天下を計る

著者 :
  • PHP研究所
3.86
  • (2)
  • (8)
  • (4)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 57
感想 : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (381ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569831077

作品紹介・あらすじ

“算用”を武器に戦国を生きる! 秀吉の天下取りを裏から支え、家康の心胆を寒からしめた男・長束正家の生涯を描く著者渾身の長編小説。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 豊臣秀吉を支えた、長束正家。算用者の目線で、戦国の世を描く時代小説。
    どんな軍勢も、食べ物が不足すれば士気が下がるし、実力も発揮できない。大きくなればなるほど必要量が増える兵糧や飼い葉を、どうやって確実に届けるのか。
    武功ではなく経済。裏方仕事という切り口が、新鮮で面白かった。
    嘘と間違いを嫌う、算用者。うまく立ち回れるわけではないけれど、まっすぐな人柄も、好ましい。

  • まず、主役が長束正家であるというのが意外だった。
    豊臣政権から関ヶ原までの流れを武功や知略、人間関係ではなくひたすら経済の面から語っているのがおもしろい。
    九州征伐、小田原攻め、朝鮮出兵についてもいかに兵糧を輸送するかというところがメインなので、わりと客観的に表現されていてわかりやすかった。
    長束正家という人物については、おそらくここまで男前ではないだろうと思う。文章については現代風な言い回しも多いので、かっちりした歴史表現を好む人は気になるかもしれない。

  • 豊臣政権の五奉行の一人である長束正家の生涯を描いた小説。長束を主人公にする小説など、ありそうでなかった。さすが岩井三四二氏、目の付け所が違う。戦国武将であるが文官であるので戦闘シーンは多くないが、兵糧や船舶の手配など、戦に欠かせない重要な裏方の仕事に触れることができる貴重な作品である。

  • 長束正家の話。
    奉行衆のうちでも地味なイメージ。
    堅物だったのか。真面目な能吏だったのか。戦争するには兵站が必要。当たり前のことだけれども軽視しがち。30万人の食糧を運送するなどとてつもない。
    秀長が少し悪者扱いされていた。旧体制の利益代表者として。死後の蔵に金銀が遺されていたのも、美談ではなく、不正や利殖によるものとの描かれ方。新鮮な面もあった。
    豊臣家に忠誠があったのか。義理か意地か。妻の実家の伝手もあるだろうに。徳川の世でも活躍したかもしれない。

  • 秀吉時代を経済の点から描写
    それが面白い

全5件中 1 - 5件を表示

著者プロフィール

1958年岐阜県生まれ。一橋大学卒業。1996年「一所懸命」で小説現代新人賞を受賞しデビュー。98年『簒奪者』で歴史群像大賞、2003年『月ノ浦惣庄公事置書』で松本清張賞、04年『村を助くは誰ぞ』で歴史文学賞、08年『清佑、ただいま在庄』で中山義秀賞、14年『異国合戦 蒙古襲来異聞』で本屋が選ぶ時代小説大賞2014をそれぞれ受賞。『太閤の巨いなる遺命』『天下を計る』『情け深くあれ』など著書多数。

「2017年 『絢爛たる奔流』 で使われていた紹介文から引用しています。」

岩井三四二の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

ツイートする
×