赤と青のガウン オックスフォード留学記 (PHP文庫)

  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569904009

感想・レビュー・書評

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  •  現天皇陛下と又従兄関係である三笠宮家・彬子女王。本書は副題の通り、オックスフォード大学に5年間留学され、女性皇族として初めて海外で博士号を取得された留学記です。

     皇族の方の留学なので、至れり尽くせりの楽しい留学生活というお硬いイメージとは程遠い、山あり谷ありの生活がありのまま記され、彬子さまの誠実さが伝わってきます。生き生きと臨場感あふれる筆致が素晴らしく、興味深く読むことができました。

     我々庶民には知られざる皇族方のあれこれの外、異文化交流・体験の紹介など、驚きと泣き笑いの赤裸々な内容に引き込まれました。
     本書の内容にほっこりさせられる一方で、彼女が抱えていた苦悩や葛藤、そして努力と成長は、紛れもなく等身大の一人の人として鮮やかに描かれいました。多くの支持はこの辺にあるのでしょう。

     9年前の単行本がTwitterで話題になり、本年文庫化。こういうこともあるんですね。一人の人のレビューの影響力の大きさを感じます。
     本書が、皇族への親近感、留学・異文化交流への関心、夢や目標への挑戦喚起等の面で、多大な貢献となり得ていますし、何よりも勇気を与えてくれる一冊だと思いました。

    • かなさん
      本とコさん、こんにちは!
      先日、天皇皇后陛下が
      オックスフォード大学を訪ねましたよねっ(*'▽')
      この作品の舞台だぁ~と思って
      嬉...
      本とコさん、こんにちは!
      先日、天皇皇后陛下が
      オックスフォード大学を訪ねましたよねっ(*'▽')
      この作品の舞台だぁ~と思って
      嬉しく思いました!
      2024/07/16
    • NO Book & Coffee  NO LIFEさん
      そうでした、そうでした!
      歴史と伝統と格式の高さを感じてしまいますね(*⁰▿⁰*)
      そうでした、そうでした!
      歴史と伝統と格式の高さを感じてしまいますね(*⁰▿⁰*)
      2024/07/16
  •  この作品の存在を知るまで、恥ずかしながら、“彬子女王”のことは知ろうともしませんでした。縁のない世界だからと遠ざけていたのかもしれません。読み終えた今でも、縁のない世界だという思いはあるけれど、皇族の方々も色んなことに悩み、そして苦労もしてるんだ…と、当たり前のことなんだけれど感じました。“彬子女王”が、留学中に垣間見せてくれる言動には親しみを覚えました。

     この作品は、大正天皇の曾孫で故寛仁親王の第一女子“彬子女王”が、英国オックスフォード大学に留学し博士号を取得された経緯と経過をまとめた留学記です。留学先での戸惑い、素敵な出会い、日々の生活、そして学ぶこと…英国では、日本の皇族だからという特別視は一切されません。そんな中、ご苦労して体調をも崩しながら貪欲に学ばれたこと…素晴らしいし、読んでいて誇らしい気持ちにもなりました。

     故寛仁親王は“彬子女王”に留学の条件として、留学記を書くことを求められました。たくさんの人に、支えられて生きてきたことに気づけたことが一番の成果であったと…。それに、故寛仁親王は父として、皇族として気づいてほしかったんでしょうね、その愛情に心が熱くなりました。

     とはいえ、読むのに時間を要したのは沢山の出会いがありすぎて、あれれ??となってしまって…途中読了できるかどうか不安になりました。でも最後まで読めてよかったし、もしこの作品を手にして、私のようにあれれ??となっても、ぜひ最後まで読んでみてください(多分、そんなふうに思うのは私だけかもしれないけれど(汗))。

  •  故三笠宮寛仁殿下の長女彬子女王の英国留学記である。雑誌『Voice』に連載したオックスフォード大学で博士号を授与されるまでを書籍化したもの。

     忖度なしで面白い。若い女性の瑞々しい感性が表現されている本です。皇族ならではのエピソードもある。外交旅券を見たことがない田舎の空港で、日本のプリンセスだと答えたら、「光栄ですわ」と言われる。エリザベス女王(こちらはQueen)にバッキンガム宮殿に招かれ、お茶した際には自身が皇族にもかかわらず、かなり緊張したことなど。このあたり一般国民には、想像がつかないところですね。

  • 本書、作者名「彬子女王」
    オックスフォード、マートンコレッジで、日本の女性皇族として、初の博士号を取得した、三笠宮彬子女王による、英国留学記。

    文庫版の帯には「生まれて初めて、一人で街を歩いたのは日本ではなく、オックスフォードだったー。」
    また、お正月、お雑煮ではなくて「おひしはなびら」を頂くとの事。(漢字の変換出来なかった( ; ; )
    お正月頃、和菓子店に有る、花びら餅の原型らしい。

    留学中は多くの、恩師、友人知人に支えられ、勿論その立場もあり紹介される人々には恵まれるでしょうが、その人柄の良さが際立つ。
    生き生きとした素直な文章は、好感度大!

    大変な苦労をしつつ勉強をがんばり、母国語以外での論文を書き上げ、博士の印である赤と青のガウンを着られた、彬子女王すてきです!

  • 2015年に出版された彬子女王の英国留学記の文庫版。文庫版として時を経て出版されたのはSNSで話題になったからとのこと。これまで彬子女王のことをあまり存じ上げず、皇族の方の本を読むのも今回が初めて。海外(国や地域によって対応は異なるとのこと)での護衛の仕方といった話から、実家からの仕送り品の話など、海外で留学する皇室の方の行動や生活の一端に触れられた。本題のオックスフォードでの留学に関する様々な話(含英国の話)もとても面白かった。個人的に感じたのは皇室だからといって過度な特別扱いがないこと(もちろん人脈づくりなどではもともと相当恵まれている様子が分かったが)、そして、とても常識的な方だということ。5年間でオックスフォード大学の博士号をしっかり取得したのはやはりすごいと思う。上質で落ち着いたアカデミックな雰囲気を感じながらも、退屈せず楽しく読み進められるなかなかない秀逸なエッセイだと思った。

  • オックスフォード?留学?彬子女王?皇族?かすりもしないと思ったのに・・・刺さった。孤独や不安、重圧の中、志を果たそうと頑張る姿やエピソードに心奪われる。自分の家族や身内の話みたいな感覚になってた。

  • 想像以上に面白くサクッと読めた。読者が知りたい事、自分が発信したい事を、読み易いワードでキチンと書き分けられていたし、他者への思いやりも感じられた。何よりイギリスの様子、ロンドンの街事情が細かく描かれていて、大好きな大英博物館の香りまで漂ってきた。

  • 自分では絶対に経験できない「プリンセスとしてのオックスフォード留学」というものを、親しみやすい文章で伝えてくださっている1冊。
    こんなに励んでいらっしゃったのか…と感銘を受けながら、明るく楽しいお人柄なのだろうとお見受けできてとても良かった。

  • 本書が話題になっている中で、テレビで彬子女王ご本人が本書についてインタビューを受けている様子を拝見して手に取った。オックスフォード大学での生活、大英博物館の様子、博士号を取得する過程、英国文化知らない生活がとても読みやすい文体で書かれていて一気に読んだ。ヨーロッパの交通網についてのエピソードが特に面白かった!あと、警衛のシオダさん!

  • 人生で一度は留学してみたいと思いました。

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著者プロフィール

京都産業大学日本文化研究所特別教授

「2022年 『ベスト・エッセイ2022』 で使われていた紹介文から引用しています。」

彬子女王の作品

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