬英九に辞職を勧告し、本書を締めくくる。



    <目次>
    はじめに
    李登輝・関連年表
    第一章 日本精神に学ぶ
    第二章 台湾民主化への道
    第三章 新台湾人の時代へ
    第四章 日本と台湾の国防論
    あとがきに代えて

    2015.01.14 新書巡回で見つける。
    2015.03.21 読書開始
    2015.03.29 読了

  • 台湾民主化の祖、李登輝元台湾総統の心の叫び。もうすぐ百歳に手が届こうかという総統は自分亡き後の台湾を、日本との関係を、国際社会における台湾を憂う。中国は台湾と国交のあった国々に対し、金で国交断絶させ、毎年のように数ヶ国ずつ国交を失わせている。総統は、台湾は既に独立国家であり今更独立を宣言する必要は無いと言う。実際台湾に行くと日本人だけでなく、東南アジア諸国や、欧米の観光客が大勢いる。しかし、その内の何割が中台関係についての知見を持っているだろうか。まずは世界に実態を発信することが重要ではないだろうか。
    中でも心に響いたというか、堪えたのは「台湾人による日本への思いは、長い間『片思い』にすぎなかったのかもしれない。」という箇所。日本は台湾に対する中国からの圧力の矛先を武力以外で反らすことのできる唯一の国家である筈である。日本は台湾のため、台湾人のため、日本自身のため(もちろん領土的な問題も含め)それを実行すべきではないだろうか。個人的には中国の金は受け取らないと粘り続けていた最貧国に近いブルキナファソが折れてしまったことが残念。ブルキナの政権交代が理由であろうか……お金は喉から手が出るほど欲しいはず。

  • 日台中韓の関係は日本国内にいると大変複雑に感じる。が、李登輝の眼を通じると日台関係の強化がアジアの安定と繁栄の基礎になることがよくわかる。哲人政治家、李登輝のいる台湾が羨ましい。現総統蔡英文の手腕に注目している。

  • 最近仕事で行くようになった台湾だが、歴史を正確に理解していなかった。近代台湾を築いた著者は、自伝がそのまま台湾の歴史である。すごい。かつて日本人が残した「日本精神」が好まれているそうだが、最近おかしくなっている日本に対して「日本加油」と檄を飛ばしてくれている。しっかりしないと、である。

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著者プロフィール

1923年台湾生まれ。元台湾総統。農業経済学者。米国コーネル大学農業経済学博士。京都帝国大学農学部在学中、終戦のため学業半ばで帰台。台湾大学に編入し卒業。米国アイオワ州立大学大学院を経て、台湾大学教授。71年に国民党入党、72年行政院政務委員として入閣。台北市長、台湾省主席などを歴任。84年に蒋経国総統から副総統に指名される。88年蒋経国の死去にともない総統に昇格。96年台湾初の総統直接選挙で当選し第九代総統に就任。2000年任期満了で退任。07年第1回後藤新平賞受賞。20年7月30日死去、享年97。

「2021年 『人間の価値 李登輝の言葉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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