- 本 ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569903989
作品紹介・あらすじ
解剖学者(養老孟司氏)とお笑いタレント(伊集院光氏)による、共感だらけの生き方放談。待望の文庫化!
≪「東大卒の医学博士、解剖学者であり大ベストセラーの著者である先生に対し、伊集院光ごときが親近感?」と笑われるかもしれませんが、同じ匂いを感じるのです。その匂いの元が何なのか、先生のご著書『半分生きて、半分死んでいる』(PHP新書)を読んでいてピンときました。「別に世間が間違っているわけではない。間違っているのは、自分のほうかもしれない。だけど世間と自分がズレていることだけは間違いない。ひょっとすると、そのズレが、物書きになる原動力か、と思う」――この文章を初めて読んだとき、僕は救われたような気がしました。僕が感じていた先生との共通点は「世間からズレている」ことです。≫(「はじめに(伊集院光氏)」より抜粋)
世間からズレている。そんな自分自身とどう付き合って生きるか。どう世間と折り合いをつけて生きていくか――。お互いの人生体験を振り返りながら、楽しくもマジメに考えあう。生き方のヒントが満載!
「文庫版まえがき(伊集院光氏)」「文庫版あとがき(養老孟司氏)」を新たに収録。
<本書の主な内容>
第一章 僕らは世間からズレている
●先生、ゲーマーの味方をしてくれましたね
●僕は医者に向いていなかった
●棺桶を持って非常階段を降りたことある? ほか
第二章 僕がなんで不登校になったのかというと。
●変な手間をかけてる昆虫が生き残っていますよね
●サンドウィッチマンが売れた理由は
●先生と「男と女」の話をするとは! ほか
第三章 世間って、そもそも何でしょう
●ゴキブリが嫌われるのは「意味不明」だから
●お笑いは基本「笑われる」ことを嫌うんです
●世間には不必要な人間が必要ですよね ほか
第四章 たまに世間から抜け出す方法
●思いつめてしまったら猫を見てください
●一度外れてしまうのもありですよね
●今のお笑いは専門学校に行く。大変ですよ ほか
第五章 先生のその発想は、 どこから来ているんですか?
●理屈じゃないことがこの世には存在するという理屈
●最近は、嫌いなもの潰しをしています
●「幽霊は現実だ」といえる場合がある ほか
第六章 「シーラカンス」がいることは、希望ですね
●AIに仕事を取られるとよく言いますが
●人がいらない社会をつくってどうするんだろう
●僕の次のステップは「おもしろすぎないトーク」です ほか
感想・レビュー・書評
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タイトルの通り。
世間とズレちゃう。最近よくそう強く思う。この生きづらさは死ぬまで続くのか、と。そんなとき書店でふとに手にしたのが本書。
伊集院さんのお笑いや世間とのズレをここまで理路整然と自分のなかで納得させながら半ば怯えつつ、理論武装して世間や芸能界を渡ってきたのかとちょっと驚く。テレビで見ていて博識なところはなんとなく知っていたが、話を読むと凄く繊細な人柄が伝わってきた。
かたや養老先生の飄々とした語り口に癒され、「思いつめてしまったら猫を見てください」という言葉に妙に納得した。
"人間の世界はつい「ああしなきゃ、こうしなきゃ」となるけど、猫の顔を見てると「本当にそうなのかな。あれでも十分に生きてるよなぁ」となって、思い詰めているのが溶けちゃいます。”
ああでもなくこうでもなくと頭で考えている、つまり意識中心の生活のなかで、自分の都合で好き勝手生きている生き物=猫を見ると、その存在によって人間の思念を相対化できる。
私もたまに近所の猫を見ると心和んでいたが、その理由が解けたような気がした。 -
世間とのズレに怯えたり困ったりしている人たちのために、養老孟司と伊集院光が自身の経験からいかに日常生活に対応していくかを対談形式で探る。それぞれが赤ら様に他人や社会との違和感を提示することで勇気が湧いてくる。
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解剖学者の養老孟司氏と元落語家の伊集院光氏の世間とのズレをテーマにした対談を元にした本。
お二人の世間との独特の向き合い方・距離のとり方、かつ両者の世間とのズレに対する視線はある意味逆向きというのが面白い。視点の持ち方次第で、同じもの・ことも見え方が変わる。○でも✕でもない△的な見方で、人生を楽にするヒントとなる1冊。 -
自分も養老先生とお話してみたくなります。
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養老先生のお話をもう少し聞きたかった。伊集院さんしゃべりすぎ。笑
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伊集院さんが想像する養老さんとは実態が異なっていて、伊集院さんが驚く場面というのが多いように思った。「世間からのズレ」がテーマなので、それはそれで面白い。それでいて波長の合う二人の対談は読んでいてとても心地よく感じた。お二人の対談はもっと読んでいたい。
著者プロフィール
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