入門 ビットコインとブロックチェーン (PHPビジネス新書)

著者 : 野口悠紀雄
  • PHP研究所 (2017年12月20日発売)
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  • レビュー :7
  • Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569837307

作品紹介

ビットコインの基幹技術に留まらず、世界を変える力を持つというブロックチェーン。その仕組みを著名な著者がQ&A形式で明快に解説!

入門 ビットコインとブロックチェーン (PHPビジネス新書)の感想・レビュー・書評

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  • 昨年(2017)後半から仮想通貨及び、それを構成している技術である「ブロックチェーン」に興味を持ち始め、関連書籍を読んでいます。

    何人かの解説本を読みましたが、数十年前に「1940年体制」という本を読んで、目から鱗が落ちた、野口氏も書かれているのですね。私よりもはるかにご高齢なのにもかかわらず、素人にもよく理解できる内容で助かっています。

    この本は入門書の位置づけなので、巷に出回っている仮想通貨に関連する専門用語をはじめ、仮想通貨が及ぼすことになるシェアリングエコノミーについての解説までなされています。ためになった一冊でした。

    以下は気になったポイントです。

    ・ビットコインの時価総額は2017年11月上旬に、約14兆円となった、1年間で約14倍になっている。日本の通貨である日本銀行券の残高は100兆円以上。世界全体で見れば、仮想通貨はごく一部の比重である(p37)

    ・エセリウムやリップルなどは、ビットコインの単なるクローンではなく、新しい機構と機能を持つという意味で、ビットコイン2.0と呼ばれる(p40)

    ・普通の人が日銀券を受け入れるは、他の人が受け入れると思うから。現代社会の管理通貨は、他の人が貨幣だと思うから貨幣になっている(p45)

    ・フィンテックの分野として、1)送金(ウェブ、スマートフォン)、2)貸付、3)保険、4)AIによる投資コンサルティング、がある(p53)

    ・アメリカでは、ITのスタートアップ企業が破壊的革新者(ディスラプター)となって、既存の金融機関の仕事を奪おうとしているが、日本では銀行がスタートアップ企業を買収して取り入れてしまっている(p54)

    ・マイクロペイメントチャネル、ライトニングネットワークという仕組みを使うと、取引相手を信用する必要がなく、第三者の仲介を経ずに、安全で低手数料の送金ができる。これにより、少額高頻度取引が可能となる(p66)

    ・2017.7.1以降、仮想通貨の取引にかかわる消費税は非課税となった、送金相手がビットコインを受け入れる限り、低いコストで365日24時間送金できる(p71)

    ・銀行にとって大きな収益源である送金サービスは、潜在的には不要なサービスになるので、銀行が独自の仮想通貨を導入せざるを得ないのは当然である、日本政府が2016.3に閣議決定で仮想通貨を通貨と認めることにしたのも大きい(p74、99)

    ・ドルとの価値を一定に保つような仮想通貨が日本国内で発行されれば、日本国内にドル経済圏が生じたのと同じことになり、日本の金融政策には大きな圧力が加わる。円の価値を低下させようとすれば、円から資金が流出して、ドル仮想通貨に流れ込むことになる(p108)

    ・インターネットで経済的な価値を送るために必要な条件として、1)銀行のような管理者が存在しなくとも取引記録を信頼できる、2)記録された情報が改ざんできない(p146)

    ・ICOはインターネットで行うクラウドファンディングの一種、ブロックチェーンを用いているので、コストを著しく低下させることができる、IPOのコストの10分の1程度であろう(p165)

    ・ウーバーの良いところは、1)混雑時などに料金を引き上げられる、2)利用者がタクシーの運転手のサービスを評価できる(p189)

    ・日本では、タクシーは道路運送法により、旅館は、旅館業法があり、事業として部屋を貸すには制約がある(p196)

    ・消費者保護を名目として行われてきた規則は、実態的には既得権益を保護するものとなっている、規制が新しい技術の導入を阻んでいる(p198)

    ・LaZooというイスラエルでのプロジェクトによれば、ブロックチェーンを用いたサービスでライドシェアリングを行っている。空席がある車を持っている人と、同方向へ移動する人のニーズをマッチングして、空席を提供して輸送の無駄をなくす分散型のサービス、支払いはサービス提供者と利用者の間で、独自の電子通貨Zoozを使って行われる(p204)

    ・自動車の自動運転は2020年頃に実用になりそうだが、車が自動で走り客を乗せて運賃を受け取り、給油をしてガソリンスタンドへの支払いも行う。これらはすべてブロックチェーンに記録される(p221)

    ・組織の4形態として、労働者の有無・経営者の有無により、4つに分類される。現在は、両者がいるケース。労働者がいなくて経営者がいるのが、ロボットを使う会社、労働者がいて経営者がいないのが、DAO(分散自律型組織)、両方ともいないのが、AIとブロックチェーンによる完全自動会社である(p239)

    ・ロボット化とは、1)労働者の仕事の自動化、2)工場のオートメーション化、3)銀行窓口をATM、ブロックチェーンの利用とは、1)管理者の仕事の自動化、2)ルーチンワークをブロックチェーンで自動化、3)DAO(分散自律型組織)(p239)

    ・AIやブロックチェーンがあるからこそ、人間はより人間らしい仕事ができる。コンピュータが得意な仕事はAIやブロックチェーンに任せて、人間は人間にしかできない仕事をする。そのような世界が実現数rことが期待される(p244)

    2018年1月2日作成

  • ビットコインとブロックチェーンについて正しく理解し、どのように社会が変化して、どうその波に乗ったらいいのかヒントになればと思って読んだ。
    概要は何となく分かった気がした。
    それにしても、この著者は1940年生まれというから2018年現在78歳。それなのに新しい技術にこれほど知見があるというのは驚きでしかない。

  • ビットコインというと、投機対象のことばかりが取りざたされていますが、そうではないことが良く分かります。
    ブロックチェーンの仕組みはまさに革命です。
    インターネットでは出来なかった取引が、可能になります。
    世の中を大きく変えてしまう仕組みです。
    難解な部分もありましたが、全体的に分かりやすく、入門書としては最適です。

  • 入門書にして決定版
    表示に偽りなしですね。
    わかりやすく深く書いてあります

    僕が昔から漠然と思っていた
    国民全員が日銀の口座を持ったらどうなるやろ
    って仮想が現実になるかもしれません。
    これは送金手数料がゼロに近いというテクニカルな裏付けとセットになるのかもしれませんが日本銀行券だけでなく仮想通貨を日銀が発行する未来が現実化すればかなりインパクトは大きいと思います。

    とにかくここ数年の技術の進歩は早すぎるσ^_^;
    正直ついて行くので精一杯ですorz

  • これからの時代こういったことがある沢起きて、また時代が変わっていくのだと思います。

  • 2018年2冊目。

    なんとなく分かるようでピンと来ていなかった分野なので、最初の一冊目に。
    Q&A方式になっていて、各項目が短くまとまっている。
    用語の説明がもう少しあるとありがたかったけど、見るべき視点にどんなものがあるかがざっとわかった。
    分散型管理によって情報の改ざんがほぼ不可能になるブロックチェーンの技術によって、
    ・中央集権的な管理者が不要になる
    ・中央によるリスク管理のコストが減り、従来の送金サービス等より手数料が激減する
    ・決済の低コスト化や信頼の必要性の低下によって、P2Pの小規模取引が容易になる
    などが起こるよう。
    逆に、管理者不在により、トラブル発生時の責任者が曖昧で、被害者の救済措置の面で法律が追いついていない印象。
    具体例の部分をもうちょっと実感したいので、さらに深堀してみたいと思う。

  • 仮想通貨取引に興味があるため、入門書として最適かと考え購入。
    ビットコインをはじめとした仮想通貨の基礎の基礎は説明されているものの、中盤からは幅広くフィンテックについての説明に終始しており、自身の目的には合致していなかった。

    仕組み的な部分を知っていることは重要だが、 取引において知っておくべき知識や着眼点などをもっと知りたいと感じた。

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