風神雷神 Juppiter,Aeolus(上)

著者 :
  • PHP研究所
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本棚登録 : 1440
レビュー : 103
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569843872

作品紹介・あらすじ

ある学芸員がマカオで見た、俵屋宗達に関わる意外な文書とは。「風神雷神図」で知られる天才画家の生涯に、大胆な着想で挑む物語。

感想・レビュー・書評

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  • 京都国立博物館研究員で、江戸初期の謎の絵師、俵屋宗達の研究をしている望月彩の元をマカオ博物館の学芸員レイモンド・ウォンが訪ねてきて、彩をマカオへ招きます。
    マカオで、彩は一枚の西洋画の油絵『ユピテル・アイオロス』を見せられます。そして、それとともに天正遣欧使節の四人の使節の一人、原マルティオによる日本語の古文で書かれた絵の説明書きの古文書をも見せられます。

    そして物語は、天正八年(1580年)の肥前・有馬。
    12歳の原マルティノらのキリシタンの少年たちが学ぶセミナリオへ。
    マルティノらの前に見知らぬ少年、14歳の野々村伊三郎宗達が現れます。
    宗達という名は織田信長より、褒美に与えられたものだといいます。

    そして次は宗達の物語に。
    宗達と織田信長との出会い。
    「余が見たことのない珍しきものを描いてみよ」といわれ、白と金色だけで象を描いた宗達。
    信長より名を授かり、絵師の名門、狩野一門へと入門します。
    狩野永徳は越後の虎、上杉謙信に届けた『洛中洛外図』を信長に認められており、次は宗達にもう一枚の十二の扇からなるまことの『洛中洛外図』を手伝うように命じられます。
    完成後、永徳は褒美に「宗達を養子に」と願いでますが、信長は「それはならぬ」と言い宗達に、パレードたちとともにローマへ行き、ローマの『洛中洛外図』を描いて持ちかえってこいと、ひそかに命じます。それは信長と宗達だけの密談で、表向きは印刷技術の勉強と、ローマ法王に永徳とともに描いた『洛中洛外図』を献上するということになっています。

    そして、4人の天正遣欧使節とパレード達とともに1582年ローマへと出発しますが、そこで、宗達はまず、原マルティノと親しくなり、他の少年たちともじょじょにうちとけて、船旅は続きます…(下巻へ続く)

    この本の表紙にもなっている『風神雷神』という絵は中学校の美術の教科書の表紙で見た覚えがありますが、俵屋宗達という名前は全く覚えていませんでした。
    狩野永徳と宗達の作画の場面が大変生き生きとして読まされました。織田信長の言動も大変茶目っ気があり面白く読みました。

    • まことさん
      やまさん♪こんにちは。
      こちらこそ、いつもありがとうございます!
      来年の1月、楽しみですね!
      やまさんのレビューを楽しみにしています。
      やまさん♪こんにちは。
      こちらこそ、いつもありがとうございます!
      来年の1月、楽しみですね!
      やまさんのレビューを楽しみにしています。
      2019/12/04
    • kanegon69 さん
      まことさん、実はこの上下巻は正月用にとってあるんです!一年のスタートはマハさんから!やっぱりマハさん大好き人間です(笑)
      まことさん、実はこの上下巻は正月用にとってあるんです!一年のスタートはマハさんから!やっぱりマハさん大好き人間です(笑)
      2019/12/29
    • まことさん
      kanegon69さん♪
      コメントありがとうございます!!
      すごくお久しぶりな気がします。
      この本は私、ネタバレで書いてしまったので、...
      kanegon69さん♪
      コメントありがとうございます!!
      すごくお久しぶりな気がします。
      この本は私、ネタバレで書いてしまったので、これから読まれる方が困るのではないかと思っていましたが、大丈夫でしたでしょうか。お正月用とはさすがですね!
      私は、図書館で1番目に真新しい本で読むことができましたが、後に待っている方がたくさんいらしたので、すぐ返却しました。
      kanegon69さんのレビューも楽しみにしています(*^^*)
      2019/12/29
  • 久しぶりに原田マハさんの壮大な話を読み始めました。相変わらずアートを軸にして、感情豊かでドラマティックな展開に胸躍りますね。

    上巻は何といっても、織田信長と俵屋宗達の絡みの場面、洛中洛外図が描かれていく場面がハイライトだったでしょう。脳内に洛中洛外図が描かれていく圧巻の筆致が再生されていくようです。狩野州信と俵屋宗達の三月を書けた傑作。織田信長の下名を受けて製作された見事な屏風絵の製作場面、そして織田信長に謁見する俵屋宗達の様子が非常に胸がときめきます。今は無き安土城の様子も丁寧に記述されており、そして豪快で自由で残忍で強烈なカリスマの織田信長の記述が面白かったですね。正直、原田マハさんが織田信長を描くとは思っても見なかったため、これは本当に嬉しい誤算です。まさか戦国時代の様子が描かれようとは、戦国時代好き、そしてマハファンとしてはたまりません。

    織田信長に庇護されていたキリスト教。ローマへいよいよ派遣された使節団。この時代にはやはり死を覚悟した旅であったことは間違いないでしょう。激しい嵐や日照りを乗り越えて、一団はローマ法王に無事謁見できるのか。。下巻へと続く。

  • 心くすぐられた一冊。

    謎のヴェールに包まれた 絵師、俵屋宗達。

    恥ずかしながらお名前も知らなかった自分には未知なるアートの世界への幕開け、謎だらけの彼の生涯を紐解く旅の始まりの予感にいきなり心をくすぐられた。

    次第にマハさんの描く作画への情熱の塊を心に持つ宗達の人物像がくっきりと色味を帯びて自分の心に居座り始める。

    信長との絡み、洛中洛外図に筆をひく瞬間は惹きこまれたな。

    そして使命を胸に日本の外へ。

    全てはローマへたどりつくために。下巻へ。

  • 名前は知られていながら、実はその生涯は明らかではない、俵屋宗達。
    その名を記した古文書が伝える、物語とは。

    先進性と豪胆さをもち、のびのびと生きる、俵屋宗達。
    真面目で敬虔なキリシタンの、原マルティノ。

    登場人物が活き活きと魅力的。

    道中立ち寄った、それぞれの国の空気感、文化、芸術。
    新しいものを見たときの、彼らの感動や衝撃にも臨場感があり、ともに旅をしている気分になる。

    タイトルから俵屋宗達メインかと思ったら、天正遣欧少年使節が中心で、意外。

    • KOROPPYさん
      >まことさんへ
      ほんとうにびっくりしました(笑)
      好みとか情報収集の仕方が似てるんじゃないかなって思ってたりします。

      複数巻の作品...
      >まことさんへ
      ほんとうにびっくりしました(笑)
      好みとか情報収集の仕方が似てるんじゃないかなって思ってたりします。

      複数巻の作品は、上巻にまとめてコメントするようにしているので、下巻は登録しないんですよ~(^^;
      2019/12/04
    • まことさん
      KOROPPYさん♪
      そうですよね!私もびっくりしました。
      感動したところも、同じとは、嬉しいですよね(*^^*)
      下巻はすでに、読ま...
      KOROPPYさん♪
      そうですよね!私もびっくりしました。
      感動したところも、同じとは、嬉しいですよね(*^^*)
      下巻はすでに、読まれていたのですね。
      あと、KOROPPYさんは、確か伊坂幸太郎さんが、ご縁で、フォローさせていただいた記憶があります♡
      これからも、どうぞ宜しくお願いします!
      2019/12/04
    • KOROPPYさん
      >まことさんへ
      読書って絶対的指標がなくて、個人的な感覚の世界なので、感性が近い人のレビューを参考にするの、とっても大事ですよね。
      こち...
      >まことさんへ
      読書って絶対的指標がなくて、個人的な感覚の世界なので、感性が近い人のレビューを参考にするの、とっても大事ですよね。
      こちらこそこれからもよろしくお願いします(o^―^o)
      2019/12/04
  • 俵屋宗達が遣欧使節で当時のヨーロッパに渡っていたら、というちょっと信じられない設定だが、原田マハの手にかかると、これは実話なのではと思わせられる。作者の嫌味のない綺麗な文章は読んでいて心地よくスイスイとページが進んでしまう。

  • 京都国立博物館研究員の望月彩に突然マカオ博物館学芸員レイモンド・ウォンが現れ俵屋宗達の銘を見せられる、そして物語は宗達と天正使節団の話になだれ込んでいく、これはもう大河小説だ。宗達は謎の絵師でその生涯はほとんど分からない、この物語は大半が創作で歴史小説とは言えないだろう、加藤廣のとんでも歴史小説とは違い、一応史実には沿っているようだし、今やってる「麒麟がくる」だって随分デタラメをやってるし、歴史を捏造しない限りいいことにしよう。下巻では彩がどうして関わってきたのかの謎解きもありそうだし怒涛の展開が予想される。しかし織田信長はかっこいい。

  • 『たゆたえども沈まず』を読んでから、二年ほど経つらしい。
    ゴッホと浮世絵の不思議な繋がりから逆転して、今度は俵屋宗達とローマの繋がりを描くのか。

    プロローグは、原田マハお得意の誘い方。
    京都国立博物館の研究員である彩の元に、レイモンドなる謎の男から、マカオ博物館への招待を受ける。
    他作品を読んだ方なら、ああ、あの始まり方ね、と察しがつくと思うのだけど、個人的には「むかーし、むかし、あるところに……」という定型詞的な誘い方のように感じる。
    このパートがあって、私たちのいる世界から、物語世界にスムーズに移行していくのだろう。

    上巻では、宗達と並んで存在感を放つ絵師、狩野永徳が登場する。
    永徳が信長に命じられて描く「洛中洛外図屏風」にまつわるエピソードから、栄枯盛衰、権威が動き、権力者も民衆も、その中で何を糧として生きようとしたのか、考えさせられる。

    もちろん国という単位での交易もあっただろうが、自分たちの教義を布教する、そのために世界を押し広げていった宣教師って、何なんだろう。
    どうして、自分が信じているものを、恐れず、言葉も文化もまったく違う誰かの所に赴いてまで、伝えられるんだろう。

    下巻に進む!

  • 俵屋宗達とは?から始まり、宗達の子供時代へと。
    天正遣欧使節団との関わり辺りは全くの作話であっても大いに面白い。
    なんと言っても狩野永徳の洛中洛外図の話には迫力があった。
    後半が楽しみ。

  • 一条の光が射した。時も海も越えて。俵屋宗達。匂いたつ瑞々しい物語。早く下巻をよみたい!図書館で借りました。

  • 分厚い本だったど、一気に読めた。(の割には時間がかかったけど:笑)今年のカラヴァッジョ展にはいけなかったけど、ここに出てくるとはびっくり!この後、どんな展開になるんだろう。いつものとおり史実にもとづいたフィクションなんだけど、本当にありそうなお話で楽しい。

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著者プロフィール

原田マハ(はらだ まは)
1962年東京都生まれ。小6から高校卒業まで岡山で育つ。関西学院大学文学部、早稲田大学第二文学部美術史学専修卒業。馬里邑美術館、伊藤忠商事株式会社、森美術館設立準備室、ニューヨーク近代美術館での勤務を経て、2002年よりフリーのキュレーターとなる。2005年小説化デビュー作の『カフーを待ちわびて』で第1回日本ラブストーリー大賞を受賞。2012年『楽園のカンヴァス』で第25回山本周五郎賞、『キネマの神様』で第8回酒飲み書店員大賞をそれぞれ受賞。2013年には『ジヴェルニーの食卓』で第149回直木賞候補、2016年『暗幕のゲルニカ』で第155回直木賞候補となる。2017年『リーチ先生』で第36回新田次郎文学賞受賞。2019年『美しき愚かものたちのタブロー』で第161回直木賞候補に。

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