世界史を大きく動かした植物

著者 :
  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569840857

作品紹介・あらすじ

一粒の麦から文明が生まれ、アヘン戦争は「茶」から始まり、大国アメリカはジャガイモが作った。植物という新視点から世界史を読む。

感想・レビュー・書評

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  • 私たちは、植物の手の平のうえで踊らされているのかもしれないー(扉表紙裏より)

    人類の歴史は、自分や共同体の人々が如何に生き残るか、その知恵の出し合いと攻防の歴史である。そこには、当然食物である植物は大きく関与せざるを得ない。常に植物の見えざる意志によって、人類が翻弄されてきたのは確かだったとは思う。

    しかし、もちろん人類史の契機は食物だけで説明はできない。歴史を作ったのは、植物だと理解するのは間違いだと思う。歴史学者ではなく植物学者の稲垣氏の歴史記述は、大袈裟な部分があるので注意が必要だ。例えば「チャの輸出が外貨を得て、日本は近代化の道を進んでいくのである」(143p)

    閑話休題。以下クイズに出そうなトリビア情報を箇条書きしていく。特に日本関係を中心にした私的覚書です。無視してください。
    ・イネ科の植物がケイ素(ガラスの原料にもなるような物質)を体内に蓄えるようになったのは、600万年前。これによって、草食動物の多くが絶滅したと考えられている。
    ・2万年前から1万年前に気候が変化して、乾燥化や寒冷化が始まった。草原は食べ物が少ない。だからこそ、農業が発展した。最初は、イネ科を食用にする動物の家畜化。やがて非脱粒性のヒトツブコムギが炭水化物を種子に蓄えることで農業が始まり、富も蓄積され始めた。
    ・農業の魔力によって、人類は人類となっていくのである。
    ・戦国時代の日本は、同じ島国のイギリスと比べて、すでに6倍もの人口を擁していた。それを支えたのが「田んぼ」というシステムと「イネ」という作物である。
    ・東南アジアでは、イネは数ある作物の一つだが、日本では主食。
    ・15世紀ヨーロッパでは、コムギは種子に対して3ー5倍の収穫、17世紀の日本では、種子に対して20ー30倍の収穫。現代でも、コムギは20倍、イネは110-140倍もの収穫がある。
    ・イネの栄養は、タンパク質、ミネラル、ビタミンも含む。不足はアミノ酸リジン。それを多く含むのが大豆。味噌汁とご飯で日本人は完全食を食べれた。コムギはタンパク質が不足するので、肉類が必要で、主食にならなかった。イネは日本のモンスーン気候にも合っていた。 
    ・大航海時代にポルトガルは東回りで、アフリカ、インドへ、スペインは西回りでアメリカ、インドへ到達する。そうやって手に入れたかったのがコショウである。しかし、産業革命で蒸気船ができるとコショウの価格は下落する。
    ・1492年、スペインのコロンブスはアメリカのトウガラシをコショウと言い張るために、レッドペッパーとしたが、味も種類も全く違いもの。トウガラシはヨーロッパに受けいられなかったが、1500年にブラジルに到達したポルトガルは、船乗りのビタミンCに必要で、かつ害虫の繁殖を防ぎ、食材や料理の保存に便利で、食欲亢進にもなることでアフリカ・アジアに輸出。受け入れられた。
    ・人間の味覚は生存するための手段。苦味は毒の識別、酸味は腐った物の識別、甘味は果実の熟度の識別、しかし、人間の舌には辛味を感じる部分がない。カプサイシンは舌を強く刺激して、痛覚が辛さと勘違いする。カプサイシンを早く消化・分解させるために胃腸が活性化、様々な機能が活性化して、血液の流れは早くなり、発汗もする。更には痛みを和らげるために陶酔感さえ覚える。←辛さを感じる人に個人差かあるのは、こういう仕組みだったのか!
    ・赤い果実は動物にとって甘いのが常識。しかしトウガラシは、辛味によってカプサイシンを感じる受容体がない鳥だけを、種子を運んでもらうパートナーに選んだ。
    ・16世紀初めにポルトガルは中国経由でトウガラシを日本に輸入、よって唐辛子と書く。ジャガイモはジャガタラ芋、つまりインドネシアのジャカルタ経由。サツマイモは、元は中米原産。九州では中国経由で唐芋と呼び、日本全国へ薩摩経由で薩摩芋になった。トウモロコシも南米原産だが、中国経由で唐もろこし又はナンバン、カボチャはアメリカ大陸原産で南京。トウガラシは鮮度を重視する日本ではあまり広まらなかった。加藤清正経由で日本から渡ったトウガラシが韓国で広まったのは、当時は元の支配下で肉食だったから。
    ・種芋から増えるジャガイモは悪魔の食物と呼ばれたが、飢饉対策として、王室は栽培を広めるために努力した。イギリスは葉や茎を使って料理してエリザベス一世をソラニン中毒にして失敗、ドイツフリードリヒ二世は成功、ドイツにジャガイモが広まる。フランスで広めたのは、ルイ十六世とマリー・アントワネット。
    ・日本ではジャガイモはサツマイモやカボチャと同じ時期に輸入、しかし味が甘くなくて広まらなかった。広まるのは肉食(カレー、シチュー)と合う明治時代。
    ・カレー粉を発明したのはイギリス海軍、船の揺れに対応した。コメを食べるベンガルに駐在していたので、カレーライスを作った。シチューも同時に作り、これに航海食として欠かせなかったジャガイモを入れた。日本は1920年に日英同盟が結ばれると、イギリス海軍に見習いカレーライスを作る。更には砂糖と醤油を入れて、肉じゃがも作り、家庭に広めた。
    ・トマト、ジャガイモ、トウガラシはアメリカのアンデス山脈周辺原産で、コロンブス以後(16世紀)ヨーロッパに渡った。しかし、トマトだけは200年食用とされなかった。その時ナポリ王国(後のイタリア)だけは、安いトマトをスパゲティソースやピザソースとして使って(17世紀)やっとヨーロッパに広まった(ナポリタン)。そのあと、アメリカがトマトケチャップを作り、フライドポテト、ハンバーガー、オムレツに使った。
    ・ワタのおかげでアメリカは経済的に豊かになった。そしてワタのおかげで多くの黒人奴隷たちが犠牲になったのである。
    ・ワタは塩害に強く、江戸時代の干拓地(豊田、今治市、倉敷市、北九州市)で広まった。車産業、タオル、ジーンズ、工業地帯の基になった。
    ・薬としては、抹茶飲み方が優れている。宋代に日本僧侶(栄西)が伝えて、茶道になる。中国ではそのあと抹茶が廃れる。「茶」は中国「チャー」日本「チャ」ヒンディー語・モンゴル語・ロシア語・ペルシア語「チャイ」福建省「テ」ヨーロッパ「ティー」。ヨーロッパ紅茶ブームが米独立戦争を引き起こす。緑茶と紅茶は同じチャという植物から作られる。チャは抗菌成分を含むので、忙しい工場労働者が沸騰しない水で淹れて飲んでも赤痢菌などにかかる心配がなく、産業革命時に広まる。
    ・ソメイヨシノは吉野の桜という意味ではない。「染井村で作られた吉野の桜」という意味である。吉野ブランドを利用された、吉野とは関係ない桜だった。明治時代に命名。散る桜に美を見出したのは、明治以降。本居宣長の桜(敷島の大和心を人ととはば朝日に匂う山桜花)は、大和心を散る桜に求めたのではなく、美しく咲く桜を歌ったものだ。桜が一斉に咲き散るのは、桜が時期を知るのではなく、クローン桜だから。

  • フォローアーの方がレビューしてらっしゃるのを拝見して、「読んでみたいけど、分厚くて難しい本なのだろうな」と思い敬遠していたら、他のフォローアーの方が次々とレビューされていて「200ページくらいで、図書館で借りられる」と書いてくださった方がいらしたので、読んでみました。
    ただ、皆さん素晴らしいレビューばかりなので、すいませんが私は図書館に返却する前に抜粋をさせていただきます。

    はじめに

    人類の影には、常に植物の姿があった。
    人口が増えれば、大量の作物が必要となる。作物の栽培は、食糧と富を生み出し、やがては国を生み出し、そこから大国を作りだした。富を奪い合って人々は争い合い、植物は戦争の引き金となった。兵士たちが戦い続けるためにも食べ物がいる。植物を制したものが、世界の制覇を獲得していった。植物がなければ人々は飢え、人々は植物を求めて彷徨った。そして国は栄え、国は亡び、植物によって人々は幸福になり、植物によって不幸になった。
    歴史は、人々の営みによって紡がれてきた。しかし、人々の営みには植物は欠くことができない。人類の歴史の影には、常に植物の存在があった。

    以上。

    世界で生産されている量は、多いものから。
    1トウモロコシ
    2コムギ
    3イネ
    4ジャガイモ
    5ダイズ
    6トマト   だそうです。

    特に面白かったのは、私はコショウ、ジャガイモ、チャ、サトウキビ。

    世界の歴史とのつながりが面白いのと、自分がお茶を飲むのが好きなので。
    巻末に参考文献がも載っているので、他の植物と歴史の関連の本も読んでみたいです。

  • タイトルに「植物」と入っていると思わず手に取ってしまう。
    それに何といっても稲垣栄洋さんだもの。
    「なぜ仏像はハスの花の上に座っているのか」が大変面白かったので、さっそく読んでみることに。もう期待のはるか上を行く面白さで、蘊蓄も盛りだくさん。
    著者の簡潔にして明快な文章で、学校で習う世界史などより数段興味深く読める。
    私たち人間は様々な植物を栽培し利用してきた・・と思っているのは人間側の都合で、実は植物に支配されているだけで、植物の歴史がそのまま人間の歴史なのではと思わせられる。

    採りあげられるのは、コムギ・稲・コショウ・トウガラシ・ジャガイモ・トマト・綿・チャ・サトウキビ・大豆・玉ねぎ・チューリップ・トウモロコシ・サクラ、の14種。
    (文中ではもちろん全部カタカナ表記。読みにくいので時々漢字にしてみた)

    特に面白かったのはトウガラシの章。
    我が家で収穫したトウガラシを干しておくと、カラスがその辛いトウガラシをかっさらって行く。野生動物は辛いものは食べないはずなのにと不思議に思っていたら、鳥類は丸飲みするため辛さは感じず、短い消化器官を通り消化されずに体内を通過すると言う。
    賢いトウガラシは、そんな鳥類を種子を運ぶパートナーとして選んだのね。
    そしてトウガラシのカプサイシンが脳内エンドルフィンを分泌し、虜になるという記述で思い当たることがあった。
    トウガラシを常食する民族は、異常なほど沸点が低いということ。仕事上それで苦労させられた経験を次々と思い出すこととなった。
    国際交流をうたうなら、その民族の食事内容にも気を付けた方が良いと痛切に思う。

    カフェインを含む「チャ」のために、様々な国々の争いが生まれたことなども。
    アメリカ人がコーヒーを好むことの理由も。
    あるいはジャガイモが「悪魔の植物」と呼ばれて裁判にかけられ、有罪となったのち「火あぶりの刑」に処せられたこととか。
    トマトもまた、19世紀の米国で「野菜か果物か」で裁判になったとか。
    トウモロコシは目からウロコが何十枚落ちたことか。きっと、神様はヒトよりも先にトウモロコシを作ったに違いない。

    「しかし」「それでは」「ところが」などいう接続詞が登場するたびに胸がワクワク。
    さて、次なる展開は?・・とそれは楽しみながらの読書だった。稲垣先生、今回もありがとうございました。

    • kazzu008さん
      nejidonさん、こんにちは。
      フォローといいね、ありがとうございます。
      『戦争と平和』へのコメントもありがとうございました。あちらに...
      nejidonさん、こんにちは。
      フォローといいね、ありがとうございます。
      『戦争と平和』へのコメントもありがとうございました。あちらにもコメントをさせていただきましたが、自分への通知しかこないので、もしかしたらお気づきにならないかもと思い、こちらにもコメントさせていただきました。

      この『世界史を大きく動かした植物』もすごく興味深い本のようですね。ぜひ、今度読んでみようと思います。ご紹介ありがとうございました。今後ともよろしくお願いします。
      2019/07/12
    • nejidonさん
      kazzu008さん、こんにちは♪コメントありがとうございます!
      そして、お気遣いいただいてすみません。
      先ほどそちらのお返事も見て参り...
      kazzu008さん、こんにちは♪コメントありがとうございます!
      そして、お気遣いいただいてすみません。
      先ほどそちらのお返事も見て参りました。
      高2の夏の読破に驚いていただいて、むしろ驚きました・笑
      若い頃は基本的に体力も時間も余ってますから(悩みも皆無だったし)、大人が
      思うほど大変なことでもないのですよ。
      そうそう、「トルストイの民話」はカテゴリーの「民話・昔話」の中に鎮座しております。
      好みの分かれる分野ですので、概略をチラ見して(笑)OKのようでしたらどうぞ。

      はい、稲垣栄洋さんの著作はどれも面白いのです。
      文章も簡潔だし、興味をひく展開で飽きさせません。
      kazzu008さんにも楽しんでいただけるのではと思いますよ。
      2019/07/13
  • この本を読んで分かったことは「人間の歴史は全て植物によって説明できる」ということです。

    世界四大文明があの場所で興ったことも、コロンブスがアメリカ大陸を発見したことも、アメリカがイギリスから独立したことも、清国(昔の中国ね)が列強諸国によって植民地にされたことも、アフリカの何百万人もの黒人の方たちが奴隷にされたことも、日本人がなぜ米を食べるようになったのかも全部、植物によって説明できるんですね・・・。

    本書は、コムギ、トウモロコシ、イネ、ジャガイモなど14種類の植物がそれぞれどのようにして人間の歴史に関与していったかが、非常に分かりやすく説明されています。
    特にコムギの章は、コムギを栽培することによって「初めて人間の間に持つ者と持たざる者という貧富の差が生じることとなった」という部分が非常に感慨深いものがありました。
    著者の書きぶりも非常に理解しやすく、物語を読むように楽しく読むことができます。高校生の時にこの本を読みたかった。そしたら世界史の理解度がぐんと上がったと思いますね(笑)。

    著者の稲垣栄洋先生は、静岡大学教授で植物学者。過去の著書は『面白くて眠れなくなる植物学』や『身近な雑草の愉快な生きかた』等。
    そして僕、この先生の本、以前読んでいました『敗者の生命史38億年』。レビューも書いていました。しかも☆5つで(笑)。すいません。全然、気がつきませんでした。
    どちらも面白かったです。マジです。もう、稲垣先生、好きです。

    本書のあとがきにもありましたが、我々人間は、自分たちのことを「地球の支配者だ」なんてことをたぶん思っていますが、この本を読んだらそんなこと全く思わなくなりますね。

    地球の支配者は植物です(断言)。
    植物にとっての繁栄とは「地球全土に子孫を残すこと」。植物にとって人間は、鳥や蜂と同じように、植物の世話をしてあげている一動物に過ぎないのです。植物の為に、土地を耕し、種を運び、受粉させ、収穫し、種を集め、そしてそれをまた違う土地にまく。いうなれば人間は植物の奴隷なのです。そう考えると他の動物もすべて植物の為に生きているといっても過言ではないですね。

    一人の人間なんてちっぽけなものです。たった100年ほどしか生きていけないし、直接の子孫だって多くても10人そこらしか残せない。身体の機能だって1000年前と比べてもほとんど変わらない。
    こう考えると、一人の人間が持っている悩みなんて空気中に漂っているチリよりも軽いものなんでしょう。

    さりとて、何も考えないで生きていく訳にもいかないので、せめてこのような本を読んで、教養くらい身につけていきたいなと思いました☆。

    • nejidonさん
      kazzu008さん、こんにちは♪
      何とまぁ、もう読まれたのですね!先日話題にしたばかりですのに。
      皆さん読むのもレビューを挙げるのも早...
      kazzu008さん、こんにちは♪
      何とまぁ、もう読まれたのですね!先日話題にしたばかりですのに。
      皆さん読むのもレビューを挙げるのも早く早くてびっくりです。
      一体どうやって読書時間を確保しているのでしょう?それが最大の謎です・笑
      とまぁ、雑談はさておいて、この本を楽しまれたようで嬉しいです。
      (断言)されている行で、思わずにっこりしてしまいました。
      稲垣さんの文章は簡潔乍ら説得力にあふれてますから、確かにそう思いますよ。
      そしてこういった本が真の教養に結びつくと、私も考えます。
      植物の視点から歴史を俯瞰するなど、専門家でもない限り出来ません。
      引き続き稲垣さんの著書を機会を捉えては読むつもりです。
      また興味深い本がありましたら教えてくださいね。
      2019/07/24
    • kazzu008さん
      nejidonさん、こんにちは。
      コメント、ありがとうございます!
      読書時間の確保ですか・・・読書人にとっては永遠の課題ですね(笑)
      ...
      nejidonさん、こんにちは。
      コメント、ありがとうございます!
      読書時間の確保ですか・・・読書人にとっては永遠の課題ですね(笑)
      僕の場合は、平日は通勤時間と就寝前が読書時間ですが、休日でかなり読書時間がとれるので、そこで稼いでいる感じです。

      稲垣先生の本は本当に面白いですね。植物の話だけでなく、歴史や他の生物などへの造詣も深く、本当に読者を飽きさせないです。ぜひ、他の本も読んでみたいです。

      それと今日レビューされていた『魔法の糸―こころが豊かになる世界の寓話・説話・逸話100選』も面白そうですね。「第二の聖書」だなんて興味津々です。ぜひ、機会を見て読んでみたいです。これからも興味深い本のご紹介よろしくお願いします!
      2019/07/24
  • この本もレビューで知りました。
    kazzu008さんやnejidonさん達の素晴らしいレビューを読んで本書を読まずにはいられなくなりました。

    幸いなことに、図書館で貸出されておらず、書棚にあったのですぐ借りることができた。

    非常に良書。
    人類と密接な14種類の植物についての、壮大なドラマが書かれている。200ページちょいなのでサッと読めてしまう。

    個人的にはコムギとイネとジャガイモとトウモロコシの章が面白かった。

    カバーの袖に「私たちは、植物の手の平のうえで踊らされているのかもしれない」とあるけど、まさしくそのとおりだな、と思った。
    特にトウモロコシと人類の共生関係は深いなあ...
    トウモロコシは人間の助けなしに育つことは出来ないし、人間の体の半分はトウモロコシからできている、なんて。
    現時点で、人類を最も手玉に取っている植物は、まちがいなくトウモロコシということだ。

    全然関係ないけど、tomorrowという英単語を見ると、昔からどうしてもトウモロコシを思い浮かべちゃうんだよな...

    トゥモロゥ...コシ...

    • nejidonさん
      たけさん、はじめまして(^^♪
      フォローとポチを下さり、ありがとうございます。
      この本もお読みいただけたのですね!
      とても嬉しいです。...
      たけさん、はじめまして(^^♪
      フォローとポチを下さり、ありがとうございます。
      この本もお読みいただけたのですね!
      とても嬉しいです。
      本当に面白い本で、こんな視点もあったのかと大きな学びになりました。
      また興味深い本に出会いましたらご紹介くださいね。
      こちらからもフォローさせていただきます。
      どうぞよろしく。
      2019/08/01
    • たけさん
      nejidonさん、はじめまして!
      こちらこそフォローありがとうございます!

      おっしゃるとおりで、「世界史を大きく動かした植物」を読んで、...
      nejidonさん、はじめまして!
      こちらこそフォローありがとうございます!

      おっしゃるとおりで、「世界史を大きく動かした植物」を読んで、新たな視点を得ることができました。とても興味深い本ですよね。
      2019/08/01
  • 食いしん坊なので、この系の本が好きなんだ。
    食のルーツを知ることができて、世界の歴史・宗教も知ることができる。一石二鳥だなと思った。

    『世界からバナナがなくなるまえに』や『なぜ日本のフランスパンは世界一になったのか』、『コンビニコーヒーは、なぜ高級ホテルより美味いのか』系統を読んで、食と人類の歴史の絡みが密接で切っても切れない関係にあると知った。

    この本ではコムギ、イネ、コショウ、トウガラシ、ジャガイモ、トマト、ワタ、チャ、サトウキビ、ダイズ、タマネギ、チューリップ、トウモロコシ、サクラの14品種を取り上げている。参考文献が膨大。それをとてもかみ砕いて説明してくれているのでスラスラ読める。しかもユーモアがあふれる文章なので楽しく学ぶことができました。「ところが、である。」という文章がが出てくると、その後の展開が面白くなるので、早く「ところが、である」登場しないかな~と、読中はうきうきしました。

    裁判にかけられて有罪判決が出たジャガイモの受難生活。今は生活に欠かせないトマトがあまりの毒々しさに200年も観賞用に徹してきたこと。トウモロコシは宇宙からやってきたんじゃないかという都市伝説。綿や茶が原因で起こった戦争。綿が起こした革命とかひたすら面白かった。

    風が吹くと桶屋が……じゃないけど、世界はつながっていて何度も同じようなこと(バブル)を繰り返して変っていないんだな…というのがわかったり、植物って、やっぱり知的生命体で適応能力がかなり高いんじゃないかと思った。憎めないのね。毎日うちの周りの雑草群と格闘しながらも、植物を尊敬する気持ちがあふれる春になりました。

  • コムギ、イネ、コショウ、トウガラシ、ジャガイモ、トマト、ワタ、チャ、サトウキビ、ダイズ、タマネギ、チューリップ、トウモロコシ、サクラ。
    どの植物にもドラマがある。

    植物が文明をつくり、富をつくり、人びとの暮らしを変え、戦争の原因になっていく。
    タイトル通り、世界が動き、どんどんと変わっていくのがおもしろい。

    世界史だけでなく、植物学や栄養学など、さまざまな情報が盛り込まれ、たのしい雑学本。

  • おもしろいなあ。
    すべてがつながっている。

    ①単子葉植物はスピードを重視するために
    生まれてきた。
    双子葉植物の進化版といえる。
    その中でも、イネ科が一番すごい。
    理由
    生長点が地面すれすれ。
    だから、先を食べられても大丈夫。
    稲はほどんど炭水化物。
    光合成→炭水化物→種子→エネルギー
    という、シンプルなライフスタイル。
    無駄がない。
    種子=食料=財産=富 
    そして富が生まれた。
    こんな稲を主食にもってきた日本人でよかった。

    ②里芋のあとに稲作が伝来する。
    それまでは里芋。
    だいたいにして、面倒な農業など、やらなくても
    いい地域はやらない。
    自然豊かで果実や魚が豊富なら農業は必要ない。
    縄文時代の東日本は稲作をしなくても豊かだった。
    そうすると、農業はやらない。
    だから、農業は東海地方の西部まで。
    結果、豊かでない地域では
    農業=安定した食料=重労働
    となる。

    ③ヨーロッパは家畜の肉が貴重な食料。
    しかしながら、家畜にやる餌が冬はない。
    そうなると、殺すしかない。
    殺して、その肉を食いつないで、どうやって冬を
    越すかが課題になる。
    殺すと腐る。腐らないように、
    乾燥させるか、塩づけにするか・・まずい。
    香辛料があればおいしい!
    だからコショウがほしい。
    コショウがあればおいしい。
    コショウは南インド原産
    価値が生まれる。
    コショウは熱帯地域、モンスーンアジアでできる。
    それは、暑いので病原菌や害虫が多い。
    身をまもるために辛味成分を・・
    ああ、つながっている。
    なんでコショウが貴重品だったのかなぞだったけど
    そういうことね。

  • 世界史の流れを植物に注目して辿っていく。1章ごとにひとつの植物をあげ、それにまつわる話が説明される。全14章で、下記の植物が登場する。

    第1章 コムギ
    第2章 イネ
    第3章 コショウ
    第4章 トウガラシ
    第5章 ジャガイモ
    第6章 トマト
    第7章 ワタ
    第8章 チャ
    第9章 サトウキビ
    第10章 ダイズ
    第11章 タマネギ
    第12章 チューリップ
    第13章 トウモロコシ
    第14章 サクラ

    学生時代の授業を別の視点で復習しているようで、懐かしく面白かった。
    ある植物の、ある特性がなかっただけで、今現在の世界の状況は全く違ったものになっていたかもしれない。そもそも、人類の繁栄はなかったのかもしれない。歴史は単に植物だけの話ではないけれど、現在というのは色んな偶然が積み重なって、やっとのことで成り立っている危ういものだという気になってくる。

    人類誕生や文明の発展に絡めた「コムギ」と「イネ」、大航海時代の「コショウ」、そして日本人の精神性に絡めた「サクラ」が特に興味を引いた(世界史と銘打っているのにサクラが選ばれている違和感はあるけれど)。

    桜は散り際が美しい。ぱっと咲いてぱっと散る。本書の第14章では、そんな桜の姿と日本人の精神性について触れられている。古くは鎌倉時代、『平家物語』では桜の儚い美しさが記されている。諸行無常、死の美学、わびさびの精神。そういったものの裏に、実は桜の花の特性があったようだ。

    この勢いで、次は『銃・病原菌・鉄』を読んでみたくなった。こちらも、壮大な人類の歴史を感じることができそうだ。

  • 絶賛します。題名にあるように世界史と植物の雑学として面白いだけでなく、幅広いジャンルの「点(=知識)を線で繋いであっと驚く立体(=教養)に変えてくれる」手品的な喜びにあふれた一冊。
    イネ科の植物がいかに動物に食べられないように自分の食物としての魅力を減らしているか、食べられても生き延びられるように進化したか。逆に、いかに動物がイネ科しか食べられなくても生き延びられるように進化したか。
    稲作が水田というシステムで行われたことによって、日本の人口がいつどのような地形にどの程度分布できたのか。地域によって異なる味噌のつくり方が何に由来するのか。
    米と大豆の組み合わせがどのように完全食だったのか(つまり、日本で肉食が必要でなかった理由は何か)。逆に、小麦やジャガイモがそれだけでは栄養素として不足し肉と組み合わされなければならなかったヨーロッパの食事バランスや、それでまかなえた人口(及び人口密度)の背景。その肉を保存し美味しく食べるための胡椒が招いた東方貿易。
    違う植物なのにその胡椒と同じ言葉(ペッパー)を含むトウガラシ(ホットペッパー)は何が胡椒と同じで何が違うのか。同じペッパーの別種類であるかのように名付けなければならなかったコロンプスの事情。
    トウガラシが、植物の中では珍しく、甘くない赤い実をつけている理由。
    イギリスでコーヒーに変わって紅茶が飲まれるようになった理由と、アメリカで紅茶に変わって薄いコーヒーが飲まれるようなった理由。
    ヒトが茶やコーヒー、トウガラシに依存症的に惹かれてしまう生物的な理由。
    静岡県がお茶の名産地になった背景とトヨタやスズキが三河遠州で創業した理由の共通点。

    などなど、挙げてもあげてもキリのない立体的な「へぇ、そうなんだ、それってすごいことやなぁ〜」が次から次への繰り出されて息をつく暇もないくらい。

    2010年にスティーブ・ジョブスがiPadを発表した時に「テクノロジーとリベラルアーツの交差点」という言い方をしていたけれど、本書はまさにそれを取り上げた一冊と言える。
    胡椒と肉。米と水田。綿と織機。ジャガイモと栽培。とうもろこしと加工。
    ドキドキワクワクが止まりません。

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著者プロフィール

◎稲垣 栄洋(いながき・ひでひろ)1968年静岡県生まれ。静岡大学大学院農学研究科教授。農学博士。専門は雑草生態学。岡山大学大学院農学研究科修了後、農林水産省に入省、静岡県農林技術研究所上席研究員などを経て、現職。著書に、『生き物の死にざま』(草思社)、『はずれ者が進化をつくる』(筑摩書房)、『弱者の戦略』(新潮社)、『世界史を大きく動かした植物』(PHP研究所)など。

「2021年 『手を眺めると、生命の不思議が見えてくる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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