- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569843186
作品紹介・あらすじ
世間からはじき出されないことを願う理論派・伊集院光と、世間からはみ出している養老孟司が、世間との付き合い方、抜け出し方を語る。
感想・レビュー・書評
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養老孟司先生と、伊集院光さんの対談集。
養老先生はご自分を最初から「世間」からズレていると分析し、伊集院さんは「世間」からはじかれると怖い、とおっしゃる。
印象に残ったエピソードを。
養老先生が解剖を終えてお骨を持って遺族に返しに行ったときのこと。
白木の箱に収めた骨壺の中からガタガタガタッと音がした。
それで先生はまず「このお骨は泣いているのかな、笑っているのかな」と思ったそう。
「解剖学をやりながら「このお骨は笑ってる」という感覚って同居できるんですか?」と、伊集院さんがつっこむと、
「そこにはもうひとつ解釈があって、お骨が共振するということなんですね。音叉の論理ですよ。(略)大型トラックがそばの道路を通って、お骨が固有振動を起こした、と。」
先生によると「お骨が笑ってる」という感覚と、「このお骨はカルシウムでできている物質」という事実は両立するようになったという。「おたがいが排除しあうわけじゃないですからね」と。
私は、今まで、どっちかに決めなきゃいけない、と思い込んでいたフシがあったので、一気に肩の力が抜けたというか、腑に落ちたというか。
あと、養老先生は虫好きで有名ですが、ジョロウグモやザトウムシのような形の虫は大嫌いなのだそうです。
虫ならオールウェルカムかと思ってました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
よく養老孟司のYouTube動画をみているが、頭のいい人って押し付けがましい人が多い印象だが、この人はゆるくて、どこか楽天的な雰囲気があっていい 世間とズレてるからって気後れせず、かといってエラぶりもせずにいたいとおもう
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養老先生の”クモは好きじゃない”っていう告白にびっくり
したのは私だけではなく伊集院さんもだった。
昆虫が好きだからって全部好きっていうのは
誤解だな。
途中に入るイラストがほんわか可愛い。
私が好きだったのは大学の非常階段を
養老先生が棺を担いでワタワタ降りるシーン。
その時はすごく大変な思いをされたのだろうけれど
こうやってイラストになると笑えてくる。 -
読み物としてとても面白かったです。
自分らしく生きていく上でのヒントがいっぱい書かれているように思いました。
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子どもの頃から体がデカいことで「ズレ」を自覚、不登校、高校中退と、世間の常識から外れた<伊集院光>さんと、東大卒の医学博士で昆虫好きの<養老孟司>さんが「世間とのズレ」をテーマにした対談集。 AIに仕事を取られる時代に、世間とどう折り合っていくのか・・・ 世間とのズレが仕事の動機付けとなり、世間に受け入れられようと苦心惨憺する、伊集院さんの心意気に打たれた養老先生曰く「思い詰めないことです」「猫を見てください。その辺にひっくり返ってゴロンと寝てるでしょ。思い詰めているのが、溶けちゃいますよ」・・・と。
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期待が大きかっただけに、肩透かしをくらったような読後感。
世間とは何か、その中で生きる違和感は何か、そこでどうサバイバルするのか。
以前読んだ鴻上尚史さんの本を思い出した。
とにかく伊集院さんは考える人で、理屈を見つける人で、素直な人。養老先生のマイペースさも心地よい。
遺骨が鳴って、これは悲しんでいるのかな、笑っているのかな、という話は面白かった。
二人のファンには楽しめるのでは。 -
伊集院光と養老孟司の二人による対談集です。二人は、どちらも世間からズレていると自認しており、そのズレをどのように受け入れ、生きていくかについて語り合います。
間とズレてしまう理由や、ズレを受け入れるための方法など、さまざまなテーマについて議論されています。例えば、伊集院は、世間とズレてしまう理由として、自分の興味や関心が世間の常識と異なることや、自分の価値観が世間の価値観と異なることを挙げています。また、養老は、ズレを受け入れるための方法として、世間の常識にこだわらず、自分の感覚を大切にすることを説いています。
伊集院光と養老孟司は、どちらも知性とユーモアあふれる人です。二人の対話は、時に笑いを誘い、時に考えさせてくれます。
世間とズレてしまうことに悩んでいる人にとって、共感と勇気を与えてくれるものです。 -
伊集院光と養老孟司の対談で、世間とのズレや折り合いを付けて行く生き方、空気を読むなどがテーマの本です。
対談なので、とても読みやすい文体です。
世間とズレている生き方を怖がっている伊集院さんが、養老先生から昆虫や脳の話、解剖学の話、都市化の話などを上手に引き出していて、面白いです。 -
「バカの壁」の著者である養老孟司と伊集院光による対談本。世間からズレていると自認しながら生きている二人が、どのように社会と折り合いを付けながら生活してきたのかそれぞれの観点で語られている。二人とも自分自身をメタ視点でよく分析できていると思った。