島津氏 鎌倉時代から続く名門のしたたかな戦略 (PHP新書 1411)

  • PHP研究所 (2024年9月25日発売)
3.25
  • (0)
  • (3)
  • (4)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 47
感想 : 5
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • 本 ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569857824

作品紹介・あらすじ

鎌倉時代から幕末まで九州南部を支配し、今なお続く武家の名門「島津氏」。その歴史は、安定していたとは言い難い。
東アジア海域の流通を抑え、中央(京都・江戸の朝廷・幕府)から一目置かれていたものの、南北朝期から室町・戦国期にかけては常に反島津方に晒され、兄弟間、一族間抗争が頻発。近世初頭には豊臣秀吉による軍事討伐の対象となり、関ヶ原での敗戦により改易の危機を迎える。さらに、江戸時代には外様大名として厳しい藩経営を強いられた。
それでも、島津氏は滅びなかった。いったい、なぜなのか? 
本書は、鎌倉時代から幕末まで島津家歴代当主の政策に焦点を当て、
700年の歴史を紡いできた島津氏の「生存戦略」に迫る。
巧みな交渉術、政権との距離感、敗北後の危機回避能力――、隠れた名家・島津氏に学ぶ「外交の神髄」に迫る!
専門家による「島津氏」通史の決定版。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 薩摩藩、島津家の歴史を知る。室町時代から約700年続いた島津家、著名な藩主は光久(2代目)、斉彬(11代目)、久光(12代目)となるが、密貿易、贋金(藩札)等で薩摩の500万両の負債を50万両の利益に変えた調所広郷による財政難を乗り越えることができた。更にその収益で幕末への武器、兵士(軍隊)などを他藩より先駆けて調達できたと言える。だが、密貿易での責任を一身に受けて服毒自殺してのは残念だ。知恵者と言われた調所広郷の存在がなかったら倒幕はなかったかもしれない。

  • 鎌倉時代から幕末まで島津家歴代当主の政策に焦点を当てた本です。
    政権との距離感、敗北後の危機回避など中々興味深い内容でした。

  • 鎌倉時代から続く島津家700年の歴史をまとめた一冊。
    内紛でお家分裂からの没落の危機はいくらでもあっただろうに、よく持ち堪えてきたなという印象。

  • 島津氏は源頼朝の家臣であった惟宗忠久が島津の荘を領有し島津を名字としたところから始める。その後、幕末まで700年もの間勢力を保ち続ける。
    島津家の歴史が以下分類で簡潔にまとめられている。

    第一章 島津忠久
    第二章 鎌倉時代の滅亡と室町幕府の成立を乗り切った貞久、氏久
    第三章 室町時代初期九州探題今川了俊と争った元久、久豊
    第四章 国一揆の勃発と宗家争いを経験する忠国、立久
    第五章では薩摩統一の礎を気づいた忠良、貴久
    第六章では大隅、日向を統一し九州探題制覇に迫った義久、義弘
    第七章では薩摩藩の礎を築く家久の政治
    第八章〜第九章では琉球貿易を始めた光久、藩政改革を行なった重豪
    第十章〜第十一章では幕末の動乱で薩摩をその主人公の一人に押し上げる斉彬、久光兄弟

  • 武蔵野大学図書館OPACへ⇒https://opac.musashino-u.ac.jp/detail?bbid=1000285261

全5件中 1 - 5件を表示

著者プロフィール

1971年生まれ。現在、南九州大学非常勤講師。
主な業績に、『日向国山東河南の攻防―室町時代の伊東氏と島津氏』(鉱脈社、2014年)、『薩摩島津氏』(編著、戎光祥出版、2014年)、『室町期島津氏領国の政治構造』(戎光祥出版、2015年)、『島津貴久―戦国大名島津氏の誕生』(戎光祥出版、2017年)、『島津四兄弟の九州統一戦』(星海社、2017年)、『中世島津氏研究の最前線』(編著、洋泉社、2018年)、『現代語訳上井覚兼日記1』(編著、ヒムカ出版、2020年)、『現代語訳上井覚兼日記2』(編著、ヒムカ出版、2021年)、『「不屈の両殿」島津義久・義弘』(KADOKAWA、2021年)などがある。

「2023年 『戦国武将列伝 11 九州編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

新名一仁の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×