転職の魔王様3.0 (PHP文芸文庫)

Kindle版

β運用中です。
もし違うアイテムのリンクの場合はヘルプセンターへお問い合わせください

  • PHP研究所 (2025年2月12日発売)
4.02
  • (27)
  • (41)
  • (23)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 322
感想 : 29
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784569904580

作品紹介・あらすじ

2023年に連続ドラマ化された人気小説、最新刊!
「転職の魔王様」の異名を持つ毒舌敏腕な先輩来栖のもとを離れ、千晴がキャリアアドバイザーとして独り立ちすべく、大阪に転勤して一年。
彼女は、“便利屋的に異動を繰り返させられる”、“会社がホワイトすぎる”“新入社員が優遇されすぎ”といった転職希望者の相談に乗っていた。
そんな折、東京の来栖の前に、彼を本気にさせる“因縁の求職者”が現れて――。

ビジネスパーソン必読のお仕事小説、第三弾! 文庫書き下ろし 。

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

物語は、キャリアアドバイザーとして独り立ちした千晴が、転職希望者の複雑な悩みに向き合う姿を描いています。シリーズ3作目となる本作では、求職者の本質を見抜く来栖の毒舌が光り、キャリアアドバイザーとしての...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  •  労働観というものについてのクライアントの気づきと再生を描くヒューマンドラマ。
     また、サポートする CA を描くお仕事小説としての側面もある。
     
     物語は、3話目までは主に主人公の千晴と各話のクライアントの視点で語られるが、第4話は魔王・来栖とクライアントの視点で、最終話は千晴と来栖の視点で、それぞれ語られていく。シリーズ3作目。
              ◇
     早朝。無人のフロアに杖の音が響く。オフィスに一番乗りした来栖嵐は自席でノートPC を立ち上げた。その日の面談予定について、求職者や面談内容をチェックするのが朝のルーティンだ。

     予定確認が終わり、新規登録者リストを開きざっと見ていた来栖の目が、ある求職者のところで止まった。氏名と現在の勤務先に目が釘付けになる。
     来栖は思わずPCの蓋を閉じ、無人のオフィスを見回した。そのときエントランスの扉が開く音がした。誰か出勤してきたようだ。足音がオフィスに近づいてくる。

     そっとPCを開いた来栖は、速やかに先ほどの求職者情報をデータベース上から削除したのだった。 (「プロローグ」) ※全5話とプロローグおよびエピローグからなる。

          * * * * *

     これまでの3作品の中で、個人的にいちばんおもしろいと感じたのが本作です。その理由は3つあります。


     1つ目は、プロローグのうまさです。
     あの常に冷静沈着な来栖の見せた一瞬の動揺と、その後の謎めいた行動。新規登録してきた人物とは誰なのか。そして来栖はどのように対処していくのか。展開がとても気になって仕方ありません。
     そんな不穏さが漂うサスペンス調のスタートにさっそくのめり込みました。


     2つ目は、各話ともよくできた短編になっていたことです。
     特に第1話。千晴と来栖のコンビネーションが絶妙でした。2人の連携はこれまででもあったのですが、今回は東京 ( 来栖 ) と大阪 ( 千晴 ) に別れての転職支援。( 前巻最後で千晴は大阪支社へ異動したのでした。) 2人はもちろん個別で求職者に当たることになりますが……。

     その他にも、パワハラ問題や有能で人のよい社員の便利使い問題、専業主婦の求職活動問題などのほか、姉妹関係の難しさにまでテーマを広げてストーリーが構成されていて、考えさせられる内容になっています。
     そして、どのお話もうまい落とし所に収まっていて、よくできたお話が好きな私には、おおいに楽しめる展開でした。


     3つ目は、千晴と来栖の関係に決着がついたことです。

     2人きりのときの千晴と来栖が何ともおもしろい。 
     1作目では気弱で頼りなげだった千晴が、2作目3作目と進むに従ってとってもパワフルに。しかも意外にも来栖に対して肉食系の押しの強さを発揮したりします。
     一方の来栖。鉄仮面をかぶったような冷徹無比な普段と比べ、千晴に対しては微笑ましいツンデレぶり。随所で千晴に押し切られるような柔らかさも見せます。

     ちょっぴりラブコメディ仕立てで描かれる2人の恋。デザートとしてどうぞ。
     

     シリーズ最終巻となるみたいですが、3作セット読みで満足度がアップする作品だと思いました。

  • シリーズ3作目。
    物語が急展開して面白かった!
    ここまで相談者の将来を考えて親身になってくれるエージェントってある?と思う。仕事やその人自身の悩みの本質まで見抜いているところがすごい。
    転職エージェントというより、キャリアアドバイザーの方がしっくりくる仕事っぷりだなと思った。
    来栖と千晴の関係も動きがあって、ドキドキ、ニヤニヤが止まらなかった。この続きも読みたいなぁ。

  • この本、今読んでよかった!
    なぜなら只今転職活動中だったので。
    後半に出てくる“パワハラ上司”の分析に、いちいち感動。「そうそう!」「コレってあの人の事じゃん!」
    どうやらウチの職場には“管理職として部下を育てられない”上司と、“自分のやり方の押し付け”上司が両方ともいるぅぅーー!サイアクだ。
    転職する理由がまたまたどハマり!
    まさに私も転職が必要だったのですね。

  • シリーズ3冊目。

    今回もシェパード・キャリアにやってくる求職者はそもそも「(何で)転職したいのか」が見当たらない…という転職したい理由が何なのか、肝心な軸がなくて表向きの目線でしか見えてないから辞めたい、10人に1人、そういうタイプがいるんじゃなかろうかと思える。

    働き方改革が進んで、自分が20代の頃のような精神論を唱えるような企業は大幅に減ってて。
    その中で自分軸を身につけ企業とのコミュニケーションが必要になってくる時代なんですよね。と第三話の『職場がホワイトすぎてぬるい〜』で共感。

    転職って人生の通過点。少しでも求職者が理想的な企業に就業できるようサポートするCAのみなさんには感謝しかないと、改めて思いながら読み終えました。
    作者の額賀さんは念密にこの業界のことを調べたんだなと素晴らしいです。

    まだまだ続きが観たい…。
    転職活動をしていた身として、来栖嵐の求職者に対する(猛毒で心を抉る)言葉は突き刺さることばかりなのに終わるのがもったいないなぁ…。

  • シリーズ3作目だけにキャラクターのインパクトは薄れているように感じました。
    身内ネタがメインでこれが最後かなと思います。
    もう少し次が読みたいかな。

  • 今の時代に働く人誰もが気にしている「ハラスメント」世代によって思うところは違うけど、それが当たり前だった世代、途中で色々変わった世代、堂々と訴えることができる世代。それぞれの思いが描かれていた。登場人物達のその後も描かれていて、前作既読勢必読


  • 魔王様が迷える求職者の本音に鋭く
    切り込む様子が爽快。

    本音と向き合うことは痛みを伴う。
    でも、整理できていない感情や本音と
    向き合うことで後悔しない転職ができる。

    どの話も刺さります。

    ーーーーー
    第一話
    張り合うべきは今の自分と
    転職後の自分でしょう

    第二話
    それは組織が個人に甘えてるだけです

    第三話
    職場がホワイト過ぎてぬるい?
    何をぬるいこと言ってるんですか

    第四話
    パワハラをしていい免罪符なんて
    どこにもないんですよ

    第五話
    あなたのキャリアは一生あなたに
    寄り添ってくれるはずです

  • 大阪に転勤していた千晴がついに東京へ戻ることに。大阪へ行く時に交わした『東京で待っている』と言う言葉の真意は…

    まさか千晴の告白の答えが「付き合うなら結婚前提で」になるとは思いませんでした。千晴が思っている以上に来栖が千晴を好きなのが判るのが、千晴のCAになる前に勤めていた会社のパワハラ上司との面談を水面下で行っていた事に驚きでした。

    付き合ってる時も結婚しても、お互い上司と部下みたいな感じが二人らしいけれど、それでも名前で呼び合って欲しいですね。

    これで終わりなのか判りませんが、次巻も期待です。

  • シリーズ3作目。
    今回も面白かったです。
    前作、前々作は2023年に読んでました。
    前作の最後に未谷さんが大阪に転勤して、今回はどうなるのかと思っていると、まさかの恋愛小説的な展開に!

    恋愛小説的な要素も良かったのですが、本シリーズはやはり、仕事をめぐる人間ドラマが魅力です。
    人間というのは、自分の本当の気持ちに気づくことも容易ではないのだなと思わされます。
    転職希望者の本音をえぐりだす魔王様の毒舌が、本作でも冴え渡ります。

    パワハラ職場もあれば、ホワイトな職場に物足りなくなってしまう人もいる。
    単に職場に漠然とした不満を持っているだけでは、次の職場に行っても同じことになりかねない。
    会社や上司との話し合いなど、コミュニケーション不足が原因になっているのであれば、話し合いをしないといけない。
    上司だからといって、部下を軽んじてよいわけではない。
    職場は人間社会の縮図なのだから、人生の様々な場面で、この読書体験が活かせそうなシリーズです。

    まだまだ続いて欲しいのですが、エピローグを読むと本作で完結しそうな雰囲気があります。

    ともあれ、面白いので、多くの人にお勧めしたいシリーズてす。

  • お仕事小説としたら、一巻がいちばん良かった気がする。まぁ、個人の感想ですが‥。
    感情の動きとしては3巻がいちばん読んでて楽しかった。
    一応丸く治っているけど、続きが出たら読みたい作品。

  • 「去ると決めた人はここまで、冷徹なほど淡泊になれるらしい」
    本当にその通り。
    辞める覚悟を決めた人間は強い。
    そこに至るまでに幾多の試練を乗り越えて、思考を繰り返し、自分と向き合ったか。それによって覚悟の重たさが変わるなと思った。

    千春と来栖が付き合う展開は期待していなかったけど、でも嬉しかった。

    お仕事小説は話題が身近なものが多く共感できる。
    また読みたいなーと思った作品。

  • シリーズ追っかけてます。
    今回も面白かった。
    栗栖さんも未谷さんも相変わらずで、さまざまな思いになるほどなあ、と納得。

    さて、最後の2編、ものすごく沁みた。パワハラ問題、バカにされてるんじゃないか問題、ちょうど気持ちのど真ん中にあるモヤモヤを突き出されている気がした。

    栗栖さんが竹原さんにパワハラを生む背景について解説するくだりは、今の環境を思い浮かべながら、ハラオチ。ひとりでグダグダしていた思いも、こうやって他者の目から見せてもらうと、違う可能性が感じられる。

    わたしの中では、わたし、定時に帰りますと転職の魔王様は、働く、について考えさせてくれる2大シリーズとして、楽しみにしている。
    とりあえず落ち着いてしまった感があるけれど、引き続き、ぶった斬ってほしい。

  • 年はとってるけど自分も考えさせられることが多いです。「それは組織が個人に甘えているだけです」は刺さりました。ほんとそうって思います。未谷さんのかつての上司が登場したの驚き。来栖さんなんだかんだ考えてくれてる?もうこれで終わりかな…。

  • 姉妹の存在、自分の価値を高めなければという焦り、結婚とキャリアの考え方…
    現在の自分に当てはまる状況が多く、自然と自問自答しながら読みました。自分が数年前に転職した時のことを思い出して、今の仕事をもう少し頑張ってみようかなと思えたり…
    (シリーズなのを知らずに3.0から読み始めてしまいました。それでも楽しめたけど、前巻も読もう…)

  • 転職することが必ずしもいいことではない
    パワハラが発生する原因、パワハラをする人の心理、職場がホワイトでぬるいからと退職する若手の心理、人手確保するために初任給は上がるけど、中堅は据え置きすることが多い今の会社の現状、就職氷河期世代、z世代、どちらでもない世代などについて分かりやすく書いてるのがいい
    最近起きている事に対して丁寧に説明してくれてる

  • これで終わりかな。面白かった。まだまだ読みたい。

  • 人事領域の仕事をしています。昔はエージェントもやっていました。
    フィクションではあるのですが、登場するエージェントのように候補者ファーストなエージェントが多くあればいいなと思います。実際は儲け主義、自分本位な業界になりつつあるので。

  • …早く一人前にとか、成長してほしいとか、そんな期待しちゃ駄目です。神棚に供えとくくらいの気持ちでいてください。

    まさに今の日本にピッタリな表現。
    新入社員とこんな働き方してる国、他にあるのかなぁと思います。

  • 自分のために自分を生きること
    自分らしく自分を生きること
    自分で自分を生きること

  • 2025/04/21
    このシリーズも3冊目となりました。
    大阪に転勤が決まったところで前作は終わっていますが、その後の大阪での転職依頼者の話、来栖と未谷の2人のその後など読みどころとなる話や展開がとても面白いです。
    それぞれの短編でやはり転職を考える人たちが出てくるのですが、これまでの転職者のパターンとはまた違った転職動機を持つ人たちについて描かれています。
    一風変わった転職エージェントとしてのアドバイスもとても痛感だと思います。
    また、転職エージェントの側も転職希望者の状況を聞いてどのようにアドバイスをするのか、どう考えるのかと言ったことも一緒に考えているような気分になれる内容です。
    痛快なものもあれば親身になってみたいものもあって読み応えアリだと思います。

全25件中 1 - 20件を表示

著者プロフィール

1990年、茨城県生まれ。日本大学芸術学部卒業。2015年、「ウインドノーツ」(刊行時に『屋上のウインドノーツ』と改題)で第22回松本清張賞、同年、『ヒトリコ』で第16回小学館文庫小説賞を受賞する。著書に、『ラベンダーとソプラノ』『モノクロの夏に帰る』『弊社は買収されました!』『世界の美しさを思い知れ』『風は山から吹いている』『沖晴くんの涙を殺して』、「タスキメシ」シリーズなど。

「2023年 『転職の魔王様』 で使われていた紹介文から引用しています。」

額賀澪の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×