- Amazon.co.jp ・本 (219ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569825984
作品紹介・あらすじ
世界はめくるめく多様な生物であふれている――。進化論の歴史、可能性と限界、そして新たな可能性について、わかりやすく解き明かす。
感想・レビュー・書評
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初心者向けに書かれているけど内容は難しいところもあった。進化論に興味があり、掘り下げたいと思う人には良いです。
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面白くて眠れなくなるシリーズの数学やら物理やらは中学生の時読んでたが、これは同じシリーズの生物系の本。進化論は科学哲学的な部分を含んでいるんだなあと思った。一神教と人間が作る理論の関係の考察は面白かった。その時世を支配している共同主観的な思想が、各所に影響をもたらすことの良い具体例か。適応万能論は都合の良い思考停止・現実肯定なんだなあと思った。
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「働かないアリに意義がある」の長谷川センセなので期待したらやっぱり面白い。
ラマルク、ダーウィン、メンデルに始まる進化論の系譜を改めて整理できたし、進化論におけるDNAの発見、解析の意味も再確認できた。しかもワトソン、クリックだけでなくロザリンド・フランクリンの功績とDNA構造解析にまつわるスキャンダルにもちゃんと触れてある。素晴らしい。進化論だけでなく、科学することの心構えや楽しさ、落とし穴まで教えてくれる。
で、「面白くて眠れなくなる」対象は進化論の過去、歴史ではない。そこを発射台として現在も進化、研究を続ける進化論の現在と未来だ。長谷川先生のナビゲートで過去の進化論の概要を理解できているからこそ、先生と一緒に今、未来の進化論にワクワクできる。ミトコンドリアが別の生命だった説、腸内フローラなどの共生関係。まだまだ先がありそうだ。
先生に質問。
「遺伝的浮動」について。有利でも不利でもない特性が子孫に受け継がれていく場合、自然選択が働かない以上その発現頻度はランダムで、特定の傾向に集中していくことはないと思います。であれば、それが種の特徴として固定化されることはなく、例えば人の髪や目の色のように、進化ではなく個性のレベルにとどまるのでは?
「遺伝的浮動」は種の変化を前提とする「進化」にどのような影響を及ぼしているのでしょうか? -
ポケモンに触れて育ったからか、どうしても頭のどこかで「進化=要不要説」というイメージがあったり、「進化=良い方向に変わっている」という印象を持ってしまっていたのですが、本書で述べられた考え方は進化の多様性を知る上で非常に面白く、その程度の認識しかないド文系でもこれだけワクワクして読むことが出来たので、著者の長谷川さんの構成のうまさが光りますね。表題に偽りない、楽しい読書体験でした。
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単純に読み物として面白い。
進化論の歴史と考え方がよくわかる。
眠れなくなるとの謳い文句通り、さくさく読み進められる。 -
ダーウィンの進化論、「種の起源」を一般人向けに解説した一冊。
ダーウィン以前の進化論であるラマルクの進化論では、「生物はあるべき姿に向かって単純なものから複雑なものへと完成されていくよぬに進化する」と説いたのに対し、
ダーウィンの進化論では「進化には方向性は無い。ただ、その環境に合ったものが生き残ることにより進化が起こる」と説いた。 -
進化論の誕生、現在、未来の三部構成で章立てし、ダーウィンの自然選択説が提唱された経緯、進化の形、生態学について分かりやすく説明されています。
進化は自然選択説のみで説明がつくものではなく、遺伝的浮動を含めた複合的な見解が必要であることを理解しました。進化学の役割は生物の驚くべき多様性を説明することであるため、進化を自然選択説だけで単純に考えると学問的に実りがないものになってしまうという作者の主張に共感しました。
進化は単純に説明がつかないからこそ奥深く、人々の興味を引き立てるものがあると感じました。
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進化論についてよくわかった。進化というと何かに向かって良くなっていくように思われるが、結局環境にいかに適応出来たかということなんだとよくわかった。
食物を分解するために菌と共生としているという話が印象的だった。 -
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