名作なんか、こわくない

著者 :
  • PHP研究所
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感想 : 59
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569837208

作品紹介・あらすじ

本は女の最大の武器――。若手人気作家を夢中にさせ、今をつくった古今東西の名作を紹介。その魅力を味わい尽くす「読書エッセイ」。

感想・レビュー・書評

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  • エッセイ風の作者のおすすめの本についてのレビュー作品。
    個人的に昔のフランスやイギリスなどの海外作品は読みにくそうだなと偏見が勝手にあったけど、このレビュー本を読むと今まで読んでなかったのがもったいないくらい、色々な名作があったんだなと思った。

     また、著者が勧める作品に出てくる女性はとてもポジティブでたくましい女性が出てくる作品が多く、見ていてこちらも励まされる作品だなと感じました。

  • 柚木さんの読書エッセイ。
    オススメ本と共に柚木さんの人となりが分かって面白かった。
    柚木さんは中学・高校が女子高出身と聴き、どうりで…と納得していたら、後で、周囲の人からよく納得されるとありまたまた大納得。

    そんな柚木さんのオススメ本は女性が主人公の作品が多い。
    しかも世間の常識に囚われない個性的な女性が多いように思った。
    妙に自信満々で世間に対して果敢に挑む「強い」女性達。
    「意地悪、怖いと言われる女性のどこかに私はいつもユーモアや人間味を感じてしまう」と書いておられるように、一般的には避ける人も多い女性同士のドロドロした関係も柚木さんは楽しんでおられる。
    王子様から魔法をかけて貰うのではなく、逆に王子様に魔法をかけてしまう天晴れな女性達。
    私も好きなタイプの女性達で、柚木さんのように爽快感を味わいたくなった。

    所謂古典的な作品なのに、主人公の女性達の悩みやコンプレックスは現代と何ら変わりがないことにも驚いた。
    柚木さんのお陰で今まで手にしていなかった古典文学に興味がわいた。
    正しく表題通り「名作」と怖がっていてはいけない。

    読んでいない人は人生の半分くらい損をしている、とあった柚木さんオススメの有吉佐和子『悪女について』は是非読みたい。

  • 古典文学を読む機会はめっきり減ったものの、こういった古典文学紹介本は大好きだ。
    本書はわかりやすく「フランス文学」「日本文学」「イギリス文学」「アメリカ文学」と国別に章立てて名作を取り上げている。紹介されている作品は、「赤と黒」「嵐が丘」「悪女について」「白鯨」などなど…古今東西の名著がてんこ盛り!正直古典って、興味がないものはあらすじさえ頭に入らなかったりする。時代が違えば立場も違うゆえ、登場人物に共感するところも見当たらない。授業で読めと言われ、嫌々字を追っていた若かりし時代を苦い気持ちで思い出す。
    それなりに歳を重ね、人生経験を積んできたお蔭か、柚月さんのテンポのよい語りのお蔭か、まったくもって興味を持てなかった古典のストーリーの面白さに今更ながら気付く。いくつかは、「読んでみようかな…」という気持ちになっている。そして、柚月さん自身の個人的エピソードもまた面白い。その面白さが作品に興味を呼び起こさせるきっかけとなり、作品のあらすじや本文引用にふむふむとなり、締めの言葉にはっとさせられる。人の心なんて、昔も今も変わらないものだなと気付かされる。
    名作は、たとえよく理解できなくても若いうちにどんどん読むべきと思うが、いい大人になってからでもチャレンジする価値は十分にあると思う。若い頃に読んだものの再読もしてみたくなった。あの頃とはまた違った捉え方ができるかもしれないと思うと、再読も楽しみである。

  • 柚木麻子さんが今まで読んできた「世界名作劇場」。
    正直、読んだことのない名作ばかりで、
    あぁー、私って本当に読書してこなかったんだなぁーと
    改めて思っちゃったよー。

    どれも、柚木麻子さんの作品に繋がるような感じがして、
    「ふむふむ」と読んだよー。
    「嵐が丘」では、読書感想文を書いて教師に注意される
    なんてエピソードもあり、笑えてしまったー。

  • あ~面白かった!
    20代の頃は岩波文庫を読み漁っていたなと懐かしむ。
    そっかフランス文学が私は好きだったのか、と。
    本棚に静かに眠っているその子たちを、また取り出してみようかと思う。

    読んでない日本文学もチェックしつつ、新訳版の「風と共に去りぬ」も読みたいかも。

  • 2018.1.25読了。
    作家柚木麻子さんの世界の名作についてのあれこれ。
    最近出来た言葉なのかはわからないけど「自己紹介乙」という返しの言い方を知っておお〜と腑に落ちたのだ。つまりその人の言葉から出たものがその人をよく表してる。それで、本にしても映画にしてもありとあらゆるものを「つまらなかった」という言葉で終わらせてしまうのは自分自身がこの本(なり何なり)から得る読解力の無さを表明してるようなものかもと。でも言っちゃうけどね。
    それでいうと柚木さんの本の読み方は柚木さんの奥にある読書量やら女友達との豊かな世界やら世の物事の捉え方の明朗さやらを感じた。今後読むかは分からないけどこの本面白そうと知る本もたくさんあった。
    追記。心に残ったトコ。柚木さんが古典文学で好きな所に登場人物が過剰な行動をするというのが挙げられていたこと。

  • 初読

    柚木さんの文学について触れてる文章好き
    女性、女同士についての感覚も好き、というか
    わかるわかるなんだよなー。
    基本的に信頼してるんだよね。女性を。

    「危険な関係」の「怖いと言われる女性のどこかにも私はいつもユーモアや人間味を感じてしまうのかもしれない。いざこざが起きてもその背景にあるものにじっと目を凝らしたくなる。」
    「高慢と偏見」の「どんな時代のどんな人間だって、女の子が自分をねじ曲げて、世界におもねる姿なんて好きではないからかもしれない」

    にグッと来た。
    セレクトも良かった。

  • 柚木麻子さんの世界の名作紹介とエッセイ。

    読んだことがない本ばかりだけれど、そして外国の小説は苦手なんだけど
    (人の名前や地名が覚えられなくて)
    読んでみたくなる本がたくさんありました。

    柚木さんの小説に出てくる主人公は結構キャラが強いんだけれど…
    その中に柚木さんの一部が入っているのかなと勝手に思っていたけれど…
    豊富は読書量や読み方捉え方から成り立ってるのかなと思いました

  • 一言でいうと「大人女子のための恋愛名作感想まとめ本」といった感じです。著者とまるで女子トークをしているかのような心地で、世界の名作についての大まかなあらすじを知れます。私が気になった名作は「放浪記」です。映画や舞台で有名な作品だということは知っていましたが、読んだことはなく。。。「悩みやうだうだをスパッと切り捨て、明るい方向へ向かって力強く踏み出したいあなたに、ぴったりな1冊である」とのこと。ぜひ、読んでみようと思います。
    フランス、日本、イギリス、アメリカの名作文学が合計57冊紹介されています。恋愛もの小説が好きな方は、きっと気になる名作に出会えると思います。

  • 著者による初のエッセイ集。

    アニメ番組「世界名作劇場」のようにゆっくりとした展開で名作を紐解いていきたい……そんな思いに駆られた著者が、古今東西の文学を読み解き、その魅力とそのお話にまつわる思い出を綴ったとのこと。

    読んだ人も、これから読む人も、読むつもりがない人も、みんなが楽しめる名作案内ってことで、まーた読みたい本が増えちゃったらどうしよう!!と思っていたんだけど、さすが名作文学揃い!まるで紹介された本を読みたくならなかった、というある意味すごい1冊ですwww

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著者プロフィール

1981年生まれ。大学を卒業したあと、お菓子をつくる会社で働きながら、小説を書きはじめる。2008年に「フォーゲットミー、ノットブルー」でオール讀物新人賞を受賞してデビュー。以後、女性同士の友情や関係性をテーマにした作品を書きつづける。2015年『ナイルパーチの女子会』で山本周五郎賞と、高校生が選ぶ高校生直木賞を受賞。ほかの小説に、「ランチのアッコちゃん」シリーズ(双葉文庫)、『本屋さんのダイアナ』『BUTTER』(どちらも新潮文庫)、『らんたん』(小学館)など。エッセイに『とりあえずお湯わかせ』(NHK出版)など。本書がはじめての児童小説。

「2023年 『マリはすてきじゃない魔女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

柚木麻子の作品

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