人間は「心が折れる」からこそ価値がある 人工知能時代に成功する人の考え方

著者 :
  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (188ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569826455

作品紹介・あらすじ

恐るべき!?人工知能時代は、いかに生きれば成功できるのか。人工知能の仕組みをふまえつつ必要とされる「脳力」を解き明かす驚愕の書。

感想・レビュー・書評

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  • 「常に「論理的な判断」ばかりでいったら、人類は死滅してしまうはず」
    論理的な判断と情動的な判断はよく矛盾します。
    ただ本書でも書かれているようにそういうことは多いんですよね。
    自分の能力を活かすために判断したことも周りから置いていかれる感情に支配されるとか。
    感情に支配されると苦しいです。
    でもそれをクリアするのは論理的に自分の感情を説明できることかなとも思います。
    毎春凹むんですがやっぱり自分の選択に後悔はしたくないですね。
    やっぱり結果が出ないのは苦しいですが。
    本書にもあるように
    「何となく」という感覚によってバランスをとりながら判断する能力も大切なんやなと思います。

    「スキーマ」
    様々な記憶や知識が統合された〝まとまり〟のようなものだそうです。
    一つ一つの知識は一つの答えしか出てきません。
    でもいろんな知識をまとめて推論することで未来を想像することができます。
    僕自身半歩先を読んで行けるように努力しています。
    今のところ人間の優位性はここにあると思います。

    「二〇四五年に勝負になるのは、「高い付加価値」を生み出せるかどうか」
    「職業がなくなる」と心配する必要はないと書かれています。
    職業は「社会に提供する機能」と書かれています。
    何を社会に提供するかは時代によって変わりますよね
    今や改札でモギリはいないじゃないですか。
    機械化されて消えゆく機能はあっても職業がなくなることはないです。
    面倒くさい作業がどんどんロボットや人工知能に置き換わったら人間のやる仕事の質がどんどん変わっていきますよね。
    そこに取り残される人は出てくるのかもしれません。
    ちゃんと発想できるようにアタマを鍛えておこうと思います。

    「マニュアル通りにしか仕事をしない人間など、二〇四五年には必要なくなる」
    娘に生活保護の中でもマニアックな世帯分離について説明したとき詳しくは分からなくても「住民票の世帯分離」と「生活保護の世帯分離」があるんやなとすぐに理解しました。
    おそらく聞いたらわかるんでしょう。
    今「説明してもらってません」とか「マニュアルを見せてください」とかいう人も多いです。
    自分で考えることを放棄してたら「社会に提供する機能」は持ち得ないやろうなあと思います。
    これからは考えて理解できる人だけが高付加価値を生み出せるんやろなあと思います。

    「高付加価値人間になるために、今こそ「情動力」を高めよ」
    資本主義社会では付加価値の高いものを生み出すことが収入につながります。
    付加価値の高いものはクライアントが「嬉しい」と思うものです。
    「嬉しい」と思うものを作ろうとすれば心動くもの「情動力」を高める必要があります。
    付加価値のあるものを創造するには「情動を満足させること」がカギになるということです。
    人がしてもらって嬉しいことをする。
    つまり社会に役立つ仕事をするということが僕には必要なんやなと思います。

  • 最近認知科学に興味を持ったので図書館でその辺の本を探していたところ、タイトルがキャッチーな本書を見つけ手に取りました。

    全体通して「人工知能とは人間の知能を人工的に作るものである」という定義を主張されていると理解しました。
    だから、人工知能も人間と同じように心折れるように作るべきということ、でも心折らせるのは難しいということ、については納得です。
    ただ、どうしても「本当にわざわざ心を折らせる必要があるの?」という疑問が拭いきれず、理解及ばぬまま読了となりました。

    あとは終盤に、人工知能が人類を支配することはあり得なくて、あるとしたらバグかハッカーかプログラマの悪意のせいだという話題があるのですが、完全にバグのないプログラムなんて作れないという現実を鑑みるとやっぱりあり得る未来なんじゃないかなーと思ったりしました。

    いずれにせよ、読みながら未来に想像を巡らせられる、面白い本でした。

  • 人工知能は防衛分野にもどんどん入っている。サイバー兵器が相手国の本土を攻撃する道具として使われることが想定されるとすれば、それは戦術兵器ではなくて、戦略兵器。現在でも例えば核ミサイル発射ボタンは複数の人間によるダブルチェック機構になっているが、戦略兵器には正しい「原則」を持たせなければならない。日本の場合には「専守防衛」という原則がある。日本を守る抑止力のための人工知能を開発する際には「専守防衛」というプリンシパルを入れておかないといけない。人工知能が自分で勝手に判断して先制攻撃をしては困るから。専守防衛のプリンシパルは日本独自のプリンシパルであり、国によってそのプリンシパルは変わる。各国のプリンシパルをそれぞれの国の人工知能に入力して、人工知能が勝手に書き換えることができないようにしないといけない。

  • 情動は利用しても振り回されるな。

  • ◎ロボット人間 161101

    機械は有限性における二者択一の判断を得意とする存在で
    自分本位の一点に集中した部分をとらえることはできるが
    シナヤカで曖昧に視点を変えたり深くしたりして相手を知り
    視野や深度を多様に変化させることができない
    更には目前の目的のみで手段を考慮せず
    相手との関係やプロセスの流れをたのしむ心に関心がない

    もしも多様な相手を含む全体観である相対性時空間という
    無限性を視野に入れることができれば
    今を育むロボット人間やアンドロイドを作れるかもしれない

    生命体である人間は物質性に執着する狭い意味の中で
    合理性と呼ばれもする部分性の個意識に依存する感情と
    集合意識とつながって自己管理できる個意識の二つの関係で
    有限なる過去に依存することと無限なる今を選択することを
    折り合いをつけながら具象的な実体感を手段として
    抽象的な創造性を目的として五分五分の冒険である人生を歩む
    どちらに転んでもお互いに切磋琢磨することで成長して
    混沌なる抽象的な無限を具象的な有限性に表現するという
    目的を永遠に目指していく

    さてロボットに二つの意味を持つ個意識を
    人工的に産み付けてアンドロイドを作ることができたとしても
    それと同時に人間自体が全体性に溺れてしまい
    部分性を放棄することになって
    自己矛盾に陥ることになるのではないだろう
    つまり集合意識である大自然は
    結果を得ることを目指しているわけではなく
    果てしなく結果に近づくプロセスの一つ一つを喜びとして
    冒険と発見に満たされていることを意味しているのではないだろうか

  • 2045年、人工知能は人間を追い越し、人類を滅ぼすという予言がある。

    苫米地氏によると人間を超えた知能というのは、ダライラマとローマ法王を足したようなものあり、それほどの知能の持ち主が人類に戦争をしかけるはずがないという。将来、人工知能が人類にとって脅威となるならば、それは悪意ある人間が作ったかバグであると。

    人工知能には必ずプリンシプルが埋め込まれてなければならない。プリンシプルとは
    ・人間に危害を加えてはいけない。
    ・与えられた命令に服従しなければならない。
    ・前の2つに反しない限り、自分を守らなければならない。
    である。

    人間は「どこかおかしい」「なんとなく嫌だ」という非合理的な判断ができるという点で人工知能より優れている。折れない心をつくるとか、感情的にならないというのは人間をロボット化することであり、近代工業化社会の奴隷を作ることに他ならない。

    …というのが全体の趣旨ですが、繰り返しが多くてちょっと冗長だったのと、もっと心理系よりの話かと思ったらほとんど人工知能の話だった。人工知能については「認知科学への招待」と重なる部分が多かった。まあ、苫米地氏の本は出版社によってカラーが違い、PHP出版の場合は丁寧で論理的飛躍が少ない印象。たぶん編集者が優秀なんだと思う。一方フォレスト出版は…(略)

  • 啓発本と見せかけてもろ人工知能に関する内容。新書に近い量の中にほぼ知りたい内容凝縮。ここ最近の中でスマッシュヒット。

    巷に流れる人工知能に関する情報、著名人で言うとホーキンス博士やイーロンマスクなどがAIの危なさを説いているが的外れな指摘であり、門外漢のミスリードであると一刀両断。誤った知識やステレオタイプが一掃された気分。

    今のAIは知能がアップしているのではなく処理速度やアルゴリズムがパワーアップしているだけで結局マシーンであると。
    本当の知能とは人間の思考に近づく事。人間のように情動が理解できる事だと。利己的で戦争を起こしたり争いで人類史を惨殺するようなAIは人間で例えるとわかりやすいが人格の未熟な段階か、サイコパスのようなもの。本当に賢いAIは釈迦やキリストの様になって行くとの事。確かに。目から鱗の発想だが納得のいく内容。

  • フォトリーディング。人工知能に恐怖を覚えさせる事を著者はずいぶん前に提唱していたそう。現在の人工知能は、挫折したり失敗したりしたときの情動を取り入れられるように開発が進んでいるとのこと。逆に自信満々の人工知能は危険であると著者は言う。そのことより人間の心も折れるからこそ価値があると説明している本。
    星三つくらいの予想。

    以後、高速を交えて読んでみる。

    読了。全体的に人工知能の現在過去未来についての話が大半であった。最後に総括的に人工知能にも情動が求められるなら人間の情動は素晴らしく有用なものなので情動を鍛えよう、という事が書いてあった。

    下記に付箋を貼った箇所の要約をのせる:

    43-45:理論を超えた調理論である「なんとなく」は、情動の中でも最も優れたもの。なんとなく好き、嫌い、という感覚は大切。情動は決断を早める。

    138:人工知能が人類抹殺を選ぶとしたらそれはプログラミングのせい。人工知能よりもプログラマーを警戒すべき。

    186:人が嬉しくなるように行動する。嬉しいという情動を大切にする。

  • 心の問題について書かれているのかと思ったら、人工知能の話しで期待した内容とは違いました。

  • タイトルの、「心が折れる」に惹かれて読んだが、内容は心理学と人工知能関連の本だった。
    スキーマやフレーム。スクリプト理論、ケース理論などが書いてあり、PCチョイ特異な人は、難なく読み進め垂れると思う。基本情報金検定(だったかな?)の知識が再確認できた。という点では良かった。
    心が折れた後からの回復方法が知りたかった私には、希望の内容ではなかった。
     

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著者プロフィール

認知科学者(計算言語学・認知心理学・機能脳科学・離散数理科学・分析哲学)。
カーネギーメロン大学博士( Ph.D)、同 CyLab フェロー、ジョージメイソン大学C4I&サイバー研究所研究教授、公益社団法人日本ジャーナリスト協会代表理事、日本外交政策学会会長、コグニティブリサーチラボ株式会社CEO 兼基礎研究所長。マサチューセッツ大学を経て上智大学外国語学部英語学科卒業後、三菱地所へ入社、財務担当者としてロックフェラーセンター買収等を経験、三菱地所在籍のままフルブライト全額給付特待生としてイェール大学大学院計算機科学博士課程に留学、人工知能の父と呼ばれるロジャー・シャンクに学ぶ。同認知科学研究所、同人工知能研究所を経て、コンピュータ科学と人工知能の世界最高峰カーネギーメロン大学大学院博士課程に転入。計算機科学部機械翻訳研究所(現 Language Technologies Institute)等に在籍し、人工知能、自然言語処理、ニューラルネットワーク等を研究、全米で4人目、日本人として初の計算言語学の博士号を取得。帰国後、徳島大学助教授、ジャストシステム基礎研究所所長、同ピッツバーグ研究所取締役、通商産業省情報処理振興審議会専門委員、早稲田大学研究院客員教授などを歴任。また、晩年のルー・タイスの右腕として活動、ルー・タイスの指示により米国認知科学の研究成果を盛り込んだ最新の能力開発プログラム「 TPIE」、「 PX2」、「 TICE」コーチングなどの開発を担当。その後、全世界での普及にルー・タイスと共に活動。現在もルー・タイスの遺言によりコーチング普及及び後継者として全世界で活動中。一般財団法人サヴォイア王家諸騎士団日本代表、聖マウリツィオ・ラザロ騎士団大十字騎士。近年では、サヴォイア王家によるジュニアナイト養成コーチングプログラムも開発。日本でも完全無償のボランティアプログラムとして「PX2」と並行して普及活動中。

「2023年 『新・夢が勝手にかなう手帳 2023年度版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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