婚活食堂 (11) (PHP文芸文庫)

  • PHP研究所 (2024年5月9日発売)
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本 ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784569903958

作品紹介・あらすじ

悩んだときには、まずは美味しい料理をどうぞ
元占い師の女将が常連客たちの結婚の悩みを解きほぐす、人気の人情グルメシリーズ

「めぐみ食堂」の仕入れ先である、豊洲市場の鰹節屋の娘が“玉の輿婚”の末、子供を連れて実家に戻ったという。事情を聞いた恵は、同じく仕入れ先である、つまもの屋の若旦那から彼女との恋の仲立ちを頼まれ、ひと肌脱ごうとする。一方、ある常連客の女性が、一度に二人の男性から思いを寄せられて……。
豆腐と塩鮭の鉢蒸し、マンゴーのカナッペなど、お酒に合う新メニューも満載の人気シリーズ第11弾!
文庫書き下ろし。

◎目次
一皿目 蕎麦で愛して
二皿目 からし菜の哀しみ
三皿目 萌えろ、キャンプの火
四皿目 ホタルイカのお相手
五皿目 危うし、マンゴー!
『婚活食堂11』レシピ集

感想・レビュー・書評

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  •  元・人気占い師だった玉坂恵が営むおでん屋「めぐみ食堂」を舞台にした、連作短編ヒューマンファンタジー。シリーズ11作目。 
              ◇
     その日、恵が訪れのは、東京メトロ新宿3丁目駅から5分ほど歩いた路地にある雑居ビルだ。縦に長細いビルの1階には理髪店が、3階以上の各階には小さなオフィスが、それぞれ入っている。恵の目的の店はその2階にあった。

     狭い階段を上った先には「蕎麦居酒屋ひなた」と書かれた看板が上がっており、その脇に胡蝶蘭の祝い鉢が1つ置かれている。鉢には「丸真トラスト」という名札が添えられていた。

     「こんにちは」と言いながらドアを開けた恵に、「いらっしゃい」と元気な声がカウンターから返ってくる。明日開店するこの店の女将、桂木日向だ。
     日向は昨年末にふた月ほどめぐみ食堂で女将としての研修を積み、この度めでたく開業の運びとなったのだった。

     カウンター席5つと2人がけテーブル1つの小ぢんまりした店内を見回した恵は……。
    ( 第1話「一皿目 蕎麦で愛して」) ※全5話。

          * * * * *

     10巻でひと段落と思っていたので、この巻からは何か新しい展開になるのではと期待して読みました。

     思ったとおり、新展開の幕開けを祝うかのように賑やかな内容で、恵の初弟子・日向の独立あり、新たに結ばれるご縁あり、古馴染さんたちの久々の登場あり、子どもの誘拐事件ありと、とても楽しめる展開でした。

     中でも特筆すべきは、ある常連さんの女性に芽生えたご縁についてです。

     そのご縁に巡り会った女性とは、「クールビューティー」沢口秀。自立心と正義感が強く、頭もいい。登場人物の中でいちばんカッコいいと、私が思っていた女性です。
     彼女は恋愛しにくい体質であるという設定なので、山口恵以子さんがどんなストーリーを考えていらっしゃるか、前々から気になっていました。
     展開は読めてしまうのですが、感動的なラストシーンが用意されていて満足でした。

     恋愛しにくい体質と言えば、藤原海斗 ( 男性陣ではいちばんカッコいい!) についてもチラリと触れられているところがあり、それが来たるべきドラマの前フリのように思われたので、続巻もおおいに期待できそうです。

     ただ今回は、他作品とのコラボはお休みだったので、少し淋しく感じました。

  • 大好きなシリーズ第11弾!
    まだまだ婚活パワー健在で、新しいご縁が生まれていく様子に立ち会えるのは幸せ。
    前作はハラハラすることも多かったですが、今回は穏やかな気持ちで読めるお話しが中心に感じました。

  • 安定のシリーズ第11弾!
    表紙の豪華なバーベキュー。
    片道2時間強の場所で日帰り。
    さぞかし準備が大変だったであろう。
    功さん、尊敬!私も混ざりたいーーー‼︎
    今回も多幸感あふれる内容で読了感抜群。
    次回も期待!

  • 一番恋愛から遠いと思っていた人物が二人からプロポーズされるとは。相変わらず意外性があった。そしてプロポーズがあったからと全てはいと言う訳ではないと改めて感じた。登場人物、これだけ多いのにこんがらがらないのは作者の手腕なんだろうなぁ。

  • まるで小説と言うよりも漫画を読んでいるかのようにすらすらと読める。

    ラスト、秀が幸せになり、本当によかった。
    他のメンバーも皆幸せになることを祈っている。

  • 今作も面白かった!結婚には色んな形がある。人それぞれの幸せの形がある!

  • 移動の電車でほぼほぼ読んだ。クールビューティの秀さんの結婚良かったです。ウニのお店…いいなあ。宝くじでも当たらないか…。美味しいものちょっとずつ食べて美味しいお酒飲みたいとしみじみ思う。

  • めぐみ食堂の仕入れ店の娘が玉の輿婚の末、出戻った。酷い仕打ちをされているのをみた他の店の若旦那が再婚相手に名乗りを挙げて…

    玉の輿ってやはり格差婚だと上手くいかないんですね。旦那も庇う所が浮気するとは。
    それでも、離婚してからやっと人間的に分かり合えて良かったです。
    若旦那とも上手くいきそうで、この先楽しみです。

  • 2024年34冊目
    年に2回、大好きなシリーズの新刊が読める幸せ…!!!
    恵に、背後に灯る明るい温かな色の光が見えてくると胸の高鳴りが止まらない。
    気付けばもう11巻目。次回作も楽しみな1冊。

  • 安定の面白さ。

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著者プロフィール

1958年、東京都江戸川区生まれ。早稲田大学文学部卒業。松竹シナリオ研究所で学び、脚本家を目指し、プロットライターとして活動。その後、丸の内新聞事業協同組合の社員食堂に勤務しながら、小説の執筆に取り組む。2007年、『邪剣始末』で作家デビュー。2013年、『月下上海』で第20回松本清張賞を受賞。その他の著書に「婚活食堂」「食堂のおばちゃん」「ゆうれい居酒屋」シリーズや、『風待心中』『ゆうれい居酒屋』『恋形見』『いつでも母と』、共著に『猿と猿回し』などがある。

「2023年 『婚活食堂9』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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