猫の惑星

著者 :
  • PHP研究所
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本棚登録 : 182
感想 : 31
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  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569826653

作品紹介・あらすじ

特殊能力を持つ少年たちが集められた施設。ある日イクオは猫から話しかけられ、施設から逃げろと忠告を受ける。感動と興奮のSF冒険小説。

感想・レビュー・書評

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  • 不思議な力を持つ男の子が集められているシテン。
    能力を高める訓練をし、パパの命令による”用事”をこなす日々。
    そこの少年の一人であるイクオの楽しみは、
    お昼時に庭園に集まって来る猫たちを眺めること。
    ある時、その中の一匹ウリと言葉が通じるようになり、一緒にシテンを脱出する。
    超能力少年と猫たちの冒険ファンタジー。

    イクオと共に戦う、
    ウリ・クロ・アル・べー・ガブ・クサレ・シビレ
    そして四方八方から集まって来る猫たち。(壮観)

    読み終えて、ふうとため息をつく。
    久々の冒険ものであるうえに、
    イクオや猫ちゃん達が、無事でいてくれるかドキドキで~。ホッ。

    ウリに言わせると、この惑星には「猫の王」がいるそうです。
    人間が気付いていないだけで、
    この世界を支配しているのは猫であるらしいのね。ふふっ。
    孤高の生き方を望む者は人間の言うところの”野良猫”の道を選び、
    楽な生活を望む者は、人間の生活に入り込み仕えさせる。

    そして「猫たちが楽に暮らせるように」
    「美味しいごはんを食べてもらえるように」と奉仕することが、
    人間にとって何ものにも代えがたい快感であると…。
    あはは~どこかの星と少し似てますね♪

    まぁ、支配されていようがいまいが、どちらでもいいですけどね(笑)
    そばにいてくれるだけで幸せなんだから。

    梶尾真治さん、初めましての作家さん。
    最後の戦いから、みんなを助けてくれてありがとうございます。
    と、お礼を言いたい気分です♪

  • この惑星の支配者は猫?
    少年と猫が冒険するファンタジーSF。

    イクオは、シテンという閉ざされた場所で、大勢の子供たちと暮らしているという設定。
    ある種の素質を持った子供が集められ、超能力の訓練を受けて、いずれは卒業?してどこかへ行く。
    ふだんは「ママ」たちが世話をしてくれている。
    シテンの長は「パパ」で、すべてはパパの指示にしたがって行われる。
    離れたところに普通の町もあるらしい。

    イクオは、中庭で猫を眺めるのが好きだった。
    いつしか、その中のボス的な存在のウリという猫と、テレパシーが通じるようになる。
    ある事件が起きて、シテンを脱出することになったイクオは出会う人たちを助け、助けられながら、共に町へ向かう。
    賢い猫のウリからは、思いがけない話を聞くことに。
    ほかの猫たちも次第に集まってきて‥?

    設定は意外に?しっかりしたSFらしい導入だけど、この小人数でどう展開するのかな、まとまるのかな‥?
    と思っていると~
    なるほど、短い期間だけど命の危機もあり、ちょっとした切なさもあり、書き込みは少ないけど、小人数の中での展望や決着もあり。
    いい意味でも軽い意味でもジュブナイル。
    猫たちの個性や賢さは、わかる感じだし~
    悪くない読後感でした☆

  • これは登場人物が、だからではないけど
    また大人の仕打ちや思惑はえげつないように
    思えるけど、まぁ仕方ないかぐらいの
    真実を用意してあり、少年(少女)向きだなと思う。
    全体的にあっさりしているものの、
    その中に、ちょっと切ない脇役のストーリーは
    短くも用意されており、
    しかしあまり本筋には関係なく、これは期待外れか?
    でも、猫たちとこういう形で接することができたら
    と思うところが一番。猫が好きなら読むといい。
    大人の猫はそれらしく、子猫もそれらしく
    しっかり登場人物しているので。

    人がペットに餌を与える。
    犬:私に食事を持ってきてくれる、
    この人は神様かもしれない。
    猫:私に食事を持ってきてくれる、
    私は神様かもしれない。という話も思い出した。
    猫は支配しているのだよ。

  • ジャンルとしては少年と猫のSFファンタジー。いい意味でも悪い意味でもジュブナイルですが、猫好きな方にはオススメ。何となく続編もありそうな予感。

  • 【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
    https://opc.kinjo-u.ac.jp/

  • 最後の20ページぐらいの後付け感が凄い。違和感しかない。イクオがシテンを出るまでにめちゃくちゃページ数食ってるから、物語のバランスが微妙に悪い。

  • 数十人の男の子たちが暮らす「シテン」
    世話をしてくれる「ママ」
    見張りの「オジさんたち」
    時々来る「パパ」

    子供たちは各々の能力を高める「勉強」をし
    「ホンテン」の「用事」を済ませる。
    ある程度の年齢に達すると「卒業」してゆく。


    その意味をイクオに教えてくれたのは1匹の老猫だった。
    猫たちと共に「シテン」を脱出したイクオ
    この世界の真の支配者である「猫の王」を探す旅に出る

    途中まではすごく面白かったのに
    ラスト数ページで一気に興ざめ
    なにこれ・・・

  • 感情の籠らない説明台詞の羅列に、解説書のような文章。いつになったら面白くなるんだろうと思っているうちに読み終えてしまった。クロノス・ジョウンターの作者が書いたものとは思えなかった。久々にハズレを引いた気分。いくら猫好きでもこれはないわー。

  • 『シテン』と呼ばれる施設で生活する子ども達。毎日訓練をして過ごし、時には街に行き『用事』をこなす。その中の一人『イクオ』は、ある日不思議な声が頭に響いてくる。その声の主の猫は、「ここを出て、猫の王を探しに行こう」と誘ってきた。

    異能を持つ子ども達が怪しげな施設に隔離され暗殺(?)をさせられている。そこから逃亡を図り真実を探す旅に出るというようなよくある冒険譚。案内人は猫。追っ手をかわしながら猫の王を探し(何の為?)、本当の敵宇宙からの侵略者と戦うといったとんでも展開になってくる。
    さらには施設は、実は守る側だったともってきてるが、非人道的な行為はしてたし、自殺用と仄めかすような薬は?と気にはなる。
    なにより、図書館だけどなんで児童書じゃなく一般書架に?

  • 2017.5.31読了

    すごく面白い設定で、
    グイグイ読めた!。。。んですが、
    最後がなぁ。。。
    なんか 拍子抜け。。。

    特殊な能力を持つ子供たちが
    「シテン」と呼ばれるところで
    共同生活を送っている。
    日々 特殊能力を使いこなしたり、
    強めるための訓練をして過ごす。

    が、思春期になると その能力は
    消えてしまうようだ。

    能力が消えた子は、そのシテンからも
    「卒業」する。

    主人公イクオも そんな少年。

    イクオは 能力が開花してきて、
    「ホンテン」から「用事」を頼まれるようになる。

    怪しい「用事」
    「卒業」は ほんとに 卒業なのか?

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著者プロフィール

熊本県生まれ。「美亜へ贈る真珠」でデビュー。代表作に『地球はプレイン・ヨーグルト』『怨讐星域』「あしびきデイドリーム」(星雲賞)『未踏惑星キー・ラーゴ』(熊日文学賞)『サラマンダー殲滅』(日本SF大賞)、そして映画化した『黄泉がえり』や、舞台・映画化した『クロノス・ジョウンターの伝説』など。

「2022年 『未来のおもいで 白鳥山奇譚』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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