- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569841144
作品紹介・あらすじ
本とまっすぐに向き合う18人が、「本屋」と「読書」の面白さを語る!本屋の現場で起きていることがはっきり見えてくる。日本や海外の本屋を数多く見つめてきたジャーナリスト、地域ごとの「書店大賞」に取り組んだり、書店空白地をなくすために「走る本屋さん」始めた書店員、震災にも負けずに今日も本を届ける書店員、出版社と本屋を結ぶ立場から読書の面白さを伝えようとする取次会社、本屋の店頭を飛び出して本屋の再定義に挑戦する人……。
(寄稿者一覧)
石橋毅史(ジャーナリスト)/鈴木典子(ヤマト屋書店仙台三越店)/山本 護(紀伊國屋書店熊本はません店)/高木久直(「走る本屋さん」高久書店店長・戸田書店掛川西郷店)/栗澤順一(さわや書店外商部)/古幡瑞穂(日本出版販売株式会社)/吉田正隆(株式会社大阪屋栗田)/大矢靖之(株式会社ブクログ)/三島政幸(啓文社ゆめタウン呉店)/森口俊則(書店員)/安田有希(元紀伊國屋書店横浜みなとみらい店)/福川キャサリン(リブロ福岡天神店)/岩橋 淳(ジュンク堂書店盛岡店)/熊谷隆章(七五書店)/宇田川拓也(ときわ書房本店)/鈴木 毅(16の小さな専門書店)/吉田倫子(司書)
感想・レビュー・書評
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たくさんの書店員さん(本屋さん)の本や読書に対するそれぞれの思いの伝わってくる本でした。
<よい本屋とは>
本屋についての三つの特徴
・品揃えへのこだわり。
・地域を活かし、地域に生かされる姿勢。
・ラディカルな精神
この三点を備えている本屋、そうなっていく可能性をうかがわせる本屋を「よい」と思っている。
著者の田口さんは、この三つの良い本屋の特徴に加え「本の持つ力」とはなんだろうか。
2011年3月11日、東日本大震災を経て「本を手にする喜び」と「本の持つ力」の二つを添えて届けたいと思うようになったそうです。本は嗜好品ではなく、必需品だったと実感したそうです。
又、僕たちが小・中学校を中心とした国語で学んだものは、読書ではなく、読解だったとあらためて気づきます。読解は読書の一部でしかなく、読む「技術」を学んだとしても、広い意味での読書全般を学んだことにはならないのではないか。「読む技術」を「読書の本質に触れる機会」へと変えてゆくこと、それこそが、その後の読書生活に大きな影響を及ぼしていくと考えていると述べられています。
<本を読むということ>
「これまで」には二通りの「これまで」があります。一つは自分の「これまで」。もう一つは、自分以外、つまり他人や世界全体の「これまで」です。
本を読むことは、先人の体験を追体験すること、と言い換えられる。場所や人種や性別や時間や空間を超えて、様々な他人の「これまで」を追体験し、自分の経験値にすることで、自分に足りないものを補うことができるのです。自分の「これから」のためにはだれかの「これまで」を自分のものとしてほしいと思います。
追記
人と本や本屋さんとをつなぐ’WEBメディア’というコンセプトのもとに「本のひきだし」というサイトを立ち上げたそうです。
例えば、コミックの新刊情報、ランキング、商品の告知、イベント告知、分析やコメント。ニュースアプリのスマートニュース内「読書チャンネル」。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「まちの本屋」の続き。
地元の図書館になかったので、司書さんにお願いして他図書館から借り入れてもらった一冊。
延長は出来ないため、私にしては珍しく急いで読むこととなった。
どうすれば本屋にもう一度足を向けてもらえるのか。
本屋と読者を繋ぐ試みにはどんなものがあるのか。。
そして、読書の習慣がない人に向けてその面白さを伝えるには。
これらを、本に関わる18人が語っている。
まっすぐな情熱がこちらまで伝わって来て、読みながら何度も胸が熱くなる。
18人の中には、日本や海外の本屋を数多く見つめてきたジャーナリスト。
地域で本を楽しむ機会を作ろうと奮闘している書店員さんや、司書さん。
出版社と本屋を結ぶ立場から読書の面白さを伝えようとする取次会社。
本屋の店頭を飛び出して本屋の再定義に挑戦する人。
・・この中にはブクログ運営者の大矢靖之さんもおられ、「本のレビューサイトも「本屋」です」というお話をされている。
「本に関わって仕事をして、本の可能性を広げ、寿命を保つこと、あるいは未来の読者が増えることに貢献できればそれに越したことはない。」
という素敵な言葉を載せられている
それぞれのお話の後に田口さんのお話が入り、次の方へとバトンを手渡すような流れになっている。それが大変読みやすい。
日本の二割強の自治体には書店がないらしく、その書店空白地を埋めるべく軽トラを買って「走る新刊書店」を始めたという話が特に印象的だ。
本屋が来たことを喜んでくれる人たちが地方にはたくさんいるらしい。
これだけでなく、将来本屋さんを開きたいという方にはたくさんのヒントが載っている。
もうひとつは、最終章で語る吉田倫子さんのお話。
司書のお仕事で試行錯誤を重ねながらの、本のすすめ方に大変好感が持てる。
「本嫌いは小説が嫌いなだけってことも多いから、そういう人はルポや実話を試してみて」
「読み進められないという子には、途中でやめてもいいとも言いました」
「学校では、自分で本が探せるようになってほしいと、ブックガイドの紹介展示をやったこともありました」
そしてまた、「育むことは手がかかること」という話に、納得づくめ。
本屋の話に司書さんの経験談が載っているのが価値があるところ。図書館で「本を読むひと」の入り口に立った子たちは、将来本屋さんの入り口に立つかもしれないのだから。
読み終えるとすぐ、本屋さんに行きたくてたまらなくなる。
こんな思いで働いていた人たちのことを、考えたこともなかったと、申し訳なさでいっぱいにもなる。すべての本好きさんへおくる本。-
nejidonさん♪おはようございます!
この本、読まれたようで、よかったです(*^^*)。
レビューが上手くできるか心配だったので、ほ...nejidonさん♪おはようございます!
この本、読まれたようで、よかったです(*^^*)。
レビューが上手くできるか心配だったので、ほっとしました。
私も今、読んでいるところで、ちょうどブクログの出てきたあたりを読んでいます。
それと、こないだの『愛の顚末』はnejidonさんにも、自信をもってお勧めできる本です。吉野せいさんの『洟をたらした神』も読んでいる途中ですが、私にはレビューするのが難しそうなので、登録だけにするかもしれません。
2020/01/16 -
まことさん、こんにちは(^^♪
コメントありがとうございます!
そうなのです、予約してから大体一カ月くらいかかるのですが、今回は早くて慌...まことさん、こんにちは(^^♪
コメントありがとうございます!
そうなのです、予約してから大体一カ月くらいかかるのですが、今回は早くて慌ててしまいました・笑
心の準備がないまま読んで、即レビューです。これでいいのかっていうくらいですね(^^;
まことさんはレビューの出来を気にされるんですね。エライなぁ。
私、殆ど気にしません。伝わればそれでいいわって言うくらいです。
素人なんだし素直さが一番かなと、勝手に思ってます・笑
(これを言ったらお終いだけど、著作権はブクログのものですしねぇ。)
おお!吉野せいさんのその作品は、ワタクシ大ファンです!
実はお薦めしようかと思ったのですが、もっとふわぁっとしたものがお好きな気がして、遠慮していました。
女性の書く作品で、あれ以上のものをいまだに知りません。
お読みになったというだけで、めっちゃ嬉しいです!!2020/01/17
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この十年で3421店
全国のどこかのまちで毎日1店ずつ閉店していることになる本屋
そんな厳しい現実のなかで
「本」と「本屋」の未来のために
「本」と「本屋」を日常の暮らしのなかであらためて意識してもらうために
「ひさしぶりに本屋に行ってみよう」と思ってもらえるために
もういちど「本」と出会うきっかけにしてもらうために
ジャーナリスト、取次会社、ネット書評サイト、司書、そしてさまざまな試みに挑戦している“あきらめの悪い”書店員たちが本屋のおもしろさを語る
著者は盛岡市で奮闘するさわや書店フェザン店統括店長
著書に“さわや書店三部作”の『まちの本屋』(ポプラ社)がある
ちなみにあと2作は
長江貴士『書店員X』(中公新書ラクレ)
松本大介『本屋という「物語」を終わらせるわけにはいかない』(筑摩書房) -
読書人口を増やすためには、学校教育からスタートさせないとダメだ・・と、個人的には最近は考える様になってきています。自分自身は本を読む人達しかまわりにいないから気づきにくいけど、状況は深刻。読まない人は全く読まないんですよね。恐ろしいほどに・・。一書店員としてどんな事が出来るのだろう。
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誰もが言う。本の業界が厳しい と。
確かに厳しい。
閉店、廃業の知らせは以前からあった。
最近は、そのシャッターかドアかを閉める音まで聞こえてきそうだ。
この本で、いくつか整理できたし、勇気ももらえた気がする。
やれる事、やってなかった事がまだあった。 -
18人の「本屋」さんたち、みんなかっこいい。
それぞれの場所で、それぞれのやりかたで、本を売っていく。これまでも、これからも。
よみながら付箋はりまくり。
タイトルが、大好きだ。 -
私は書店や図書館が好きだ。本を買わなくても棚を眺めているだけでわくわくしたし、そこに並ぶ言葉や美しい表紙を見るのが楽しく感じたものだ。今や毎日1軒どこかの書店が閉店しているという。名前も知らない書店だけどなぜか寂しい。書店員のみなさんがどんなことを考えて日々本を売っているのか覗くことができる一冊。人はなぜ本を読むのか、答えはないけどヒントが隠されている
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一般。本を人に届ける仕事は沢山あり、それぞれの人がそれぞれの現場で本や作品の魅力を伝える使命のために一生懸命で、本と人の間にあるもののヒントが沢山もらえる。また田口さんの繋ぎや紹介が実にそそられる。
中でも私は興味のスイッチをという言葉が心に響いた。スイッチを押せる環境を作る事、学校地域社会が認め合い協力し、一丸となることが大事。 -
本、本屋さんが好きな人には特にお勧め。
「本の周りにいて、本と何かを、本と誰かを結び付けようとしている人たちもまた『本屋』と呼べるのではないか」と書かれていました。広く解釈するなら、本が好きでこうやって、投稿している一人一人もまた「本屋さん」なのだと思います。
このブクログを運営している方も取り上げられていて、どういう思いを持ってこのブクログを始めたかを知ることができました。
今までは、気が向いたらレビューを書く程度でしたが、その思いを知ったからには、できる限りレビューを書いていきたいと思いました。 -
「本を売る技術」「ほんわか!」「本が売れないというけれど」
本を生業にしているわけでもないのに、この類の本をつい手にとってしまうのは、本屋という空間が好きなんだと思う。
地域のブックフェアや熱のある売り場は、書店員の熱意に支えられていることがよくわかる。本の中に、行きたいなと思う本屋がいくつもあった。