- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569843186
感想・レビュー・書評
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視野が狭くなっている状態での、世間とのズレは、自分の存在を過小評価してしまい、視野が広くなっている状態での世間とのズレは、貴重な価値観となり、強みへと変化する。その上で、養老さんが言っている、田舎と都会の二つの軸を持つ事は、世間とのズレが、人間にとって美しいものとなる。
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表紙のイラストがとてもいい。
この二人の対談、とても興味深く読んだ。
「不必要なものが必要」は
普段思っている「必要な無駄」と似ている。
バカの壁と同じ、悟りに近いような感覚。 -
養老先生と伊集院さんだから買い
対談だからサカサカ〜っと読める -
この後、伊集院さんが…
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■動機
自分も人も追い込むような仕事をしていた若い頃を振返り、柔軟にどう合わせて行けばよいのかグラついていた為。
NHK「100分de名著」の伊集院光氏のアシスト振りが好きで、仕事でも参考にしたい為。
■要旨
「『世間』から自分がズレるのが怖く軌道修正しながら生きてきた」伊集院光氏と、「(都市の脳化された)『世間』と(本来自然の生き物である)ヒト・自分はズレているものである」養老孟司氏の対談。(※結論や結論や具体的な解決方法の提示はない)
■気づき
・「積み上げていけば、右肩上がりになるものだとどこかで思う。積み上げたものが必ず100に到達すると信じていた。」(伊集院) 「そういう学者に出くわすと、『若いな』と思う。我々世代では、大きな『ガラガラポン』があった。『一億層玉砕・鬼畜米兵』と指導していた教員が『平和憲章・マッカーサー』と称賛する。連日皆で声を揃えて何度も読んだ箇所の墨塗り。もう理屈ではなく、肉体感覚」(養老)
・「田舎に行って自然に親しむ 一人で山を歩くと悩んでいる暇もない」「面白いだけじゃなくて気持ちいい 人間は本来座る格好で生きていない」(養老)
・「大丈夫。どうせ死ぬから。」(養老)
・全般的に、抽象的で断片的な養老孟司の話に対して、具体的に話を膨らます伊集院光の手腕が凄い。それだけ『世間とのズレ』に悩んだからなのか。
■取り組みたいこと
本書では、具体的な問題の深堀や解決策を提示するものではなかったが、強いて上げると、
「思いつめてしまったら、『肉体を使って疲れること』『猫など見て”ああしなきゃ”の強迫観念から解放すること』『都会⇔田舎の二つの軸を持つこと(参勤交代のように…できれば移住)』などがおススメ」とある。
少し感染者数が落ち着いたら、伊豆高原の別荘地(の雑草の成長が著しく最近手入れに行けていない)に手入れに行こうと思う。落語(上野の鈴本演芸場、浅草ホール)などの「どうしようもない人々」を聞いて、気持ちを楽にしたい。 -
伊集院光と養老孟司の対談集。一件、つながりがなさそうな二人だが、いわゆる世間と言われるものについて、二人が違和感を抱いていることが書かれている。伊集院の話しが多いが、養老先生が要点をついている。
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社会生活をしている誰しもが一度は「自分はズレている」と思ったことがあるはず...
「世間とのズレ」とどう付き合っていくかを考え直すきっかけになる本。
本書は「世間とのズレ」を自覚している養老さんと伊集院さんの対談。お二人とも「ズレ」を個性と捉えて活躍されているから尊敬する。
どちらかと言うと伊集院さんの「世間とのズレに怯えながら修正を試みるも、どうにもならず孤独に生きていた時期もある。今はなんとか調整しつつ生きている」と言う生き方に共感。
伊集院さんのようにズレを調整しながら生きている人がほとんどだと思う。私自身も同じ生き方なので、共感しつつも個性を殺しすぎている気がして自己嫌悪。
養老さんの「どこかで100%分かると思っている。全部分かるわけないのに。」という言葉に全てが詰まっている気がする。
私は「100%思想」を持っているのだと思う。
集団生活の中で生きるためには個性と世間とのズレをうまく隠しながら調整するしかないと思っていたし、努力すればズレは解消されて排斥されることもなくなる。だから個性を殺して生きていかないといけないと考えていた。
著者であるお二人は個性を活かしながら上手く世間と付き合っている。養老さんはズレを開き直っているし、伊集院さんは排斥されないセーフゾーンを狙って歩んでいる。今まで学んできた「一般的」を無視して「個性」を活かしている人が社会では活躍しているようだ。本書を読んで「100%はない」ということに気づかされた。
どんなに努力しても世間とのズレが100%解消されることはない。個性を排斥しようとする世間からも逃げられない。だったら「ズレはしょうがない。開き直って世間を冷静に見つめる」くらいに堂々と生きたい。 -
面白かったです。
伊集院さんて話合わせるの上手いな〜。
これは面白いですよ、肩の力抜いて良いのですよ、と語りかけてくれる。