中国vs.世界 呑まれる国、抗う国 (PHP新書)

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  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569849478

作品紹介・あらすじ

ナイジェリアには、中国人の酋長が何人もいる。例えば中国国有企業の現地支社に勤める27歳の李満虎は、現地の権力者からの要望で突然地元部族の酋長になった。ナイジェリアと中国との関係が濃密であることの証左といえよう。
中国に親しみを持つ国は、他にもセルビア、エチオピアなど多数存在する。だがその一方、中国ではなく台湾と国交を結ぶカリブ海の小国など、中国に対抗する姿勢を貫く国もある。本書は大国と相対する12か国のリアルを活写。京都精華大学学長ウスビ・サコ氏、「職業はドイツ人」コラムニストのマライ・メントライン氏との対談、さらに孔子学院への潜入記も収録。
【内容例】
vs.イスラエル――サイバー外交に水を差す「開封のユダヤ人」問題/vs.カザフスタン――「一帯一路のスタート地点」が直面する新疆問題/vs.オーストラリア――スパイとコロナ禍で「蜜月」から「対立」へ/vs.カナダ――中国が民主主義社会をハックする/
vs.スリナム――客家と秘密結社と華人大統領etc.

感想・レビュー・書評

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  • ●中国と言えばこの人、安田さん!
    ●サクサク読ませる文体が好き。
    ●やはり中国の外交はしたたかだし、よく考えている。日本も学ばないと。
    ●魑魅魍魎なアフリカに分け入ることが出来るバイタリティを持った人間をどれだけ抱えることができるかなんだよね。結局みんな僻地なんて行きたくないし…
    ●どこでも果敢に切り込んでチャイナタウンを作ってしまう中国人はほんとに凄い。

  • 「中国vs世界呑まれる国、抗う国」安田峰俊 PHP新書2021年 中国の開封にユダヤ教の末裔が暮らしていて、アメリカの団体がイスラエルへの移住の斡旋をしていた話や、京都清華大のウスビ・サコ学長が天安門事件の時に中国留学していた話は面白かった。

  • 第三国と中国との関係性を検証。非常に楽しく読めた。続編に期待したい。

  • 日韓台米と中国との軋轢はたびたび報道されているが、それ以外の国の関係はどうなのかという疑問に答えている(とくにアフリカとの浅からぬ縁)点で貴重と言えるが、雑誌連載(→読み流す)のまとめだけで、京都精華大学学長とマライ・メントライン氏との対談を加えた他は、各章の掘り下げがなくて書籍化(→沈思黙考)する上での「覚悟」がまるで足りなかったのはガッカリした。

  •  コロナ禍のためか著者自身の体験ルポは少なめだが、相変わらず面白い。
     書名は「vs.」だが中国と敵対する国ばかりではない。経済面で重要だが民族・人種問題がトゲ(イスラエル、ナイジェリア、カザフスタン)、中国と近い(エチオピア、セルビア、パキスタン)、多民族民主主義社会の故に中国の影響力拡大(豪、加)、中南米小国と中台関係、客家と秘密結社と華人大統領と盛りだくさんなスリナム、と千差万別だ。
     合間合間に、イスラエルの徴兵に応じた中国系ユダヤ人、ナイジェリアでの入社3年目中国人サラリーマン「酋長」、などのエピソードが挟まれる。
     近代以降の労働者層移民、90年代からの香港系移民という背景があり、21世紀には大陸出身移民の増加と中国自体の経済力拡大と結びついて、良くも悪くも中国の影響力が増している模様が分かる。
     冒頭の世界各国での対中感情調査では、2018年頃までは先進主要国で日本だけが突出して中国を問題視。しかし、その後多く先進国で否定的な対中感情が増えている。線グラフの変化は驚くぐらいだった。

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著者プロフィール

ルポライター

「2023年 『2ちゃん化する世界』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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