日本人が知るべき東アジアの地政学 (PHP文庫)

著者 :
  • PHP研究所
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レビュー : 1
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569901268

作品紹介・あらすじ

米中覇権争いが激化する中、日本は近隣諸国とどう付き合えばよいのか。大人気予備校講師が地政学の視点から東アジアの未来を読み解く。

感想・レビュー・書評

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  • 『東アジアの地政学』
    ★★★☆☆

    苦手な歴史ですが、おとなり韓国の反日感情や、国民性が少し理解できた気がする。半島というパワーが集中する激烈な環境で、アイデンティティや自尊心を保つには仕方がなかったのかなと。

    以下、本文より要約。
    韓国やベトナムは、大陸国家が海上へ進出する際の通路となりやすいため、攻め込まれやすい。この「攻められやすさ」が半島国家の宿命であり、悲劇の歴史の背景である。朝鮮半島の歴史を振り返ると、常に周辺の大国に翻弄されてきた半島国家の過酷さ、強者にすり寄って生きてきたしたたかさ、異民族支配のもとで形成されてて来た強烈な自己主張と優劣意識の源泉がうかがえる。これは、和を尊ぶ島国の人間とは明らかに異なったモノの見方である。

    著者は、北朝鮮と韓国が向こう5年以内に統一国家になると予言している。悲願の民族独立も、それは朝鮮民族の幸せに繋がらないのではと悲観的だ。
    ちなみに「これからは中国進出」という経営者は情報弱者らしい...耳がいたい。

    その他備忘録:
    ■朝鮮民族は半島国家として周辺国に蹂躙され、侵略され続けてきた。韓国はいまだにその構図から抜け出していないのに対して、北朝鮮には民族を守り、民族の誇りを保証してくれる核とミサイルがある。わたしたちの目には、北朝鮮には核とミサイル「しか」なく、それは核拡散防止の原則にも反しているし、悲惨な核兵器を交渉材料に使うなど許しがたいと移るが、韓国の「進歩派」にとっては、これまで一度も自ら守れなかった朝鮮民族が始めて手にした放蕩が核とミサイルなのだ。
    ■地政学では、バランス・オブ・パワーが崩れたとき、戦争が起こるとされる。第二次世界大戦も、厭戦気分から各国が軍縮に向かったのに対し、ナチス・ドイツだけが着々と軍備を増強していた。つまり、英国やフランスの人々が「戦争をしたくない」と思っていたからこそ、新しい戦争を招いてしまったのだそう。

    ■地政学的に、石油・ガスといったエネルギー供給を中東に依存する日本のチョークポイントは、台湾とフィリピンの間にあるバシー海峡や、マレー半島とスマトラ島の間にあるマラッカ海峡が該当する。
    ■韓国の学歴至上主義、大企業主義、公務員主義、ブルーカラーを見下す傾向は、明の時代の朝鮮王朝の「朱子学」偏重の名残である。明の崩壊で孤立無援となった挑戦は、表面的には清に服属して国を守るいしかなかったものの、面従腹背の態度を続けながら、「和が挑戦は国土は小さいが、滅亡した明の文明の継承者である」と信じ、ひそかうに明の年号を使い続けることでプライドを保ってきた。
    ■朝鮮の王族、閔妃の暗殺を日本が主導したことが、今日まで禍根を残した原因となっている。
    ■1910年に韓国併合条約が結ばれ、1945年に日本が配線するまでの36年間、朝鮮半島は史上初めて中国以外の国の一部となる。
    ■文ジェインは、鳩山由紀夫か菅直人。
    ■日本の統治そのものを全面否定する、その痕跡さえ消し去ろうとするのは、朝鮮半島だけで怒っている現象。著者はその原因を、朱子学の「華夷思想」にあると考える。
    ■中華帝国の冊封体制は、バラマキ政策のため、帝国の威光が世界に広がれば広がるほど、財政が悪化する。米中の新冷戦は、結末として中国の崩壊に終わるだろうと著者は予言する。経済成長が行き詰り、人民解放軍の各戦区の統率の乱れから、国内が諸勢力に分割される。
    ■アメリカの共和党支持者の心理。彼らが肌身で感じるグローバリズムとは、中国から入ってくる安い衣料品や雑貨であり、メキシコなどの中南米からやってきて低賃金で働く不法移民であり、誰のためにやっているのか理解できないアフガニスタン戦争やイラク戦争で米兵を殺傷するテロリストなのだ。
    ■今後の東アジアの動きは、米中の覇権争いを中心とした動きとなるであろう。
    ■シーパワーの日本が果たすべき役割は、東アジアから引いていく米国の穴を埋め、バランス・オブ・パワーを維持しつつ、自由と繁栄を志向する海洋アジア諸国の柱として、リーダーシップを発揮すること。TPPを成功させ、将来のアジア太平洋版NATOに発展させること。
    ■日本国憲法は当然改正すべき。

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著者プロフィール

●著者プロフィール
茂木誠(もぎ・まこと)
歴史系YouTuber 、著述家、予備校講師。駿台予備学校、ネット配信のN 予備校で世界史を担当し、 iPad を駆使した独自の視覚的授業が好評。世界史の受験参考書のほか一般向けの著書に、『経済は世界史から学べ ! 』(ダイヤモンド社)、『ニュースのなぜ?は世界史に学べ』シリーズ(SB新書)、『世界史とつなげて学べ 超日本史』(KADOKAWA)、『世界史で学べ ! 地政学』(祥伝社)など多数。YouTubeもぎせかチャンネルで歴史 と時事問題について発信中。

●第3部共同執筆者 プロフィール
大井健輔(おおい・けんすけ)
1981年生まれ。千葉県出身。大井日本アジア研究所代表。立教大学大学院後期博士課程6年次中退。日本思想史専攻。
現在はベトナムに住み、中・高・大学生、技能実習生、エンジニアを対象に日本語教師も務めている。著書に『津田左右吉、大日本帝国との対決』(勉誠出版)、『日本語教師放浪記―ベトナム・ミャンマー・台湾・インド編―』( kindle )がある。

「2021年 『世界史講師が語る 教科書が教えてくれない 「保守」って何?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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