強奪 箱根駅伝 (PHP文芸文庫)

  • PHP研究所 (2023年11月9日発売)
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感想 : 6
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  • 本 ・本 (472ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569903583

作品紹介・あらすじ

ラストシーンに、思わず滂沱(ぼうだ)の涙を流し、
嗚咽(おえつ)を漏らしそうになりました。
徳光和夫(フリーアナウンサー)

箱根駅伝本戦を控えた神奈川大学駅伝チームの女子マネージャーが拉致された。犯人は神大の一人の選手を指名し、彼の本戦欠場を要求。さらに監禁した彼女の映像を、テレビ局に送りつけ、駅伝中継すら乗っ取れることも仄めかす。事件解決の決め手がないままスタートした往路の競技中、犯人から、身代金の受け渡しの生中継という新たな要求が……。
選手、誘拐犯、テレビ局、警察、各々の思惑と矜持が激しく交錯するサスペンス巨編。

感想・レビュー・書評

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  • フォローしている方のレビューに惹かれて読んでみた。

    それにしても「箱根駅伝」というコンテンツの力は凄いな。
    こんな話でも、駅伝の描写のところには惹き込まれる。
    アナウンサーの実況にはその口調が蘇るし、地名を聞けば何区のどのあたりか、あとどれくらいか、景色とともに脳内で再生される。
    あんな目にあった選手がいきなり10区を走るなんていうのは無茶だと思うが、まあ、いいか。

    なかなか魅力的なタイトルなのだが、事件の話はさっぱり面白くない。
    犯人がくそ過ぎるし、何がしたいのか焦点が定まらず。
    対するTV局と警察もそれぞれ何を守ろうとしているのか、メインになる人物の考えていることの描写も散漫で、協力や対立の緊迫感を感じられず。
    マイクロ波やら電波ジャックのからくりがよく理解できなかったのはごめんなさいなのだが、あんなふうに犯人を追い詰めていたら中継はどうなっていたのだろうと余計な心配。

    やはり1月2日3日の生中継を見るに限るね。

  • いや〜読む手をどこで止めたら良いやら…読み始めから吸い込まれるように箱根駅伝の世界へ。

    「箱根駅伝」の四文字を見ると読みたい!と心がウズウズします。
    大好きで毎年見ている箱根駅伝。
    箱根駅伝関連の小説を今迄何冊か読んできましたが、ミステリー仕立ては初めて!
    駅伝とミステリーを絡めたストーリーはともかく箱根の臨場感がすごい!リアル!
    特にアナウンサーの実況中継はリアルな臨場感たっぷりで、読んでいると実際にアナウンサーの声が聞こえてくるよう。
    読む手が止まりませんでした。
    丸二日間の箱根をかき乱したわりには事件収束は呆気なく尻窄み…とういより駅伝の勢いにかき消され読んでいて事件はどうでも良くなってしまった(^^;
    それくらい箱根駅伝の凄まじさが上回った!という感じ。
    ラストはもう涙涙。
    あっ、でも事件があったからこそラストの選手の様子にのめり込んだのかもしれない…と思うとミステリー絡みの箱根駅伝、してやったりなのかな?

    あと4か月ちょっと!また箱根駅伝がやってくる!
    毎年大勢のスタッフを要して全力で生放送している関係者の皆さんの汗と涙と努力の結晶が画面にのる!
    み〜んなの想いが一つになるから箱根は素晴らしい!
    本書に記載される中継テレビ局の凄まじい様子は実際のほんの少しであろう。
    感謝しながらまたテレビにかじりつこう!

  • タイトルに「箱根駅伝」が入っていたので面白そうで読んでみました!出場校のマネージャーが誘拐されて…という事件が大元にあるミステリーなのにちゃんと駅伝も描かれていてどっちも楽しめた感がありました(笑)

  • あの箱根駅伝を舞台にしたミステリー。
    小さい頃から箱根駅伝を楽しみにしていた者としては読まなきゃいけない衝動に駆られて一気読み。

    いざ駅伝が始まると、文面から臨場感が伝わります。

    駅伝後のストーリーを思い描きながら、余韻に浸ってます。

  • 十数時間の箱根駅伝をテレビ生中継するためには、大勢の人達が、自分の仕事を決められた時間で確実に遂行しなければならない。それでも突発的なトラブルは発生するので、臨機応変のリカバリが必要だ。
    それだけでもスリリングなドラマなのに、箱根駅伝強奪という事件が発生する。
    全中継を指揮するプロデューサーは、胃が痛いどころでは済まないだろうなぁ。
    と、思いながら、プロデューサーには申し訳ないが、面白く読まさせて頂いた。

  • 箱根駅伝の出場校の駅伝チームの女子マネージャーを拉致し、ある選手を名指しして欠場を要求。犯人は更に要求した身代金受け渡しの中継を指示するなど、駅伝中継そのものを乗っ取ろうとするような無理難題を吹っかけてくる。犯人、テレビ局、警察それぞれの思惑が絡まり合って、一秒を争う綱渡りが始まったのだ。犯行動機がはっきりしないのは、昨夜睡魔と戦いながら読んだ時に見落としたのか?自分のせいかもしれないが、幼い頃の体験からどうやって実際の犯行に至ったのかが、今ひとつ腑に落ちなかった。

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著者プロフィール

1956年、静岡県生まれ。明治大学卒。‘94年『死が舞い降りた』で日本推理サスペンス大賞優秀賞を受賞しデビュー。2000年『鬼子母神』でホラーサスペンス大賞特別賞、’10年には「随監」で日本推理作家協会賞短編部門を受賞。緻密な取材が生む警察小説やサスペンス小説で多くのファンを魅了する。本書は朝鮮戦争で計画された原爆投下の機密作戦を巡る謀略を描く渾身の作。著書に『限界捜査』『ソウル行最終便』『彷徨捜査』『伏流捜査』(祥伝社文庫)『撃てない警官』『夜の署長』等。

「2023年 『ブラックバード』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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