桜風堂夢ものがたり

著者 :
  • PHP研究所
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本棚登録 : 809
感想 : 59
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569851112

作品紹介・あらすじ

桜風堂書店のある桜野町に続く道。そこには不思議な奇跡が起こる噂があった。田舎町の書店を舞台とした感動の物語。シリーズ最新作。

感想・レビュー・書評

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  • 【収録作品】第一話 秋の怪談/第二話 夏の迷子/第三話 子狐の手紙/第四話 灯台守

    『桜風堂ものがたり』『星をつなぐ手』の番外編。あとがきによると、本編と異なり、はっきりとファンタジーや怪奇物語の側面を打ち出したとのこと。その意味で「夢ものがたり」としたそうな。

    本編の主人公・月原一整は、本作ではメインではない。
    第一話 桜風堂店主の孫・透少年と仲間たちが肝試しを企む話。怖い噂のある森の洋館での不思議な出来事が描かれる。少年たちの友情が微笑ましい。
    第二話 桜風堂を訪れた銀河堂書店店長・柳田六朗太が帰途道に迷う話。山道で迷ったときのことを教えてくれた亡き従姉や、死んでしまった子猫、子どものころの知り合いを思い出していると、彼らが現れる。
    第三話 銀河堂書店店員・三神渚砂が桜風堂を訪れる途中の話。確執のある父親のことを思い出しながら歩いていると、病院を抜け出して桜風堂に行くという当の父親に出会う。いい話としてくくってはいけない、そのうえで、渚砂にはよかったと思う。
    第四話 森に住む青い目の老人の話。長い間住んでいるのに、誰も正体を知らなかった。そこまで話を広げるか! と驚く。一方、一整を見守る優しい視線が描かれる。
    「会いたい人に会える」道。生きている人に都合がいい優しさだが、生き続けるのに必要な優しさではある。

  • 「本を読むことで自分と違う人生も見ることができる、人に優しくなれる」ってしみじみ思う事ができるこの作品。幼い頃に読んだ本だったり子どもたちが小さい頃に読んであげた本を読み返したくなるような感じでした。私は会いたい人に出会えるなら、亡くなった祖父母はもちろんだけど、今は成長した子どもたちが小さかった頃のあの子達に会いたい。一緒に何度も何度も読んだ絵本もあの書店には揃っていそう。本屋って人と本が出会えるだけでなく、時空を超えて会いたい人に出会える素敵な場所って感じられます。

  • 『桜風堂ものがたり』番外編として、本編とは毛色の異なるおとぎ話のような短編がそろっていた。

    会いたいけれど、会えない。
    そんな人や物語との再会を描いており、私自身もこんなことがあったらいいのになぁ、と思いながら読み進めた。
    現実的に言ってしまえば、実際に会うことは叶わない。けれど、絆の深い人や物語は私たちの意外と近くにいて、見守ってくれるのかもな、と思うとあたたかな気持ちになった。

  • 大好きな「桜風堂ものがたり」のスピンオフ。
    続編をもう読めないと思っていたので、スピンオフでも「桜風堂ものがたり」を読めるのは、とても嬉しい。
    今作はスピンオフなので、主人公の一整の出番は少なめ。
    その代わり、元桜風堂の主人の孫である透、銀河堂書店の店長・柳田、その銀河堂書店のカリスマ書店員・渚砂などが街へ向かう山の中で不思議な体験をするというお話が描かれる。
    ファンにとっては、お馴染みのメンバーで安心感がある。
    そして、作者得意のファンタジーを組み合わせて来ているので、本当にほっこりした感じで読めた。
    一整の登場シーンが少ないのは、少し寂しいが、まだ登場していないメンバーを主人公にした物語もあるらしいので、「スピンオフ」の続編に期待したい。
    心が塞ぐ世の中が続く中、温かい物語を発信し続けてくれる作者さんに感謝したい。

  • ネットギャリーから読ませていただきました。
    大好きな桜風堂ものがたりの最新作。
    続編ではなく、番外編の立ち位置だそうです。
    「夢」がついている通り、桜風堂ものがたりのファンタジーの一面を覗くことができる作品。

    ファンタジーといってもね、
    村山早紀さんはね、
    夢と現実が曖昧になった感じを描くのが本当に本当に素敵なので、ぜひ体験してもらいたい。
    コンビニたそがれ堂シリーズも、魔女たちは眠りを守る。も、「本当に、こんな奇跡があるんじゃないだろうか」と、思わせてくれるんです。

    ひっそりと渚砂ちゃんの大ファンだったので、彼女視点の一話がとても嬉しくて、大事に、泣きながら読みました。

    どこかで、あるかもしれない奇跡を願いながら。

  • 人物説明がありますが、桜風堂を読んでいなくても楽しめると思います。ファンタジーの世界が好きならなおさら。

    改めて本・絵本は良いなと思える本でした。

    スピンオフ第二弾も期待したいです。

  • 桜風堂物語シリーズのスピンオフ的な立ち位置の作品。

    もう二度と会えなくなってしまった、会えなくなりそうな大切な人や宝物に出会う物語。山間にある桜野町へいく峠が関係しているのか。
    不思議な連作短篇集。
    でも今の辛く苦しい世の中で、本当にこんなことがあったら…と思うと、読後、時間が過ぎればすぎるほど、胸がじんわりとしています。

  • 山間の町にある小さな書店「桜風堂書店」。店長の月原は、書店を再生しようと奔走している。今回はスピンオフ。月原の関係者が体験した不思議な物語4編を収録している。元桜風堂店主の孫、銀河堂書店店長、銀河堂書店で働く月原の元同僚、桜風堂書店の猫が体験したちょっとホラーでファンタジーな物語。


    不思議な物語で、幽霊や生霊といったものが登場するのですが、恐怖感はなく、ファンタジー小説として楽しめました。
    作者の村山さんは児童文学分野でのファンタジー小説を多く執筆しているので、得意分野かと思います。

    童話を読んでいるような感覚もあったので、そういった要素も含めて、どっちかというと児童向け寄りの小説かなと思いました。
    かといって、大人としても全然楽しめました。

    ただし、この作品は「桜風堂ものがたり」シリーズのスピンオフなので、何も知らない方にとっては、人物の関係性がなかなか掴めなく、魅力としては半減するかもしれません。

    ぜひ、本編の「桜風堂ものがたり」と「星を繋ぐ手」と合わせて読まれた方がグッと楽しめるかと思います。

    全4話で、どのエピソードも心が温かくなりましたし、「本」に対する愛情が感じられました。

    特に第1話の書店店主が発する言葉が顕著でした。

    「本を読むとは他人の人生を生きる」
    「一冊本を読むごとに、その本の分だけ優しくなれる」

    など心に残るフレーズが多くあって心が穏やかになりました。大人からみたら、偽善っぽい印象も頭の片隅で思ってしまいましたが、童心に帰るような気持ちにもさせてくれるので、癒されました。

    誰しも、幼い頃に心に残った本があるかと思います。長い年月が経っているのに今でも残っているのは、冷静に考えると不思議なことです。この作品を通じて、もう一度見てみようかなと思いました。

  • 桜風堂ものがたりの、心優しき人たちに起こる不思議なスピンオフ。
    それぞれの人にはそれぞれの心の中にそれぞれに小さな物語がある。
    誰かに伝えたいけれどもう伝えられない思いもある。そんな小さな思いをそっとくみ上げるような、心にしみる優しい一冊。

    注目は柳田六朗太店長迷子になるの章…その姿が目に浮かび、ぼやく声が聞こえるようだ(ニヤニヤ

  • 以前から気になっていた。桜風堂に続きが出た。
    今回は番外編。村山さんお得意のファンタジー感満載!これまでの桜風堂シリーズではあまり得意ではない方(苦笑)
    桜野町には亡くなった人に会える峠があるんだ。ネコのアリスには人が見えないものも見えるみたいだし、森に住んでいるご老人の正体は・・

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著者プロフィール

1963年長崎県生まれ。『ちいさいえりちゃん』で毎日童話新人賞最優秀賞、第4回椋鳩十児童文学賞を受賞。著書に『シェーラ姫の冒険』(童心社)、『コンビニたそがれ堂』『百貨の魔法』(以上、ポプラ社)、『アカネヒメ物語』『花咲家の人々』『竜宮ホテル』(以上、徳間書店)、『桜風堂ものがたり』『星をつなぐ手』『かなりや荘浪漫』(以上、PHP研究所)、げみ氏との共著に『春の旅人』『トロイメライ』(以上、立東舎)、エッセイ『心にいつも猫をかかえて』(エクスナレッジ)などがある。

「2022年 『魔女たちは眠りを守る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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