ぼくたちは今日も宇宙を旅している 佐治博士のこころの時間

著者 :
  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (173ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569833828

作品紹介・あらすじ

詩や音楽にも造詣が深い宇宙物理学者が余命を宣告されて……。がんになったからわかったこと、いのち、人生の意味について語る。

感想・レビュー・書評

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  • 佐治博士のロマン溢れる宇宙科学の話が学生の頃から大好きだった。命の終焉が見えてきた博士の人生論は、包み込むようにこれからを生きる若者を励まし、真実に目を向けるよう優しく促す。その慈しみに満ちた眼差しの広さと深さは宇宙そのもの。
    穏やかに語られる博士の言葉は、バッハのプレリュードに乗って雨だれのように、乾いた心の土に染み渡る。
    ●からだを構成する数十兆の細胞の内、数千億は一晩で入れ替わる。ということは、昨日と同じ自分は、もうどこにもいないということ。何回でも新しい自分になれる。毎日毎日新しい自分。細胞は壊れたり、造られたり。だから、昨日の自分にくよくよするのさ、まったく意味がないんですね。
    ●これまでが、これからを決めるのではなく、これからどう生きるかによって、過去の価値は新しく塗り替えられるのです。未来が過去を決める。今、この瞬間、今日という日をどう生きるかが、人生の意味や価値を決めるのだと思えば、毎日毎日ワクワクします。
    ●星を見るということは、広大無辺の空間と広大無辺の時間を同時に体験すること。
    ●あきらめるとは、明らかにすること。欲しいものをあきらめらるのは、代わりになる価値を見出すことができるから。
    どんなに小さなことでも、あなたがする事で、どういうふうに波及効果が広がっていくかに気づけば、変われる。 
    ●快適だという状況には、必ずゆらぎがある。宇宙も138億年前、小さなゆらぎから起こった。健常な状態の人の脳波や心拍の変動は、自然界のゆらぎに近い。亡くなる直前の心拍はメトロノームのように規則正しく打っていて、それが一拍抜け、二拍抜け、心拍停止になる。ゆらがないで規則的なのが異常。ゆらぐというのが生きている証拠。ゆらぎがないのはある意味で精神疾患。一つのことに取り付かれてしまい、ゆらぐことができたくなっている。だから迷ったっていいんです。希望というゴールを見失わなければ。
    ●赤ちゃんの発育過程で、臓器のでき方を見ていくと、一番丁寧に作られるのは聴覚。認知症になっても、まず歌詞を忘れ、次に旋律。リズムは最後まで残る。脳死の状態でも、耳は働いているらしい。アダムも神を見なかったが神の声を聞いた。だから目で読んではダメ。声に出さなきゃ。
    ●自分とは自然の自と、分身の分。水も水ではない水素と酸素からできている。自分は自分からできているのではない。
    ●チャンスは待っててもこない。気づくかどうか。

  • 時代は科学テクノロジー全盛。宗教は信ずれば救われると言う金儲け主義の新興宗教が蔓延る時代。そんな時代を軽やかに優しくわかりやすい言葉で説いてくれる佐治先生の書籍。お釈迦さんが残した優れた経典に迫る素晴らしくかつスンゴイ書です。手元に携え、自身が何かに立ち止まった際にすっと引き出し目をお通す副読本としたい。出逢えたことに感謝

  • 短い言葉の中に、多くの真理を感じます。感性に影響を受けた。


  • 夏のプラネタリウムで、こころを撃ち抜かれた佐治先生のご本。

    そののち、ご講話を聞く機会に恵まれ、またまたズキュンときちゃいました。
    「これからどう生きるかで、これまでの人生が決まる」と。

    この本は、読むと、長い宇宙の歴史の中で、いまここに生命をいただいていることへ想いを馳せる時間ができます。

    量子力学や物理学がご専門で、優しく文学的なところがかっこいいです。

    印象的だったフレーズ
    「あらゆるものは生命の連続の中に生きる。
    その連続の過程をどれだけ充してゆくことができのか、
    そこに生きることの意味があるといえよう。」

  • 80歳を過ぎた物理学者の著者。がんで余命を宣告された。
    「病は決して歓迎すべきものではないけれど、病気になってはじめて学べることもある」と言う。

    <blockquote>人生の最終章に向き合いながら生きる時間。
    だからこそ、生きている素晴らしさも、強く、深くわかります。
    美しいものは、今まで以上に美しく感じる瞬間もあります。
    何を見ても、なんて美しいのだろうと、感動することが多くなりました。
    家族の大切さも、友人たちのかけがえのなさも、これまで以上に生きていることの不思議さが身にしみて、ただ、ただ、すべてに感謝です。</blockquote>
    そう語る著者。

    生きるということ
    いのちが尽きるということ
    愛するということ
    病気になってわかるということ
    宇宙を知るということ
    育てるということ
    伝えるとういこと
    この世の不思議ということ
    自分とは何かということ

    この9つのテーマについて語っています。新たな気づきを与えられます。


    <blockquote>ぼくたちは、壮大な宇宙絵巻のひとかけらとして、今、旅の途中なのです</blockquote>
    <blockquote>人は、何回でも新しい自分になれる。これからどう生きるかによって、過去の価値が塗り替えられる。</blockquote>

  • 死を意識する歳になってもポジティブでいたい。

    「これまでがこれからを決めるのではなく,これからどう生きるかによって,過去の価値は新しく塗り替えられるのです。」「未来が過去を決める。これからがこれまでを決めるのです。」(21頁)

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著者プロフィール

1935年東京生まれ。理学博士。鈴鹿短期大学名誉学長。日本文藝家協会会員。大阪音楽大学大学院客員教授。元NASA客員研究員。東大物性研究所、玉川大学、県立宮城大学教授などを経て、2004年から2013年まで鈴鹿短期大学学長。量子論に基づく宇宙創生理論「ゆらぎ」研究の第一人者。NASAのボイジャー計画、“E.T.(地球外生命体)”探査にも関与。また、宇宙研究の成果を平和教育のひとつとして位置づけるリベラル・アーツ教育の実践を行ない、その一環としてピアノ、パイプオルガンを自ら弾いて、全国の学校で特別授業を続けている。主な著書に『宇宙の不思議』(PHP研究所)、『夢みる科学』(玉川大学出版部)、『二十世紀の忘れもの』(松岡正剛との共著/雲母書房)、『「わかる」ことは「かわる」こと』(養老孟司との共著/河出書房新社)、『からだは星からできている』『女性を宇宙は最初につくった』『14歳のための物理学』『14歳のための時間論』(以上春秋社)、『THE ANSWERS すべての答えは宇宙にある!』(マガジンハウス)など。

「2015年 『量子は、不確定性原理のゆりかごで、宇宙の夢をみる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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