- 本 ・本 (183ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569836157
作品紹介・あらすじ
専門の英文学のみならず、思考、日本語論など、さまざまな分野で創造的な仕事を続けてきたことから「知の巨人」とも称される著者のこれまでの著作群から、「無意識を使いこなす」「着想を古典化する」など、発想力を鍛えるためのヒントを集めた初の箴言集。
私自身、広い意味で、エッセイと言ってよい文章を数多く書いてきた。なるべく短く、と心がけて書いたものの、冗長に流れることが少なくなかった。もっと短く、味わいのあるエッセイが書きたいと願いながら、年をとってしまった。いまさら、どうすることもできない。そう思っていたところへ、「発想力や思考力を磨くヒントになるような箴言集を、これまでの著作から抜粋して作らせてほしい」と申し出てきたのがPHP研究所の出版部であった。(中略)本書の短いことばたちが、少しでも読者の役に立てば幸いである。(「はじめに」より)
感想・レビュー・書評
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簡潔は智の真髄と、短く作者の箴言を集めたもの。
【思考力を高める方法】・考えごとは朝にする ・創造的忘却 ・何足ものわらじを履く・雑は純一よりも豊か
【知性を磨く生活】・朝食前の時間を使う ・ブランチを導入する ・シェスタ(昼寝)の効用を認める ・思考に休符を挟む
【思考につながる読書】・散歩するように読む ・そよ風のごとく読む ・読後の余韻を使う
150ある提言のうち11個、書きとめました。まずは起きてすぐの朝ごはんをずらしてみます。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
外山滋比古氏の21の著書から引用された、150の短文で構成されています。
くしくも、「はじめに」で紹介されているイギリスの”簡潔は智の真髄”ということわざがこの書の性格をあらわしています。いちおう7つの章立てになっていますが、どこからよんでもよく、平易な解説を含めてわかりやすいと思います。
目次は次の通りです
はじめに
第1章 発想力を鍛えるヒント
第2章 思考のプロセス
第3章 思考力を高める方法
第4章 知性を磨く性格
第5章 思考につながる読書
第6章 発想が豊かになる”おしゃべり”
第7章 未来を創るヒント
出典一覧 -
上手に忘れて、知識ではなく時間に漉しとられたエッセンスを自分流に使って何かを生み出す。自分の中で高まってくる圧力を大事にする。知識は思考の邪魔をする事がある。散歩
がアイディアを生み出す。なので散歩のような読書をしよう。本に影響を受けすぎないこと。 -
他の本を読みたくなる。
初めて読む外山さんの本がこれだとあまりピンと来ないかも?
とにかく、忘れること、散歩すること、空白の時間を持つこと、談笑することを肝に命じます。(笑) -
「知の巨人」と言える著者の様々な著作から思考のヒントとなる言葉を抜粋した本。
ひとつひとつはとても短い文章ですが中身は濃縮還元された原液のように濃いです。
ひとつひとつの言葉が脳細胞を刺激してくるので読んでいるだけで頭が良くなったような気がしてきます。
大変面白かったです。 -
著者のこれまでの本のキーワード集って感じか。
刺さるものもあれば、刺さらないものもあった。
捨てる知識を選ぼうと考え方もあったので、本の中身全てをインプットせずに、ほどほど共感したり、感銘を受けたものだけ、覚えておいたら十分かな。
ボリュームの少ない本のため、1時間くらいで読み切ってしまえた。
知的を目指す生活というパートが、共感でき実践したいものが多かった。 -
自分の本棚に残しておきたい本だと思った。
今後就職して新しいモノを生み出していく1人として、この本にあった考え方を実践してより良いモノを効率的に生み出していきたい。 -
一昨年お亡くなりになった外山滋比古さんの著作のいいとこどり。名言集です。
昔から彼の本は読んでいるものの、道半ば。亡くなるまでに何冊書いたのか?調べるのも面倒くさくなりました。
さて、本に対する所感ですが、外山滋比古さんの作品をまだ読んでいない方にはオススメしません。
彼の文章は、身近な事例をやさしく書くところにその魅力があります。平易な文章から彼の気付きへ導く。そうすることで、読者が自然に理解できる仕組みです。
本作はその抜粋なので、前置きが当然ながらありません。なので、一見よいフレーズに出会えるのですが、少し消化に悪いのです。
すでに読んだ本の振り返りに。何冊か読んだ後に手を伸ばしてみてはどうでしょうか?
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外山滋比古さんはすごい。この人の著書をもっと読みたくなった。
内容としては、この人の著書のエッセンスを抜き出してカテゴリ毎にまとめたというもの。外山さんの思考プロセスや創造性を高めるためにしていることなどが網羅されている。抽象的なものが多くはあるが。
あと、薄くて読みやすかった。これからも何度も読み返すと思う。 -
知識は有力であり、適当に使えば「力」であるけれども、困ったことに、知識が多くなると、自分で考えることをしなくなる。知識があれば、わざわざ自分で考えるまでもない。知識をかりてものごとを処理、解決できる。知識が豊かであるほど思考力が働かない傾向になる。極端なことを言えば、知識の量に反比例して思考力は低下する、と言ってよいかもしれない。『「マイナス」のプラス』p55
創造的忘却
頭をきれいにする、はたらきやすくすることで、忘却は記憶以上のことをすることができる。知識によって人間は賢くなることができるが、忘れることによって、知識のできない思考を活発にする。その点で、知識以上の力をもっている。これまできらわれてきた忘却に対して、こういう創造的忘却は新忘却と呼ぶことができる。これからますますこの新忘却が大きな力をもつようになるだろう。p78
著者プロフィール
外山滋比古の作品





