いやし 〈医療〉時代小説傑作選 (PHP文芸文庫)

  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569901442

作品紹介・あらすじ

時代を代表する短編が勢揃い! 江戸の町医者、歯医者、産婦人科医……命を救う者たちの戦いと葛藤を描く珠玉の時代小説アンソロジー。

感想・レビュー・書評

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  • 今回も大満足しております。(ただアンソロジーゆえの哀しさ、『藪医 ふららこ』と『初物語』は完読しているものでして)

    その他の作品は医療なので、歯科医や闇医者などの話もあり、なかなか切ないなぁと思いつつ、読んでました。

    コロナが蔓延している昨今ではやはり痛みも感じますね。

    でも、面白かったです。

  • 【収録作品】「藪医 ふらここ堂」朝井まかて/「春の夢」(『闇医者おゑん秘録帖』)あさのあつこ/「菊姫様奇譚」(『口中医桂助事件帖 手鞠花おゆう』)和田はつ子/「仇持ち」知野みさき/「寿の毒」(『〈完本〉初ものがたり』)宮部みゆき

    テーマを統一したアンソロジーは自分の好みがよくわかる。あさのあつこと宮部みゆきは再読どころか何度も読んでいるのだけど、安定の面白さ。「仇持ち」はシリーズになっていそうだったが、単発書き下ろしとのことで残念。いやいやこれからシリーズになるのかも、と期待。

  • やられました。どの短編も、出典元を読まずにはいられない。読みたいリストが長くなりました。宮部みゆきの『寿の毒』は茂七親分の話なので、昔読んだはずなのに全然覚えてない。ということはつまり、もう一度楽しめるということで… 大変だ。『本所深川ふしぎ草子』からリプレイです。

  • 2021年8月PHP文芸文庫刊。女性時代小説傑作選シリーズ8作目。朝井まかて:藪医ふらここ堂から「藪医ふらここ堂」、あさのあつこ闇医者おゑん秘録帖から「春の夢」、和田はつ子:口中医桂助事件帖手鞠花おゆうから「菊姫様奇譚」、知野みさき: 書き下ろし「仇持ち」、宮部みゆき:<完本>初ものがたりから「寿の毒」、5つの作品を所収。知野さんの仇持ちが書き下ろしだけあって新鮮で面白い。細谷さんが解説で言うようにシリーズ化して欲しい。残りは既読だが面白い。宮部さんファンなので…長くなるのでここまでに。

  • 好きで読んできた時代小説アンソロジー。ここへ来て人気なのか立て続けに続編が出てきた。この「いやし」は医者括り。朝井まかてはありがちな藪と呼ばれる医者の話。藪と評判だが実は…的な。あさのあつこの話は女医。時代小説ではあるが、内容は現代でも充分あり得る。妊娠は男が居ないとしないのに、妊娠した後の数多の責は女に課せられる。産む産まないに関わらず、母体へ、そして、精神的にも負担は多大なものだ。現代でもそれは何ら変わらない。辛い話だ。和田はつ子は歯科医の話。この時代にも普通に歯医者が居たのには驚きだ。知野みさきは仇討ちを胸に秘めた女子が主人公。苦労を重ねて仇を見つけたが…。彼女に助太刀してくれる医者にも傷のある過去がある。なかなか引き込まれる話だった。最後は回向院の茂七の宮部みゆき。抜群の安定感で、ストーリーに集中できる。茂七の頼りにする屋台の親父がまたカッコイイ。殺人事件ではあるけれど、時代を楽しめる。全体的に医者括りだからか重め。

  • 江戸時代の医療を題材にした短編集です。
    全体的に安定した面白さでした。
    でも、和田はつ子さんや宮部みゆきさんはシリーズものの読み切りだったので、知っている人じゃないと登場人物の性格が掴みづらい部分があったかもなぁと言う感じです。
    私はどちらもシリーズを読んでましたが、和田はつ子さんの口中医桂助シリーズは久々すぎたので、これは何冊目あたりの話なんだろうか、ばかり気になってました。
    個人的には仇討ち話の絡んだ凛が主人公の短編が面白かったです。最後はきっと自らの手をかけることはしないだろうと予測はつきながらも、うまく収まったことにホッとしました。
    江戸時代の女性が主役の話は境遇こそ恵まれなくても凛と強くて情に熱い登場人物が多いので、読んでいてとても楽しく、ハッピーエンドに辿り着くと清々しい気分になります。
    医療シリーズではありますが、そもそも話の流れが殺人やら仇討ちやら拐かしやらと事件が前提なので、推理小説のように読めるところもあり、短編集ですが読み応えがあります。

  • 女性作家5人による医療がテーマの時代小説アンソロジー。
    医療はいやし。
    昔も今も、医療従事者の治療ばかりでなく言葉に救われことがある。大丈夫ですよ、と言われればどんなにか安堵することか。
    5人の女性作家さんそれぞれの ’いやし′ を楽しんだ。

  • 医療をテーマとする作品のアンソロジー。
    知野みさき「仇持ち」のみ書き下ろしだが、この作品が作り込まれていて面白かった。医療行為にともなう責任と人間関係のあいだに生まれる感情の機微がうまく織り交ぜられていた。

  • 2021年第1刷、PHP研究所のPHP文芸文庫。5編。朝井/まかて『藪医ふらここ堂』が若干コメディ的。朝井まかてはアンソロジーとかの1編だと面白く読めるのに、まとまっている本はなぜか読み通せない。私にとって不思議な作家。知野/みさき『仇持ち』筋が通っていて結末もこれからをいろいろと思わせる。アンソロジーの中だと、シリーズ物の一編よりこういうものの方がいいかな。まぁ、アンソロジーからシリーズを読みたくなることもあるのでそれもいいのですが。宮部/みゆき『寿の毒』出典で既読。結構印象に残らない一編だった記憶が。

    収録作:『藪医ふらここ堂』朝井/まかて、『春の夢』あさの/あつこ、『菊姫様奇譚』和田/はつ子、『仇持ち』知野/みさき、『寿の毒』宮部/みゆき、解説:細谷正充(文芸評論家)

    出典:『藪医ふらここ堂』(『藪医 ふらここ堂』所収 講談社文庫)、『春の夢』(『闇医者おゑん秘録帖』所収 中公文庫)、『菊姫様奇譚』(『口内医桂助事件帖 手鞠花おゆう』所収 小学館文庫)、『仇持ち』(書き下ろし)、『寿の毒』(『〈完本〉初ものがたり』所収 PHP文芸文庫)

  • 間違いなかった。やっぱり宮部さんはいいなぁ。偉そうですいません

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著者プロフィール

1960年東京都生まれ。87年『我らが隣人の犯罪』で、「オール讀物推理小説新人賞」を受賞し、デビュー。92年『龍は眠る』で「日本推理作家協会賞」、『本所深川ふしぎ草紙』で「吉川英治文学新人賞」を受賞。93年『火車』で「山本周五郎賞」、99年『理由』で「直木賞」を受賞する。その他著書に、『おそろし』『あんじゅう』『泣き童子』『三鬼』『あやかし草紙』『黒武御神火御殿』「三島屋」シリーズ等がある。

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