あなたが気づかなかった花 (PHP文芸文庫)

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  • PHP研究所 (2025年1月8日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784569904566

作品紹介・あらすじ

結婚式に参列した千佳は、帰り道でタクシーの運転手に想いを零す(六月 アマリリス 「おしゃべり」)、資格試験に合格した優里は、喧嘩別れした親友のことを思い出す(三月 クリスマスローズ 「追憶」)、推しのスキャンダルにショックを受けたるりは、あることを思いつき――(八月 向日葵 「あなただけを見つめる」)。女性たちの揺れ動く心情を、花と花言葉にリンクさせながら、温かく描き出していく二十四篇の連作小説集。

感想・レビュー・書評

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  • 花と花言葉、女性たちを軸にした24の連作短編集。以前読んだ原田マハさんの『独立記念日』に近いものを感じた。
    毎話、主人公になるのは別の話で脇役として出てきた女性たち。家族、友人、職場、学校、お稽古事などで、年代も職業も様々な人たちが登場する。こうした連作短編を読むと、人がそれぞれ抱えているものや気持ちはその人しかわからないということ、他人の評価はその人自身の価値には何の影響も及ぼさないことを感じる。近い関係だからこそ生じる誤解、どうしても抱いてしまう嫉妬心など、人間らしい話が多かった。誤解が解けた場面や、敵意を向けた人が予想に反して温かな対応をしてくれる場面はとても良かった。
    各話に出てくる花と花言葉が話に彩りを与えているのだが、私はあまり詳しくないため、再読してもう一度味わいたいと思った。

  • 花と花言葉には
    美しくもあり、棘や毒もある
    女性がそうであるように
    そんなことを感じた1冊

    ひとつひとつのお話に登場してくるひとたちがほのかにつながって、違うすがたを見せるのも連作小説集ならでは

    お花や花言葉が好きなひとにはおすすめの1冊

  • 短編にそれぞれ花が登場し、その花言葉にちなんだ物語が展開するという構成。
    どんな花なのかな?と毎回調べて、頭の中でイメージしながら読みすすめた。全部はとてと覚えられないけど、一つでも自分の知識として残ればいいな。
    物語としては、水瀬さんのお話が好きだった。

  • 伊藤さんのショートショート。
    女性目線の、それぞれの物語が緩く繋がる感じ。
    サクサク読めるし、軽すぎず重すぎない温度感が凄くちょうど良かった。

  • 花を中心にそれぞれの物語が時間を超えてつながっていく。

    あの時のふとした会話が、
    ふとした行動が。

    あれがあったから今がある。
    背中を押してもらったから今がある。

    じんわり温まる一冊。

  • 題名と表紙に惹かれて読んだ本♪
    各章に花の名前と花言葉がついており、花を検索してイメージを持ちながら読み進めていくのが楽しかった。
    各章に関係する登場人物が散らばってでてくるが、個人的には読み進めるうちに忘れてしまっている部分もあり、繋がりを見逃している部分もありそうで勿体無いなと思った。

  • 【あらすじ】
    結婚式に参列した千佳は、帰り道でタクシーの運転手に想いを零す(六月 アマリリス 「おしゃべり」)、資格試験に合格した優里は、喧嘩別れした親友のことを思い出す(三月 クリスマスローズ 「追憶」)、推しのスキャンダルにショックを受けたるりは、あることを思いつき――(八月 向日葵 「あなただけを見つめる」)。

    女性たちの揺れ動く心情を、花と花言葉にリンクさせながら、温かく描き出していく二十四篇の連作小説集。

    【個人的な感想】
    登場人物が多く、整理しながら読まなければ、短編同士繋がっていても理解できない。
    短編の内容はどれも重ためで好きだった。
    『チューリップ』『ホウセンカ』『バンクシア』が好きだった。

  • 花と花言葉に関連して展開していく小説。
    前半の12篇は花の美しさにフォーカスしたような、素直に明るくなれる、前向きになれる物語でした。
    後半12篇は花の棘や毒の部分に着目したような、花も人も綺麗なことばかりではないと思わされる構成でした。
    それでも、救いがないわけでもないような、強く生きようと思える話でした。

    登場人物の誰がそこにある花に気付かずに、何に気付かされて、どう展開していくんだろうという視点で見たら面白く読めました。
    タイトルの花はどんな花なんだろうと調べながら読むのも楽しくて、また花が好きになりました。

  • 2025/03/19予約 8
    おすすめされて読んだ本。
    私は少し苦手、ごめんなさい

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著者プロフィール

1986年、静岡県生まれ。2015年、「変わらざる喜び」(「名前も呼べない」に改題)で、第31回太宰治賞を受賞。他の著書に『稽古とプラリネ』『緑の花と赤い芝生』『きみはだれかのどうでもいい人』『ピンク色なんてこわくない』がある。

「2022年 『名前も呼べない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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