- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569840741
作品紹介・あらすじ
田舎町の本屋と、ある書店員の身に起こった奇跡を描き、全国書店員の共感を集め、2017年本屋大賞5位になった『桜風堂ものがたり』。その続編の登場です!
郊外の桜野町にある桜風堂書店を託され、昔の仲間たちとともに『四月の魚』をヒット作に導いた月原一整。しかし地方の小さな書店であるだけに、人気作の配本がない、出版の営業も相手にしてくれない、という困難を抱えることになる。そんな折、昔在籍していた銀河堂書店のオーナーから呼び出される。そのオーナーが持ちかけた意外な提案とは。そして一整がその誠実な仕事によって築き上げてきた人と人とのつながりが新たな展開を呼び、そして桜野町に住む桜風堂書店を愛する人たちが集い、冬の「星祭り」の日に、ふたたび優しい奇跡を巻き起こす。
今回も涙は流れるかもしれません。しかし、やはり悲しい涙ではありません!
感想・レビュー・書評
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桜風堂ものがたりの続編。一整をはじめまわりの人たちを応援したくなるようなお話でした。村山さんの作品は、文章がキレイで毎回すごいなぁと思ってしまいます。読み終わったあとの爽快感がなんとも言えません。
この物語は、これで完結らしいですが一整と苑絵のその後も気になります。
この物語に出てくる百貨店のお話、百貨の魔法も是非読みたいと思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
『桜風堂ものがたり』は2017年本屋大賞第5位になった作品。
百貨店内の書店である「銀河堂」の書店員だった月原一整。
人づきあいが苦手な彼だったが、埋もれている名作を見つけ出す「宝探しの月村」とも呼ばれ、書店員仲間の信頼は厚かった。
ところが、店内で起こった万引き事件の責任を取り、店を辞める。
傷心の彼を迎えてくれたのが桜野町の「桜風堂」の老主人だった。
街の小さな書店「桜風堂」で一整が見出した一冊が奇跡を起こす。
『桜風堂ものがたり』は好きな本だったので、続編『星をつなぐ手』を手にした。
「桜風堂」書店を託された一整。
しかし、小さな地方の書店では、人気作の配本もなく…
そんな一整を支えてくれたのは、「銀河堂」の仲間やオーナー。
誠実な彼の人となりが再び奇跡を起こす。
『星をつなぐ手』は一整を支える人々を描いている。
たくさんの人の話を少しずつ…
一整の話を期待していた私には、ちょっと残念だったかな…
最近、”書店”や”本”を描いた小説が多いように思う。
読むたびに、書店や本にかかわる人々の大変さが身に沁みる…
この本で知ったこと
小さな書店には新刊が行き渡らないということは、珍しい話ではない。
一冊でもいいから欲しい、と切望する小さな店には、その一冊すら入ってこない。
中小の書店で、あまり売り上げが良くなく、新刊が配本されないような書店でも、
事前に、できれば早いうちに、客から注文が入れば、予約することができる。
欲しい本が、無事に発売日に入荷するそうだ。
客注といって、お客様からの注文は、それだけ強いのだ。
本の流通の仕組みは良くわからない。
ただ、書店で注文すると長く待たなければならない。
私は最長、2週間、待った経験がある。
そんな記憶から、欲しい本がネットでは翌日に届くのに…
と、思っていたけれど…
街の本屋さんが消えていくのは、本当に悲しい。
私には絶対に購入すると決めている作家さんがいるので、そんなときは「客注」という手があったのか!
と、思ったけれど…
私が2年前に引っ越してきたこの街には、すでに街の小さな本屋さんはなかった。
一度、消えてしまった小さな本屋さんは二度と戻らない…
切ない現実。 -
地方の小さな書店・桜風堂で働く一整。人気作の配本がないとか店の運営を悩む。そんな中、近所の人々の助けや、以前務めていた銀河堂のオーナーからあることを提案され…。この物語は本、本屋が好きな人向けかな。本屋愛が伝わってくる。そして、おとぎ話というかメルヘン、夢いっぱいの本でした。一整が始まりだけれど、桜風堂を取り巻く人の、その人たちの思いの本かな。これで桜風堂のお話が終わってしまうのは残念。そして、自分自身も思い出すけれど、小さい頃の本屋さんは好奇心がいっぱいの不思議なところ。そういう思いはいまの子供にも残したいと切に思う、身近な存在、町の本屋さん生き残って欲しいですね。
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前作「桜風堂ものがたり」の続編。
あ~大まかな内容は覚えてるけど、もう細かい所は忘れてしまった・・・
でもでも本当に優しい内容。
星野百貨店もそうだし、銀河堂書店もそこのオーナーも素敵な人ばかり。
苑絵と渚沙の出会いもいいし、そっと渚沙を見守る蓬野さんも素敵。
最後はサイン会でみんなの気持ちが1つになって、小さな町も小さな本屋さんも、み~~んな幸せになったって感じです。 -
『桜風堂ものがたり』の続編。前作よりもストーリーが明るく、とんとん拍子に話が進んでゆく印象。非現実的ともいえるけれど、そこがこの作品の良さなのだと思う。
前作と比べて、様々な読み手の姿を描いているように感じた。本を愛する人たちに焦点を当てて、その一人ひとりの物語を紡いでできたような作品だった。
もちろん、作品の芯には書店の未来への憂いと、まだまだ戦えるのだという希望が詰まっている。本を売るために試行錯誤し、仕掛けていく書店があり、それに応える読者がいる。
ネットやデジタル化によって煽りを受けている書店や書物であるが、逆にネットの力をうまく利用して本を売るということもできるのだと思った。
こうして感想をつらつら述べることも、もしかしたら作品を手に取る人を増やしているのかもしれないと思うと、少し嬉しくなる(私自身ブク友の方々の読んだ本を手にすることもあるし、ないとはいえないよね!)。
次は『百貨の神様』かなぁ。繋がっている世界の作品って、読みたくなる。ずるずると村山さんのワールドに引き込まれていく自分がいて、わくわくする。 -
読んだ後、温かくてほわほわした気持ちになった。
そしてそのまま表紙を見ると、すぐにラストを思い出してキュンとする。
文庫よりこっちの絵のほうが好き。
これで完結とのことだが、これでいいような気もするし、後日談が読みたいような気もする…
(船長を託した謎の男性とか、町長の家系の話とかちょっとしたこぼれ話みたいなのも読みたいわぁ)
二巻目は主人公の一整より、女性陣の話が印象的だった。
一整の棚ぼた話→苑絵が殻を破り始めた話→渚沙の過去と今の話→星祭り
で、合間に漫画家の卵の話
一整のために絵を描く勇気を出した苑絵。
一歩踏み出した彼女の内面が少しづつ変わって、夢も具体的な形になりつつある。
本人は悩んでるつもりなのかもしれないけど、前に比べたらかなり前向きなくよくよ(?)さだと思う(笑)。
どちらかというと渚沙のほうが分かりにくい分、何だか痛々しい。
明るく機知に富む強い女性は、父が不倫の末に自分達を捨てたという辛い現実から、自分と母を守って立ち上がろうとして生み出されたものだった。
私は誰かの大切なものを奪うことはしない、苑絵を守りたい、罪滅ぼしに守らなくちゃいけない、何かを犠牲にしないと幸せは手に入らない…そんな無意識が渚沙の中にあって、甘えることができなくなっちゃったんだね。
でも渚沙の話があるから、この本自体に刺激と読みごたえが生まれて、一整と苑絵の仲も進む。。
渚沙は一整や苑絵の持つ、自然体で周りを惹き付け魅力にどこかかなわないと思ってる。
(自分は努力してセルフプロデュースで身につけたもので、そういった才能は無いと感じてる)
でもそうやって傷ついても強くあろうとする姿が、彼の心を打ったのかなぁ。
彼女が甘えられるくらいのデカイ器を持ってる彼が、大型犬ばりに渚沙にじゃれ付いて、素敵な関係を築く。…という妄想が止まらない(笑)
あと、あとがきに表紙を書いた人の名前を出してくれてありがたい。ラノベとかは著者と絵担当でそれぞれ載せてくれるけど、普通の書き下ろしだと、かわいい絵!素敵なデザイン!と思っても取っ掛かりがなくて、他の作品を探しにくいんだもの。 -
「桜風堂物語」の続編。
本を愛する人たちが起こす奇跡。現実はこんなにうまくいくことはないと思うけど、読んでいて幸せな気持ちになれた。
家の近くにあった子どもの本専門店を思い出す。絵本、児童書が大好きなご主人と奥様、そしてカリスマ店員さんがいて、家族で足繁く通ったものだった。作家さんの講演会やサイン会、コンサート、原画展、クラフト教室などなど色々なイベントも開催してくれた。私自身、店内で読み聞かせをさせていただいていた時期もある。閉店することを聞いた時には涙が出た。桜風堂書店のような奇跡が起きたらよかったのになぁ。 -
続編とは知らずに先に読んでしまった。
色んな登場人物にスポット当て過ぎて、
肝心の桜風堂書店について、サラッと触れるくらいなのが残念。
オールハッピーなのは良いけれど、出来過ぎな感じがした。
けれど、書店を取り巻く現実は伝わってきた。
それに書店員はただ本を店頭に並べる仕事ではなく、本のプロなんだな。
本が好きと言うより、書店愛を推している気がするけど、現実的に書店が置かれる厳しい現実を知る切欠となって良かった。
基本図書館からしか本を借りないが、気に入った本を今度買いに行こうかな。
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桜風堂ものがたりの続編。
桜風堂書店の一整をはじめ、桜野町の人々や、風早にある銀河堂書店や星野百貨店の人々が、一丸となって、物事が進んでいく感じ。
今の書店業界の現状や話題がもりだくさん。
頑張っている人たちを神様はどこかで必ず見ていてくれているんだなと感じさせられる。
一整くんと苑絵さん、ふたりを取り巻く人々の気持ち。
これで終わりのようですが、二人がお互いの気持ちを理解した上で、桜風堂で一緒に働いていく姿も見てみたかったかな。
著者プロフィール
村山早紀の作品






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