引き抜き屋(1) 鹿子小穂の冒険

著者 :
  • PHP研究所
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感想 : 64
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  • Amazon.co.jp ・本 (353ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569837413

作品紹介・あらすじ

社長交替の背後にヘッドハンターあり。ビジネス界の「かけひき」や「裏切り」をテーマに一人の女性の奮闘と成長を描くスリリングな物語。

感想・レビュー・書評

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  • 昨年雫井作品が出なかったので「あれっ」って思ってたのですが、長編が出てきましたね。何巻まで出るんだろ?
    面白く、一気に2巻突入です。

  • フォーンという、創業一族経営のアウトドアメーカーの令嬢である鹿子小穂が、ヘッドハンティングによって中途できた取締役に会社を追い出されて、ひょんなことからヘッドハンターになる話。

    順風満帆だと思っていた会社の内部から裏切られ、再起をはかる様がとても力強く、元気になるストーリー構成だった。

  • この作者のミステリーが好きだったのでビジネスものはどうだろう思いながら読んだが、テーマもストーリーもかなりの面白さだった。ハードカバーの上下巻なので読み応えもあり、下巻にも期待。

  • ヘッドハンターの物語

    いわゆるお仕事小説の分類になるかと思います。
    主人公がヘッドハンターに転職した若い元女性役員という設定で、ヘッドハンターの世界をうまく読者に説明されるので、業界を知らなくても安心して読めました。
    転職は普通転職組のほうが不利なのですが、ヘッドハンティングは売手市場ということなのでしょうね。
    中間管理職の自分はヘッドハンターの対象ではないかと思うと、ちょっと寂しいです。
    続編も同時発売されていて、副題からは主人公が元の会社に戻るのかと思われますが、楽しみです。

  • 2018年36冊目。ヘッドハンターとかいまいちそそらないな、と思っていたのを正式に謝罪したいぐらいハマりました。主人公のキャラクターがわかりやすいから、悔しさや哀しさ、喜びや感動がダイレクトに伝わってきて、その度に心動かされる。

  •  引き抜き屋を扱ったお仕事小説。「引き抜き屋の代理」「 〃 微笑」「 〃 冒険」の3章構成。  

     雫井作品は硬軟の幅が広い。
     本作は第1章の読み始めがどろどろした権力闘争中心のハードな作りだったが、並木登場からコミカルなシーンが適度に入った、軟寄りで軽めのテイストだとわかった。

     そこそこのお嬢様の成長物語で楽しめる。

  • 会社を潰すのはヘッドハンターか!?
    父が創業したアウトドア用品メーカーに勤める鹿子小穂(かのこ・さほ)は、創業者一族ということもあり、若くして本部長、取締役となった。
    しかし父がヘッドハンターを介して招聘した大槻(おおつき)と意見が合わず、取締役会での評決を機に、会社を追い出されてしまう。
    そんな小穂を拾ったのが、奇しくもヘッドハンティング会社の経営者の並木(なみき)で……。
    新米ヘッドハンターとして新たな一歩を踏み出した小穂は、プロ経営者らに接触し、彼らに次の就職先を斡旋する仕事のなかで、経営とは、仕事とは何か、そして人情の機微を学んでいく――。

  • 引き抜き屋ー今の言葉で言えば、ヘッドハンターとして、はからずも働く事となった女性の話。

    主人公はアウトドア製品を扱う会社の令嬢。
    彼女は取締役として父親の会社で働いていたが、ヘッドハンティングされて会社にきた役員と折り合いが悪く、武者修行の名目で会社を出されてしまう。
    そして、父親の伝手で引き抜き屋として働く事に。
    最初に彼女が担当した案件は、有名なアパレル会社で働く女性とカーテン・カーペットメーカーの人事担当者を引き合わせる仕事。
    ろくな仕事のノウハウもないまま、最初の仕事をした彼女はその後も、新店舗を出すホテル業の社長と自身の店舗をいくつも持つレストラン経営者、経営不振のスポーツ用品会社と大胆なリストラをしてきた男性の仲を取り持つ仕事をして、引き抜き屋の仕事が面白いと思うようになる。

    引き抜き屋なんて古臭い言葉だけど、この本ではヘッドハンターというよりもこの言葉の方がしっくりきてると思う。
    この本の中でも語られるように、ヘッドハンターというと、何となく外資系の会社のイメージ、スマートでかっこいいイメージだけど、実際は「お見合いおばさん」のような仕事。
    人と企業とを結びつける。
    それは最初は自分の人脈から始まって、そこから少しずつ、人の縁で人脈を広げていく。
    そして、自身の人を見る目を磨くという事にかかっている。
    それは単に優秀な人材をあてがえばいいというものでなく、企業や経営者の求める者を見抜く眼が必要とされる。
    割と泥臭い仕事なんだな・・・と思ったし、そこから見えてくる人間関係やそれぞれの思惑や事情も人間くさい。
    その人物の学歴や経歴といった字面だけでは決して見えない、その人の裏の一面が見えてくるというのも良かった。

    私はこういった企業小説のような社会派の小説が苦手であまり読まないけど、これは引き抜き屋という仕事を通して一人の女性の成長姿を描いており、引き抜き屋という仕事自体も読めば読むほど興味深いもので、それなりに面白く読めた。
    書いてある事が興味深いのもあるけど、文章の力も大きいと思う。
    読みやすく、登場人物たちもさりげなくキャラが立っている。
    この本、このままテレビドラマになりそう。
    やはり、書く人によっては、私のようにこんな小説が苦手な人間にも読めるんだなぁ・・・と感心した。

  • 鹿子小穂は父が創業したアウトドア用品メーカーで、若くして取締役となる。ヘッドハンティングした別の取締役と対立し、会社を追われることに。途方にくれていた彼女だが、偶然出合ったヘッドハンティング会社社長の並木の下でヘッドハンターになることに・・・
    ヘッドハンターという職業という舞台で描くが、もともとPart2と同時発売ということもあり、いずれ元に戻るのだろうと。多少雰囲気は違うが、リストラ請負人の「君たちに明日はない」(垣根涼介)シリーズを思い出した。

  • ヘッドハンティングのお仕事小説。仕事は人生で結構な時間を費やすものなのでドラマがある。
    リストラ屋さんの話が印象的でした。本当の責任感って何だろう。
    連作短編集の形をとりながら諸々伏線もあるので、2も楽しみ。読み味は軽めで読みやすい。
    成長したサホが古巣にどう絡むのかが描かれるかなー?

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著者プロフィール

1968年愛知県生まれ。専修大学文学部卒。2000年、第4回新潮ミステリー倶楽部賞受賞作『栄光一途』で小説家デビュー。04年に刊行した『犯人に告ぐ』で第7回大藪春彦賞を受賞。他の作品に、『火の粉』『クローズド・ノート』『ビター・ブラッド』『殺気!』『つばさものがたり』『銀色の絆』『途中の一歩』『仮面同窓会』『検察側の罪人』『引き抜き屋1 鹿子小穂の冒険』『引き抜き屋2 鹿子小穂の帰還』『犯人に告ぐ2 闇の蜃気楼』『犯人に告ぐ3 紅の影』『望み』などがある。

「2021年 『霧をはらう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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