- 本 ・本 (230ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569836171
作品紹介・あらすじ
アメリカの心理学会でも話題のポジティブ心理学を、不安遺伝子を多くもつ日本人がどう取り入れるべきかをわかりやすく紹介する一冊。
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
毎日楽しく生きてるか、と聞かれたら自分はなんと答えるだろうか。今日幸せだったか、先週は幸せな1週間かは中々判らないが、これまで生きてきた何十年は総じて幸せ、楽しかったと即答できる。一つ一つ記憶している事は、これも幸せとは逆の辛い思い出の方が良く覚えている。それがかえって今の自分は過去の辛かった自分と比べて幸せと感じられているのかもしれない。だから、今を含んだ過去は幸せに感じられているのだと思う。こうして読み終わってレビューを書きながらたのしかった事幸せだった瞬間を思い出せなくもないのだけれど。
本書はポジティブ心理学について科学的に統計的に記載したものではあるが、読んでいるだけで毎日を幸せに過ごすヒントが大量に含まれている。私は周りからポジティブな人間と思われているけれど、確かに本書に記載される幾つかの考え方や心持ちは普段の私によく当てはまる。長い年月働いてきて多くの部下や協力者と一緒に仕事をさせてもらうと、中にはネガティブな人や悩みを抱えて話をしてくれる人もいる。大抵の場合、私の力ではどうにも状況を改善してあげられない事が多いが、かける言葉は過去や今を後悔したり心配しすぎても変わらない、だけど今から先、明日の未来は自分の力で変えられる事を伝えるようにしている。自分が良くそう考えるからだ。心配事や悩みは自分にももちろん山ほどあるが、出来ないものはできない、病気や怪我が一瞬で治癒することもなく、ただそれを受け入れなんとかなるさ、の気分で過ごすようにはしている。
本書では最後に毎日を幸せに過ごすエクササイズが紹介されており、疲れたり深く考えずに済むような内容だから早速やってみる事を薦めたい。例えば単に前や上を向いて歩くなどは立ち上がれば誰でもできる。1日あった幸せな事(なければ昨日よりもマシだったこと)を3つ思い浮かべるのも、自分に起こった全ての出来事をポジティブに捉えられる様になる。自分の目や耳や口に感謝するなど、これは意識しないと中々感じられないのだが、目があるから美しい景色を眺め、耳から心地よい音楽、美しい自然の旋律を聴き、そして口で美味しいものを食べているのだ。些細な事で良い。全てに価値を幸せを見出せる様になれば、きっと本書を手にしたあなたには素敵な未来が来るのではないだろうか。 -
気になっていてようやく読めた本。ちょっと元気のない今、読んだのもあって星マークは3つにしてしまいましたが、読んでいると元気になる本です。でも元気がない時にはちょっと、ポジティブすぎました。
幸せになるのにもコツがあるというか、ちょっとしたことで人は幸せを感じられるのだなぁ。そして、それが1番幸せな気持ちになりました。
上を向いて歩く、感謝する。すぐにでもできそうなこの2つからまずは実践です。 -
分かりやすい。読みやすい。定期的に読んで自分を見つめ直したい。
-
セリグマンなどのポジティブ心理学のみでなく、日本人向けの幸せの4つの因子が示されていることでより分かりやすかった。レジリエンス、マインドフルネス、フロー、などとも繋がっていると書かれていて、これまでの学びが繋がった気がした。
-
幸せという言葉は、たいていの場合happyと英訳されますが、私は前述したwell-beingという言葉のほうが「幸せ」という意味に近いと考えています。というのは、幸せとは、前述したように短期的な幸せと、長期的な幸せをいずれも含んだものだからです。
セリグマンによれば、楽観的思考をする人の特徴は、良いことがあったときに顕著に表れます。たとえば取り組んでいる仕事がうまくいったとき、楽観的思考の人は、「自分の頑張りが報いられたのだ」と成功の原因を自分のおかげだと思い、「いつでも精一杯やるのが自分の生き方だ」とその原因は継続すると考え、「私は頑張り屋として友人から一目置かれている」と、その良い影響を広く考えます。
一方、悲観的思考の人の特徴は、悪いことが起きたときによく表れます。たとえば取り組んでいた仕事がうまくいかなかったとき、悲観的思考の人は、「自分は口べただから失敗したのだ」と失敗の原因を自分のせいにし、「自分の口べたはすぐには直らない」とその原因は今後もずっと続くと考え、「この口べたのために、仕事だけでなく友人との関係もうまくいかない」と、その原因の悪い影響を広く考えます。
こうしたものごとの捉え方を説明スタイルといい、楽観的説明スタイルと悲観的説明スタイルに分けられます。
楽観的説明スタイルでは、良い出来事が起きたとき、その出来事の原因を内的(自分自身に原因がある)・永続的(これから長く続く)・普遍的(あらゆる場合に作用する)に捉える。悪い出来事が起きたときは、外的・一時的・限定的に捉えます。
悲観的説明スタイルでは、良い出来事が起きたとき、その出来事の原因を外的(他者に原因がある)・一時的・限定的に捉え、悪い出来事が起きたときは、その出来事の原因を自分のせいと考え、内的・永続的・普遍的に捉えます。
「SPARKレジリエンス・プログラム」
・Situation(出来事そのもの)
・Perception(出来事に対する捉え方<七つのオウム>)
・Auto Pilot(自動的に生じてくる感情)
・Reaction(反応・行動)
・Knowledge(捉え方のパターンとそれに伴う感情・行動についての学び)
SPARKレジリエンス・プログラムは、何らかの出来事が起きたとき、人はそれをどのように捉え、どのような感情が湧き、どのような思考パターンに陥るのか、その結果どう行動し、そこから何を学ぶのかを示したものです。
まず、Situationとは、何が起きたのか、事実に目を向け状況を把握することの大切さを表しています。
Perceptionとは、起こった出来事を感情を入れずに受け止め解釈することです。
Auto Pilotとは、直訳すると航空機などの自動運転。ここでは、解釈によって自分の中で どのような感情が自動的に生まれてくるかを把握することを意味します。たとえば自分は人から好かれていないと思っている人だと、会社の上司から「今日はもうこの仕事をやらなくていいよ。こっちでやっておくから」と言われたとき、上司は善意の気持ちからそう言っているのに、「私には頼んでくれないんだ。信用されていない」と状況の解釈が勝手に悪い方向に行ってしまい、落ち込んでしまいます。
その後、自分の捉え方 (Perception)のパターンを認識し、Reactionで捉え方のパターンがどのように行動に影響するのかを理解します。このとき、自分の捉え方のパターンを認識することが大切です。
捉え方のパターンについては、「心に潜む七種類の思い込みオウム」をイメージする方法が紹介されています。
批判オウム:他人を非難しがちで、あいまいな状況を嫌う。ものごとを極端に考える。白黒をはっきりさせたいタイプで、周囲に不満を持ちやすい。
正義オウム:何が公平で正しいかを気にしがち。自分の意見を曲げず、「○○すべきだ」という思想を持っている。
負けオウム:自分と他人を比較し、落ち込むことが多い。比べられること自体を恐れ、人前に出ることにも臆する。
あきらめオウム:自分で状況を変えられると思っておらず、何をするにも「自分にはできない」と決めつける。
心配オウム:将来に対して悲観的で、何かうまくいかないことがあると、すべてがうまくいかないのでは? と心配する。
謝りオウム:問題が起きると、自己関連づけをしてしまいがち。自らを責めた結果、自己評価や自尊心を下げる。
無関心オウム:何事にも「我、関せず」の立場をとる。面倒なことを避けようとするため、自分と周囲の意欲を喪失させる。
この七種類のオウムのうち自分が心の中にどのオウムを飼っているのか、たいていの人は自己判断できるといわれます。オウムを意識することで、Knowledgeではその状況から何を学んだかを理解します。このサイクルを繰り返すことで、自分の考え方に柔軟性を持たせることができたり、次に紹介する四つのレジリエンス・マッスルを鍛えることができます。
四つのレジリエンス・マッスル
・l can(私は○○できる)
・I have(私には友人・知人がいる)
・I like(私は○○が好きだ)
・I am(私は○○である)
I canは過去に自分が経験した困難な状況を思い出して、どのように乗り越えたのが、そのときの体験から学んだことを思い出してみようというものです。
自分が乗り越えたことをたくさん書いていくと、自分はどんな状況においてもうまく遂行できるという自己効力感が高まります。
I haveは、自分の友人や知人の名前、自分のサポーターとなってくれる人、過去に大変お世話になった人をどんどん書き出してみることです。
ひとりで悩んでいるとどんどん落ち込んでいきがちですが、「こんなとき、誰に相談したらいいだろう?」と考えてみて、「あ、あの人に連絡してみよう!この人でもいいかもしれない」と助けてくれる人の名前が次々に出てくると、「自分の助けになってくれる人がこんなにもいる」と実感でき安心感が持てます。
I likeでは、自分の大切な人の写真や楽しかったことを考えます。それだけでワクワクして楽しんでいる自分を感じることができます。元気のない人は「ああ、自分はダメだな」とネガティブなところに注目しがちですが、「I can」「I have」「I like」はどれもポジティブなところに注目するので幸福度が上がります。
I amは、自分の得意なこと、強みを考えてみるというものです。周りの人にも「私の強みは何だと思いますか?」と聞いてみるといいでしょう。すると自分でも気づかなかった自分を発見できます。いろいろな自分の強みを発見することで、自分らしさを感じることができます。
■幸せの因子分析
第一因子:「やってみよう!」因子(自己実現と成長の因子)
第二因子:「ありがとう!」因子(つながりと感謝の因子)
第三因子:「なんとかなる!」因子(前向きと楽観の因子)
第四因子:「ありのままに!」因子(独立とあなたらしさの因子) -
読みやすい、わかりやすい、納得しやすい。目からウロコ的な発見はないかもしれないが、しあわせに生きるためのポイントがまとめられている。意識的に実践していけばきっとポジティブ/しあわせに過ごせる
-
タイトル通りで,ポジティブ心理学の概論というよりもその知見を使って幸せを感じるようにする方法を示す。
幸せの要素を満たす引き出すような商品作り道具作り場所作り。 -
世の中で成功している人たち、リーダーとして脚光を浴びている人たちは皆ポジティブな思考を持たれているイメージがあります。自分自身はどちらかと言うとネガティブな思考を持っている方だと思いますが、この本に書かれている考え方やポジティブになるための具体的な取り組み方を実践することで幸せにつながっていく可能性があるかもと思います。
著者プロフィール
前野隆司の作品





